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法学部

慶應義塾大学法学部【世界史】|2019年入試の傾向と対策と効率的な勉強法について

2018.10.30

<この記事は2018年10月30日(月)に更新されました>

慶應義塾大学法学部

このブログでは、慶應義塾大学法学部の世界史に関する入試対策(出題傾向と勉強法)をご紹介していきます。
基礎知識0の状態から合格するためには何をどのようにしたら良いのかを参考書の使い方まで徹底解説!


全体概観

出題される時代は近現代が中心となっており、その点は十分に準備をする必要があります。また、教科書・用語集を超える知識も一部にはあるが、ほとんどは教科書・用語集をすみずみまで学習することで対応可能な問題です。

ただし、大問Ⅰにみられるように地図を使った問題も出題されています。経済学部の問題でもありますが、地図の把握も重要となってきます。
当時の地図だけでなく、それが現在の何という国なのかも含めて準備しておくと良いでしょう。
資料集等を普段から活用しているかどうかが問われるので、ぜひやってください。また、用語を覚えるだけでなくその内容も覚えることは基本となります。

慶應義塾大学に合格するために必要なのは、細かいことまで覚えようとすることが第一ではなく、基本的なことから「細かく正確に」覚えていくということだということが分かってくれたと思います。

配点

外国語:200/400点 時間80分
歴史(日本史or世界史):100/400点 時間90分
小論文:100/400点

例年、260~70点を取れていれば合格をすることができます。
小論文が多くの人が大体半分程度の点数と考えるのであれば、英語と歴史で220~30点は取っておきたいところです。
英語は近年は大問数が減って、時間内に解きやすくなってきているので、得意な人は160点程度取ることも難しくはないでしょう。

慶應法学部の世界史対策について

ここからの項目では慶應法学部の世界史についてどのような傾向があって、どのような対策を行うことで成績を圧倒的に上げることができるのかを記載致します。

細かな知識はどのように入れていけば良いのか?

入試に細かな知識が出るからといっていきなり細かな知識を入れても、他の単語との関連が薄いのですぐに忘れてしまいます。
ですから、まずはじめにすることは他の学部を受ける場合と変わりません。
基本的な知識(年号、大枠の各自体毎の流れ、代表的な人物など)を確実に入れていくことが先です。これらの知識の連関なしには細かな知識を覚えるのは不可能です。

また、上記の基本的な知識があれば選択肢の消去法ができるので使ってみましょう。
法学部は選択肢が多いためちょっと特殊な消去法になりますが、過去問をやりこむことでわかるかと思います。

現代史はどのように対策をしたら良いのか?

慶應の法学部では現代史が頻出します。
現代史は範囲としては50年ほどなので狭いのですが、各国の連関が強くなってきてより複雑になってきます。

また現代史は早慶で頻出であるのに、学校や予備校ではあまり扱われない部分なので早めに独学で対策をしておかなければいけません。

慶應法学部の世界史は8割取らなければ行けないのか?

下記の表ですが、ここ5年間の慶応法学部世界史の平均点です。
難易度にだいぶばらつきがあることがわかると思います。

年度

平均点

18

43.04

17

54.08

16

54.85

15

50.8

14

47.91

さて、そこでそもそもこのテストは難しい問題なのでしょうか?

「難しい問題である」というのが、当塾の考える答えです。

慶應大学を受験する生徒はかなり成績の良い生徒の集団でしょう。

その集団で平均点が50点程度なのですから、決して簡単ではないと思います。

また、問題形式も独特です。普通にマーク式なので特に難しいことはないのでは?と思うかもしれませんが、ためしに過去問を1つやってみてください。
選択肢を選ぶのがこんなに大変なのか、と驚くと思います。

過去の法学部の問題一覧

2016年「ビザンツ帝国史」「中国現代史」「世界の一体化」「ポーランド史」
2015年「ナポリ・シチリア史」「近世以降の政治体制と民主主義」「20世紀における戦争・平和」「奴隷制史」
2014年「ヨーロッパの法について 」「春秋・戦国時代から宋代までの中国社会の変化と文化 」「十四か条の平和原則 」「イスラームの拡大 」
2013年「中国内における少数民族の歴史 」「帝国主義国と植民地の歴史 」「北アメリカ史」「トルコ史 」
2012年「華僑の歴史」「イギリス現代史 」「1.古代ローマの著作2.ロシアの近代化3.第一次世界大戦後の中東諸国 」「1.インド近現代史2.日本軍の中国大陸侵出 3.1977-78 年の兵器売買 」
2011年「キューバ現代史 」「スペイン現代史 」「オーストラリアとオセアニア現代史 」「百年戦争期の英仏関係と国民意識の萌芽」
2010年「合衆国における黒人差別の歴史」「朝鮮半島史 」「ローマ教皇史」「パレスチナ紛争の歴史 」
他の学部ではあまり見られないマニアックなテーマ史(現代史、文化史)が出題されます。法学部を受けない人でも知識の漏れを発見するには一度解いてみるのが良いかと思います。

過去問からの抜粋による対策

慶應大学法学部世界史2016年の出題

近世以前の時代からすでに、ユーラシア大陸の内部や周辺において地域間の接触・交流が見られた。それに関連して、以下の中から誤った記述を選び、その番号を解答用紙の(51)(52)にマークしなさい。

