大学受験において、英語は多くの受験生にとって克服すべき大きな課題です。
特に、難関大学を目指す場合は、膨大な単語量と高度な文法知識、そして長文読解力を身につける必要があります。
その中で、単語学習は英語学習の基礎であり、他の科目にも大きく影響を与える重要な要素です。
数ある単語帳の中でも、「システム英単語」は、その圧倒的な人気と実績から、多くの受験生から支持を得ています。
この記事を読んでわかること
- システム英単語の特徴や使い方
- 早慶合格を目指すための学習方法
- 学習効果を最大限に引き出すためのポイント
【単語帳の定番】システム英単語とは?
「システム英単語」は、大学受験を目指す高校生・浪人生向けの単語帳です。
受験生の間では「シス単」の愛称で呼ばれ、特に早慶・難関大学を目指す受験生に人気の1冊です。
著者は、霜 康司氏と刀祢 雅彦氏。長年の受験指導経験と膨大なデータ分析に基づいて、
大学入試で頻出の単語を厳選し、効率的に学習できるよう工夫されています。
システム英単語には、レベル別に3冊の単語帳があります。
- システム英単語Basic: 高校基礎レベル1500語。英語学習の基礎固め
- システム英単語: 高校基礎レベルから難関レベル2000語。関関同立・MARCHレベル
- システム英熟語: 1500語収録。早慶レベル、難関国公立大学レベル
この記事では、システム英単語(標準レベル~難関レベル)について詳しく解説していきます。
ページ目次
システム英単語の効果的な使い方
システム英単語を効率的に活用するための具体的な使い方を紹介します。
STEP1 ゴールを定める
まずは「いつまでに、どのレベルまで単語を覚えるか」を明確にしましょう。
例:「夏休みまでにシステム英単語を2周」「高3の冬までに全5章を完全マスター」など、
期間と目標を数字で示すことで、学習計画が立てやすくなります。
スケジュール例
下記は具体的なスケジュールとゴールの例になります。
学年 | 季節 | 到達目標 | 具体的な学習内容 |
---|---|---|---|
高1春 | 4〜6月 | 600語 | システム英単語 第1章(基本単語600語) を完璧にする(1日10語×60日) |
高1夏 | 7〜8月 | 1200語 | システム英単語 第2章(共通テストレベル600語) を追加(1日10〜15語×60日) |
高1秋 | 9〜11月 | 1200語の復習 | 既習単語の定着・音読復習・模試での確認 |
高1冬 | 12〜2月 | 1600語 | システム英単語 第3章(GMARCH・難関私大レベル400語) を追加(1日10〜15語) |
高2春 | 3〜5月 | 1800語 | システム英単語 第4章(早慶・難関国公立レベル200語) を追加 |
高2夏 | 6〜8月 | 2000語 | システム英単語 第5章(超上級・東大京大レベル200語) を完全習得 |
高2秋冬 | 9〜2月 | 総復習+過去問演習 | 模試・過去問で知らない単語をリスト化し補強 |
難関大学を目指すのであれば、高2までにシス単レベルの基本単語帳は、覚えておくようにしてください。
STEP2 1日のノルマを設定
システム英単語には、膨大な数の単語が収録されています。
1日あたり「新しく覚える単語数」を具体的に決めましょう。
初心者なら30語、慣れてきたら50〜100語程度、
さらに慣れてきたら、200語程度を目安にすると、無理なく進められます。
曜日 | 新規単語学習 | 復習分 |
---|---|---|
月曜日 |
・30語を音読+赤シートで暗記 ・寝る前に5分で確認 |
・なし(初日) ・寝る前に「今日覚えた30語」を簡単テスト |
火曜日 |
・新規30語 ・月曜と同様に赤シート学習+寝る前確認 |
・月曜の30語を音読&テスト形式で復習 ・寝る前に「火曜分30語」を軽くチェック |
水曜日 |
・新規30語 ・夜に5分アウトプット |
・火曜の30語をテスト形式復習 ・月曜分もざっと確認 |
木曜日 |
・新規30語 ・夜に5分アウトプット |
・火曜分(2日前)と水曜分(1日前)を中心に復習 |
金曜日 |
・新規30語 ・寝る前に5分アウトプット |
・水曜分(2日前)と木曜分(1日前)を中心に復習 |
土曜日 |
・新規30語 or 休み ・週末のペースに合わせて調整 |
・週まとめ復習:月〜金の計150語を一括テスト ・抜け漏れ単語をリストアップ |
日曜日 | ・新規は休み or 土曜分の振替 | ・1週間分総テスト+苦手単語の再確認 |
