『英文読解の透視図』の効果的な使い方と学習法
『英文読解の透視図』は、東大や京大、早慶などの英語が最高レベルの大学を目指す受験生に
おすすめの英文読解力強化のための参考書です。
本記事では、『英文読解の透視図』の特徴と効果的な使い方、学習法について解説します。
ページ目次
『英文読解の透視図』の特徴
『英文読解の透視図』の特徴を見ていきましょう。
『英文読解の透視図』の構成
『英文読解の透視図』のレベル
『英文読解の透視図』は、東大・京大・早慶などの難関大学を目指す人向けのレベルです。
具体的には、以下のようなレベルの受験生がターゲットとなります。
- 共通テストの英語で8割以上の正解率を安定して出せる
- 河合塾や駿台の模試で英語の偏差値が65前後
- 早稲田や慶應の過去問は6-7割程度解ける
ものすごい難しいから、いきなり取り組むのだけはやめよう。特にGMARCHや偏差値60以下の大学であれば、このレベルはやる必要はありません。
どれくらいの人がターゲットのレベル?
共通テスト程度の英文しか読めない受験生にとっては難易度が高すぎる可能性が高いです。
むしろ、『肘井の読解のための英文法』などの入門・基礎レベルの参考書の方が適切だと言えます。
したがって、この参考書を最大限に活用できるのは、英語が得意な受験生や、早慶レベルの文章がある程度読める実力のある受験生といえます。東大や京大合格を強く目指す人にとっては非常に有用な参考書といえます。
当塾でどのように使っているのかについては、こちらの参考書リストで確認をしてください。
『英文読解の透視図』の3つの良い点
ここまでお伝えしてきた英文読解の透視図ですが、
30年以上受験生から愛されている神書ですので、その良い点を3つお伝えしていきます。
1,受験生の苦手分野に焦点を当てている
本書は「省略」「倒置」「比較」など、受験生が苦手とする項目を網羅的に扱っています。
これらは、入試英語において正確な読解の妨げとなる構文ですが、
一般の教科書や入門書ではあまり扱われていない場合があります。
本書ではこうした構文を豊富な例文とともに解説しているため、入試でこのような複雑な構文の文章が出た場合でも、パターンを理解していれば正確に読解できるようになります。
本書を学習することで、入試でこのような問題に強くなることができます。
2,1文ずつの丁寧な例文と解説
『英文読解の透視図』の大きな特徴の一つは、
例文とその解説が1文ずつ丁寧に記載されている点です。
各例文に対して解説が1文ごとに詳細に記載されているため、
独学で使用する場合でも、英文の構造を理解しやすくなっています。
各解説を丁寧に読むことで、徐々に英文を正確に読解する力が身についていきます。
3,基礎知識再入門の小冊子が付属
別冊の「英文読解再入門」では、
学習の前提となる基礎知識がコンパクトにまとめられています。
本書を学習する上で、知っておくべき文法事項等を効率的に確認できます。
ただしあくあまでこちらの教材は知識確認用程度なので、
0から学習ができるわけではありません。
そのような場合は、『肘井の読解のための英文法』や『英文熟考・上』をやってみましょう。
『英文読解の透視図』の教材データ
【目次】は下記のようになっています。
- 第1章 英文構造の透視図
- 第2章 省略・倒置・挿入・強調の透視図
- 第3章 仮定法・比較表現の透視図
- 卒業編(卒業問題)
この目次を見ても苦手な人が多そうな分野に特化しているな・・・というのが見てわかります。
続いて具体的に本文の中で扱っている【主な項目】について確認をしていきましょう。
- 要素の確定・移動
- 成句的動詞表現とその後続要素の確定
- 接続詞and/but/orの結ぶもの
- 省略
- 倒置
- 挿入
- 強調
- 仮定法の諸問題
- 比較表現全般における諸問題
- 重要比較表現における諸問題
基本はわかっている前提で、受験生が苦手な部分に絞っている感じですね。
『英文読解の透視図』の効果がでる使い方
『英文読解の透視図』の学習計画の例
『英文読解の透視図』の学習計画の例は以下の通りです。