[01]中国からインド洋に至る海上交易路は、ジャンク船によって陶磁器が盛んに運ばれていたため、「陶磁の道」とも呼ばれている。
[02]三角型帆を持つ木造船であったダウ船は、インド洋やアラビア海での交易で使われた。
[03]アイユーブ朝やマムルーク朝時代の東西交易においては、カーリミー商人が活躍した。
[04]中国で海上交易を管理する役所であった市舶司は、唐の中期、泉州に初めて開設された。

受験生の皆さんがよく使っている『ナビゲーター世界史』を見てみましょう。

[01]については、2巻127ページに「青磁や白磁は美術品としても優れ、重要な輸出品となりました」「中国商人のなかからも、ジャンク船を用いてジャワ・スマトラ、さらに遠くはスリランカ(セイロン)をへてペルシア湾まででかけて貿易を行うものもでてきました。」とあります。正しい文章のようです。
[02]については、2巻34ページに「ムスリム商人(アラブ商人やペルシア商人)が季節風を利用する三角帆のダウ船を使い始め、」とあります。正しい文章のようです。
[03]については、2巻214〜216ページをみてみましょう。ファーティマ朝、アイユーブ朝、マムルーク朝の解説の最後の方に「カーリミー商人という用語が、最近の入試で重要視されているように思えます。これは11〜15世紀にかけて、カイロを中心に地中海〜紅海〜インド洋間のダウ船を利用しての貿易で活躍した商人のことです。」とあります。正しい文章のようです。
[04]については、2巻103ページに「なかでも広州は、市舶司という貿易を管理する役所(税関のような役所)が初めて設けられたことで、特に重要です。」とあります。泉州ではありません。誤っている文章になりますので、これが正答ですね。
また、これを行うことでナビゲーター世界史には載っていなかった「陶磁の道」という用語を覚えることもできました。1つ1つ課題を乗り越えていきましょう。

慶應大学法学部世界史2017年の出題

これら2つの条約(註:アロー戦争における天津条約と北京条約のこと)によって清朝が新たに開港を認めた港の組み合わせとして正しいものをしたから選び、その番号をマークしなさい。

[01] 南京、漢口、大連、九江、淡水
[02] 天津、福州、九江、青島、台南
[03] 南京、天津、鎮江、台南、淡水
[04] 天津、福州、漢口、淡水、九江

大英帝国の自治領となった順番として正しいものを選び、その番号をマークしなさい。

[01], 南アフリカ → カナダ → オーストラリア → ニュージーランド
[02],ニュージーランド → カナダ → オーストラリア → 南アフリカ
[03], カナダ → オーストラリア → 南アフリカ → ニュージーランド
[04], カナダ → オーストラリア → ニュージーランド → 南アフリカ

解答は03、04であるが、まず上の問題に関しては基礎的な内容であることはわかると思います。

中国史を学習していて天津・北京条約を知らないということはないはず。

しかし、実際問題としてこの問題を間違えてしまうということはよくあることでしょう。

天津条約、北京条約を学習した時に開港場まで細かく覚えていないからでしょう。
下の問題についても同じようなことが言えるでしょう。
それぞれが自治領となったことは学習しているし、前後の流れもなんとなく分かっているが、年号を覚えていません、全体の流れを覚えていないためこの問題が正解できてません。

つまり、「なんとなく」やっているという状態であるため正解できないのであり、それを「細かく正確に覚える」ということをすれば正解にたどり着くことができます。

慶應大学法学部世界史2018年の出題

(前略)古来より壁は外敵の侵入を防ぐ防護壁としての機能をはたしてきた。ローマ帝国は国境にいくつかの防塁を築いた。たとえば、五賢帝によって帝国北部につくられたものや、ゲルマニアとの国境である(  )川流域に築かれたものが知られており、いずれも「ローマ帝国の国境線」としてユネスコの世界遺産に登録された。(以下略)

そして、空欄に当てはまる語を選択肢から選びます。

さて、ローマ帝国の国境線を意識したことはありますか?国境線は多くの場合山・川などですので、資料集などでその国の版図をみたら確認しておくと覚えられます。

このような細かい作業を普段の学習でしていますか?近年入試に地図が出てくることが早慶大にかかわらず多くなっています。

地図を見るというのはなんとなく眺めることではありません。覚えるポイントはいくつかあり、その一つが国境線です。

また、ナビゲーター世界史の1巻を見てみましょう。116ページに以下のような記述があります。

4世紀以降、バルト海沿岸を原住地としていたゲルマン人がケル人を圧迫して、紀元前心には黒海沿岸やライン川のあたりまで進出し、ローマ帝国と境を接するまでになりました。

これを読んだときに、ゲルマニアはライン川までで、ライン川がローマ帝国とゲルマニアの境になっているということが思いつきましたか?普段からこのように考えて学習をしていれば、この問題にも対応できるはずです。

慶應法学部の問題が非常に難しいのは事実ですが、一方で皆さんが使っている参考書で十分に対応できる問題なのです。
ただし、非常に細かいところまで理解することが大切です。用語集などでも見出し語ではなく、説明文の中までよく読み、重要な言葉を探し出して覚えてください。

マーカーで色を塗るべきところは見出し語ではありません。見出し語を覚えたその先に勝負どころがあるのです。

このような丁寧な勉強ができれば慶應法学部の世界史で8割を超えることは夢ではありません。皆さんのもっている参考書・問題集は非常によくできたものです。
それをどのように使っていくのかで勝負が決まります。今成績が伸びずに困っている方は新たな参考書を求めるよりも先にやるべきことがあるはずです。

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