最初のうちは忘れる部分も多くて大変ですが、新規復習分と頑張っていきましょう。
難しい単語は何回見ても覚えられない
よくネットを見ていると、回数をこなしたらできるようになるとあります。
もちろん、それで覚えられる人もいますが、これは割と勉強ができる人の少数派の意見です。
これまでの指導の経験上、何度見ても覚えられない場合は、かなり範囲を絞って、その範囲を何度も繰り返し覚えるのが良いです。
STEP3 赤シート+音読で覚える
1日のノルマを決めたら、実際に単語学習を始めます。
赤シートを使って日本語訳を隠しながら、音読で英単語を声に出して確認しましょう。声に出して読む「プロダクション効果」により、黙読より定着が高まります。
「プロダクション効果」とは
単語学習で特に効果があると言われるのが「音読」です。
カナダ・ウォータールー大学の研究では、単語や文章を黙読するよりも、声に出して読む(音読する)方が記憶定着率が高まる「プロダクション効果」が確認されています。
実践ポイント
- 単語を音読しながら意味を思い浮かべる(英語→日本語、もしくは英語→イメージ)
- 音読を録音し、それを自分で聞き返す(耳からのインプットを増やす)
このように、口と耳を同時に使う「二重の働き」を意識することで、
単語の定着をさらに高められます。
STEP4 ミニマルフレーズも一緒に押さえる
システム英単語が特徴とするミニマルフレーズは、単語と一緒に覚えると記憶に残りやすいです。
「access → have access to the Internet」のように、短いフレーズで覚えると
イメージが湧きやすく、実際の文章でも使いこなしやすくなります。
文脈の中で覚える重要性
単語単体で覚えるよりも、実際に文章やフレーズの中で覚えた方が、定着率や理解度が高まることが研究で示されています。
システム英単語でも短いミニマルフレーズを提示しているのは、「単語の使われ方をイメージしやすくする」ためです。
実践ポイント
- 単語に付いているミニマルフレーズを必ず音読して覚える
- 覚えたフレーズを、自分で英作文に応用してみる
- わからなかった単語が出てきたら、必ず文脈ごとチェックする
文脈ごと単語を身につければ、実際の読解・英作文においても活用がスムーズになります。
STEP5 書き取りでスペルを確実にする
単語は、音読や目で見て覚えるだけでなく、実際に書いてみることでさらに忘れにくくなります。
書くという行為には、手を動かす「身体的アクション」が伴うため、脳がより能動的に働き、単語情報の「深い処理」が起こりやすくなるからです。
実践ポイント
- 見出し語をノートに書いてみる(その際、できるだけ意味を声に出す)
- 慣れてきたら英語だけを見て日本語訳を書けるか試す
書くことで自然とスペルを意識するため、
スペルミスやうろ覚えを発見する手がかりにもなります。
STEP6 間隔を空けた復習を徹底する
エビングハウスの忘却曲線によれば、人は時間が経つにつれ急速に忘れていきます。
1日後、3日後、1週間後、1か月後…というように、徐々に復習の間隔をあける間隔反復を実践しましょう。
AnkiやQuizletなどのアプリを使うと、忘却しやすい単語の復習タイミングを自動で管理できます。
ヒロアカでもアプリを使って効率的に覚えてもらっています。
間隔反復で忘却曲線を克服する
エビングハウスの忘却曲線によれば、新しい情報は時間経過とともに急激に忘れられます。
しかし「忘れる前」に復習することで、記憶はリセットされ、忘れにくくなるのです。
実践ポイント
- 新出単語は1日後・3日後・1週間後・1か月後など、段階的に復習を行う
- 復習アプリ(Anki, Quizlet等)のスペースド・リピティション機能を活用し、自動的に間隔を管理
- 「周回学習」を取り入れ、システム英単語を複数回サイクルで回す
周回学習を行うことで、初回から2周目・3周目にかけて自然と復習の間隔が空き、忘れかけた頃に再度単語が登場。結果として、記憶の定着が飛躍的に高まります。
STEP7 テスト形式で思い出す
単語帳を眺めるだけでなく、能動的に「意味を思い出す」練習をしましょう。
自分で問題を作ったり、単語カードの裏に日本語訳を隠してクイズ形式にしたりすると、
長期記憶にしっかり定着しやすくなります。
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一度に完璧に覚えようとするよりも、定期的に繰り返す周回学習がポイントです。忘れる前にこまめに復習しましょう!
