方針の立て方
(1)
Aの箱に他の箱からのボールの追加をするわけだが,それぞれの箱(AとA以外)で黒ボールと白ボールの割合が違う.これこそがこの問題の難所である.数学においては「難所がある場合にはそれを分割する」ことが基本的な考え方である.そのため,Aにそもそも入っていたボールと,後からAに入ってきたボールとて分割して考えるという方針を立てる.
(2)
前問と同様それぞれの箱で黒ボールと白ボールの割合が違うことから,これらを分割して考える必要があると判断する.ただし,本問の場合には交換の度に箱E内の割合が変わってしまうことに注意.ここも分割することになる.よって,本解答のような,交換の度に確率を考えるという方針になる.
解答例
(1)(2)(3)(4)……
(5)(6)(7)(8)……
(9)(10)(11)(12)……
(13)(14)(15)(16)……
解説
(1)
最終的に計19個のボールがAに入っている.最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率と,後から加えられた黒ボールを取り出す確率を求める.
・最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率
19個のボールの中から最初に入っていた7個の黒ボールのどれかを取り出す確率のため
・後から加えられた黒ボールを取り出す確率
19個あるボールの中から後から加えられたボールを取り出す確率がであり,後から加えられたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率はである.これらは独立であるため,後から加えられた黒ボールを取り出す確率は,となる.
よって,求める確率は,
……(答)
(2)
EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率は,前問と同様に場合分けして考えると,
・最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率
10個あるボールの中から最初からEに入っていたボールを取り出す確率がであり,最初からEに入っていたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率はである.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,となる.
・交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率
10個あるボールの中から交換によってEに入ってきたボールを取り出す確率がであり,交換によってEに入ってきたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率はである.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,となる.
よって,EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率はである.この確率をとおく.
次に,EとGの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
となる.この確率をとおく.
次に,EとHの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
となる.この確率をとおく.こそが求める確率である.とを代入すれば,
……(答)
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