■仮定法過去完了とは?
後になって、○○だっただろうな…。▲▲だったかもしれないのに…。そんなことって、私たちの生活でも、よく起こりますよね。
今回は、仮定法の中でも、過去の事(実実)の反対を「もし~だったら、」と仮定して、「~だったらなあ」/「~できたのになあ」などという「仮定法過去完了」の文を紹介します。
・1 If =仮定「もし」
仮定法は、現在、過去に実現しなかったことを、if 節で「仮定して」、ある時点でありえない現実を強調するような表現方法といえます。
「~たらなあ」「~れば、…のに」というのは、事実や現実ではない(実現はしない事)を、「無理だけど、実際に起こっていたら/万一そうなっていたら」と仮定しており、イメージや想像のようなもの、非現実的な話です。実際には、起こりません。
・2 2つの「If~,=もし」
Ifは使い分けられます。
実現する可能性のあることは、同じIfでも「仮定」というよりは「条件」です。
たとえば「天気予報は見ていないから、降水確率とか全然わからないけれど、雨が降ったら私は行かないよ。」と、雨が行動の条件とか基準のような感じですね。
「条件のもし」と「仮定のもし」です。
仮定法を学んですぐの時は、If=仮定法という考え方をしてしまいがちです。ですが、実際には仮定法だけではなくただの起こりうる条件として使われる場合もあるということになります。
・3 仮定法過去完了
仮定法の中でも、過去の事(実実)の反対を仮定して「もし~だったら、~だったろうになあ/~できたのになあ」というのは「仮定法過去完了」の文です。
If +主語(S)+had+動詞の過去分詞形(V)~, 主語(S)+would/could/should/might+have+動詞の過去分詞形(V)~.
「もし(S)が(V)だったら、(S)は(V)だっただろう/できたのに/すべきだっだなあ/かもしれなかったのになあ。」
■would+have+動詞の過去分詞形(V)
=推測・推量
=「(V)だっただろうなあ」
=事実:(V)しなかった。
■could+have+動詞の過去分詞形(V)
=可能性、能力
=「(V)できたのになあ」
=事実:(V)しなかった。
■should+have+動詞の過去分詞形(V)
=義務、当然
=「(V)すべきだっだなあ」
=事実:(V)しなかった。
■might+have+動詞の過去分詞形(V)
=推量
=「かもしれなかったなあ」
=事実:(V)しなかった。
・4 仮定法過去完了の例文
たとえば、あなたは本を買いたかったのですが、お金が足りなかったとします。
過去のある時点(この場合は、本を買おうとした時)に、「実際に起こらなかった事」(この場合は本購入)は、仮定法過去完了を使って表現します。
If I had been rich, I could have bought the book.
(もし、お金を持っていたらあの本が買えたのになあ。もっと金を持っていたらなあ)
If I were rich, I could buy the book.(仮定法過去)
(もし、お金を持っていたらあの本が買えるのになあ。)
I wish+主語(S)+had+動詞の過去分詞形(V) ~. や、If only +主語(S)+had+動詞の過去分詞形(V) ~.も、仮定法過去完了の表現です。
また、なぜ仮定法では「過去」について述べているのに過去形ではなく「過去完了形」を使用するのかについては、「時制をずらして遠まわりにいう事で、実際の事実とは違いますよ、仮定ですよ」、という事が分かりやすくなるからで、聞いたり読んだりしている人も、事実と区別しやすいから、という理由となっています。
・5 混合仮定法
仮定法過去と仮定法過去完了の混合について説明します。
If I had had much money, I could buy the book.(混合仮定法)
=I didn’t have much money and couldn’t buy the book.(直説法)
もし、お金を沢山持っていたら、私はあの本が買えた(買うことができた)のになあ)。
=お金を沢山持っていなかったから、私は本が買えなかった。
このように、If節を仮定法過去完了、他方、主節を仮定法過去にして、「もし、(あの時に)~だったら、(今は)~だろうな/できたのにな/かもしれないな」と、過去も現在も事実の反対になるようにいう場合があります。
このような文章を混合仮定法と呼びます。
まとめ 「もし~(あの時に)~たら/れば」=If~
仮定法過去完了も、混合仮定法も、If節は、過去完了形の文=S+had+動詞の過去分詞形(V)=「もし~(あの時)だったら、」という意味ですね。
英語でもネイティブはよく使う奥深い表現で、様々な英語の良さが味わえると思います。
日本語の意味を考え、臨場感たっぷりにイメージしながら、パズルのようにひとつひとつ組み合わせてみてください。きっと、分かりますよ!
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