- 目標期間:1ヶ月
- 1日あたりの学習時間:90分
- 1日の目標:例題1題+復習
このペースで進めると、1ヶ月で1周(全体の例題)を解き終えることができます。
その後は、2周目で復習しながらより定着を図ります。
できれば時間に余裕のある受験学年の8月までには着手しておきたいです。
『英文読解の透視図』を使う際の注意点
基礎的な英文法力が必要
本書は難易度が高いため、適切な英文法力がないと理解が困難です。文法書を使って基礎をしっかり固めておく必要があります。
『英文読解の透視図』に取り組む前に、
以下のような事項はしっかり身に付けておく必要があります。
- 文法項目の基本的な意味と用法(動詞の時制、助動詞の用法、前置詞、代名詞 等)
- 5文型(SVO型、There is型等)の文構造
- 複文の構成(従位構文、倒置構文、関係代名詞 等)
- 比較表現、仮定法などの形と意味
- 基本的な語彙力(4000語程度)
これらの事項は、次の参考書等を使って習得しておくと良いでしょう。
例文は現在の入試レベルを超えている
『英文読解の透視図』の例文は、当書の初版が1993年と古いこともあり、現在の入試より高い難易度となっている部分があります。
1990年代の入試問題は、今日よりも一般的に難易度が高かったとされています。
例えば、複雑な文構造を用いた長文読解や、抽象的な内容の文章が多く出題されていた時代でした。
近年の入試傾向を見ると、より平易な文章で大意把握を問う形式の問題が増えているのが特徴です。
難関大は古典問題もよく出る
早稲田大学国際教養学部の2023年入試において150年前の 文章が出たこともありますので、早慶以上のレベルの高い大学を目指す場合は慣れておく必要があります。
基本的な文法ルールや語彙を身につけ、さまざまな文脈で英語を理解する能力を高めることで、この参考書の難易度に対応することが可能となります。
解説は平易でない
『英文読解の透視図』の最大の特徴は、解説が入門書のような平易な文章ではなく、
ある程度の日本語の解釈力を要する内容になっている点です。
例えば、文法用語が多用されたり、抽象的な表現が含まれるなど、一読しただけでは理解が難しく、繰り返し熟読することが求められます。単に内容を追うだけでなく、論理的に考えながら、なぜそのような解釈になるのかを頭の中で追及しつつ読む必要があります。
また、解説部分にはイメージ図や箇条書きなどの説明手法がほとんど用いられておらず、
文章のみで構成されています。
したがって、本書の解説を読む際には、難解な箇所を繰り返し読み返したり、
要点を自分なりにメモするなどの工夫が必要不可欠でしょう。
『英文読解の透視図』の後には何を行うのか
この参考書が完全に理解できている状態であれば大学受験で構文で困ることは基本的にはないでしょう。
その場合は、文法的な側面ではなく、長文を読んで、論理展開といった内容面を重視して問題を解いていきましょう。
長文の論理展開、文章のパラグラフの構造を理解する教材としては、下記のような教材が良いでしょう。
英文読解の着眼点: 言い換えと対比で解く
英文精読へのアプローチ ミクロとマクロの視点から
ぐんぐん読める英語長文:Standard→Advanced
レベル別英語長文レベル5
その他英語の勉強法については、こちらの記事で説明しているのでこちらを確認してください。
早慶レベルの英語の構文は他にどんなものを使用したらよいのかはこちらの記事で説明しています。
英文読解の透視図によくある質問集
ここではこの参考書によく当塾に寄せられる質問をQ&A形式でお答えします。
この問題集を解くのは、どのくらいのレベルからがいいですか?
本書は、最難関大学や医学部の生徒がより高得点を目指すための問題集です。そして、本書の読解にはある程度の文法力が必要で、基本的な文法の解説書をマスターできている上で志望校の過去問で英語80点以上を狙っているほどのレベルが必要です。
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