2015年度慶應義塾法学部 FIT入試B方式
全体概観:二次選考 大問(400〜450字程度が2つ)各45分+面接
ちなみに以下が、合格者の人数となっています。
学 科 | 募集人員 | 方 式 | 出願者数 | 第一次合格者数 | 最終合格者数 |
---|---|---|---|---|---|
法律学科 | 最大80名 | A方式 | 192(118) | 63(40) | 32(25) |
B方式 | 148(89) | 100(65) | 67(47) | ||
政治学科 | 最大80名 | A方式 | 215(137) | 69(48) | 32(25) |
B方式 | 184(115) | 100(65) | 68(47) |
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。 |
学 科 | 募集人員 | 方 式 | 出願者数 | 第一次合格者数 | 最終合格者数 |
---|---|---|---|---|---|
法律学科 | 最大80名 | A方式 | 180(111) | 68(55) | 30(24) |
B方式 | 162(100) | 106(70) | 67(43) | ||
政治学科 | 最大80名 | A方式 | 213(144) | 68(60) | 30(27) |
B方式 | 145(87) | 94(61) | 65(45) |
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。 |
学 科 | 募集人員 | 方 式 | 出願者数 | 第一次合格者数 | 最終合格者数 |
---|---|---|---|---|---|
法律学科 | 最大80名 | A方式 | 144(94) | 74(55) | 40(31) |
B方式 | 88(60) | 86(60) | 53(40) | ||
政治学科 | 最大80名 | A方式 | 213(136) | 78(57) | 30(23) |
B方式 | 125(89) | 100(75) | 60(46) |
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。 | ||||
( ):内数 女子 |
では、2015年度のB方式の二次選考の回答のやり方について説明していきます。問題はこちらです。→ http://www.admissions.keio.ac.jp/exam/fit15_b.html
大問1:資料読み取り型小論文
大問1では、与えられた資料(グラフ,表,データ,条文, 判例など)から読み取れることを 400 字程度にまとめます。ここでは、社会科学に必要な論理的 な思考力,考察力や多様なデータに対する知識が求められます。
2015年度では、世帯数と1世帯あたりの平均人数を年代別にしたグラフAと1995年と2010年の世代別の独身率を比較したグラフBを総合的に読み取る能力が求められました。まずグラフAは、年代別の世帯数と1世帯あたりの人数のグラフです。では、このグラフから読み取れる点を探すことになってくるのですが、このグラフから読み取れることは近年世帯数が右肩上がりに増加する反面、1世帯あたりの人数が減少傾向にあるだと思います。ここで注意すべき点なのですが、この様なグラフや資料を読み取る型の小論文では、グラフから読み取れること以外を勝手に想像して書くことはやってはいけません。
次にグラフBは、1995年と2010年の単独世帯数を男女別に比較したものです。そこから指摘できる点は、女性は20代と75歳以降の独身率の増加、そして男性は独身率が全体的に増加している点でしょう。
では、以上グラフAとグラフBから読み取れる点を複合して問題点を指摘しましょう。つまり、「増加する単独世帯」から見られる問題点です。以下が解答例です。
~解答例~
グラフAによると、年々世帯数が右肩上がりに増加する傾向にあるものの、その反面1世帯あたりの人数は減少し続けていることが読み取れる。さらにグラフBによると、全体的に独身世帯が増加していることがわかる。加えて男性では、2010年の方が20歳以上の独身率が全体的に上昇している。特に、40代を超えると独身率が大幅に上昇している。また、女性では25歳の独身率が大きく上昇している。しかし、年齢が上がるとその差が減少することから年々女性の晩婚化が進んでいることがわかる。そして、70歳以上の高齢者女性の独身率が上昇している。そこから、男性よりも女性の方が長生きをし、医療環境の発達などにより女性の寿命が大幅に伸びたこともわかる。以上グラフA及びBから総合的に見ると、男女ともに独身世帯が増加しているために、世帯数の総数は増えるものの1世帯あたりの人数が減少して行っていることがわかる。(計387字)
大問2:発想力が問われる小論文
大問2は、創造力,独創性,発想力が主に問われる問題で、対策をしていないと面食らうことになります。ですが、毎年割と奇抜な問題が出題されるために、過去の問題を遡っていればある程度身構えることが出来るでしょう。大問2は、大問1と異なり予想することが出来ないので、発想力に加えてそれにしっかりと肉付けできるほどの論理を身につけることが成功の鍵となってきます。では、2015年度の大問2を見ていきましょう。
〜設例〜
今年10歳になる姪っ子があなたに質問してきました。「民主主義のどこが望ましいの?」
彼女に理解できるように、400字程度で説明してあげてください。文体は必ずしも話し言葉にする必要はありません。
さて、10歳の子供に民主主義を教えるという非常に特異な条件下です。民主主義を簡単に、子供にもわかりやすく教えなければいけません。もちろん、専門用語を使っても理解できませんから、小学校4年生くらいの子に理解できるような言葉を用いることが必要です。設問にもありますが、子供でも分かりやすい=子供向けの言葉遣いではありません。子供が理解しやすい「学校」など具体例を持ち出して説明するようにしましょう。以下が解答例です。
~解答例~
民主主義の望ましい点とは、国家に属する国民皆の意見が反映される点である。例えば、学校のクラスの中で揉め事が起きたとする。その時、先生が勝手に解決することや、さらにクラスで威張っているような声が大きいような生徒の意見が通るようなことでは生徒の意見が活発的に交わされるようなクラスにはならない。それと同じように、国家においても国の上に立つような人物が国内すべての物事を勝手に決める事や、権力者が鶴の一声で国を左右するのでは真っ当な国にはならない。それに対して、民主主義とは国家の上に立つものが身勝手に色々と決める事なく、さらに権力を持った人に左右される事もないのだ。クラスに例えると、先生が勝手に解決する事も、声の大きな生徒の意見が通りやすい事もない。クラスの全員が、物事について議論を交わすことで解決に向かうのである。つまり、声の大小に関係なく人々が議論を尽くす事で国家を運営する事ができる、言い換えると少数の意見が蔑ろにされる事がないという点で望ましいと言える。(431字)
400字程度なので、+-1割(40字)程度に考えておいてください。少なすぎても多すぎても採点者に読む気を与えません。
以上は、FIT入試における小論文の回答の一例ですので、一言一句同じである必要はなく、自分が考える内容で構いません。ですが、回答にたどり着くまでの論理的な道筋は変わらないので是非参考にしてください。
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