- 音読: 単語の発音と意味を同時に覚え、単語をより印象的に覚えることができます。
- 書き取り: 単語のスペルを覚え、脳を活性化させる効果も期待できます。
アクティブ・リコールで「思い出す」訓練をする
能動的に思い出す「アクティブ・リコール(積極的想起)」は、暗記効率を高める上で非常に効果的です。
単に眺めるだけの学習よりも「テスト形式」で思い出そうとする方が、記憶にしっかり残ることが心理学実験でわかっています。
実践ポイント
- 単語カードや暗記アプリで、見出し語だけを見て意味を答える
- 答えられなかった単語に印をつけ、重点復習を繰り返す
- 周囲の人に「この単語、知ってる?」などクイズ感覚でアウトプットしてみる
「覚えた気になる」だけで終わらず、自分で思い出す作業を繰り返すことが、長期記憶へとつなげるカギになります。
システム英単語で早慶合格を目指すための戦略
早慶レベルの大学受験では、単語帳を1冊完璧に仕上げるだけでは不十分です。システム英単語をベースに、さらにレベルアップを目指しましょう。
システム英単語を完璧にする
まずは、システム英単語の1章から5章までを完璧にマスターしましょう。特に、4章の難関レベルの単語は、早慶の過去問対策に役立ちます。
多義語を徹底的に学習する
システム英単語の5章には、多義語が掲載されています。
早慶レベルの入試問題では、単語の多義語を理解していることが重要です。
早慶レベルの単語帳に挑戦する
システム英単語を完璧にしたら、早慶レベルに対応できる単語帳に挑戦してみましょう。
2冊目の単語帳としておすすめはこちらの記事で紹介しています。
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- 【何からはじめたらいい?という人向け】
【まず始めることをお伝えします】 - 早慶に合格するための戦略とは?
1,2年生から合格するための戦略を立てるには? - 【高1】早慶現役合格の勉強法を徹底解説
志望校に合格するためにやるべきこと紹介 - 【高2】現役で早慶GMARCHに合格
必要な勉強法(勉強時間、参考書)を紹介 - 【高2】早慶絶対合格!!のためにすること
勉強時間、スケジュール、参考書、勉強法の紹介
システム英単語が選ばれる4つの理由
システム英単語は、他の単語帳と比べて多くの受験生から支持されているのには、いくつかの理由があります。
1. 自分に合ったレベルから始められる
システム英単語は全5章に分かれていて、章が進むごとに難易度が上がります。
- 第1章: 高校基礎レベル(600語)
- 第2章: 共通テストレベル(600語)
- 第3章: 難関大レベル(MARCH・関関同立・国公立大)(485語)
- 第4章: 最難関大レベル(早慶・難関国公立大)(336語)
- 第5章: 多義語(180語)
このように、レベル別に構成されているため、自分のレベルに合ったところから学習できます。
例えば、共通テストレベルの単語をすでにマスターしている人は、第3章から始めることも可能です。また、早慶レベルの大学を目指す人は、第4章までしっかり学習することが重要になります。
例文は覚えれば、英作でも使えて一石二鳥です
2.単語の使い方が身につくミニマルフレーズ
システム英単語では、例文の代わりに2語〜5語のフレーズ(ミニマルフレーズ)を採用しています。
例えば、「access」という単語は、ミニマルフレーズでは「have access to the Internet (インターネットを利用できる)」と記載されています。
ミニマルフレーズで単語を覚えることには、次のようなメリットがあります。
- 単語だけ覚えるよりも意味を連想しやすい
- 単語の使い方も覚えられる
- 例文で覚えるよりも短いので簡単
他の英単語帳では、単語と例文がセットで説明されるのが普通です。
例文は語法や暗記のヒントにもなりますが、例文が長すぎると逆に覚えにくいことも。
また、「知らない単語がありすぎて例文が理解できない」と悩んでいる人も多くいます。
システム英単語のようにフレーズで暗記すれば、暗記の労力を最小限にしながら効率よく学習できます。
さらに、ミニマルフレーズは、過去の大学入試問題を分析して、最も重要かつ頻出される用法や活用形を反映して作られています。
つまり、受験でよく問われる使い方を重点的に学習できるということです。
3. 試験に役立つ頻出単語単語だけを効率的に
システム英単語は、大学入試によく出る単語だけを厳選して掲載しています。
過去25年分の大学入試問題を分析し、試験に出やすい順に単語を紹介しているのです。
また、意味が複数ある単語は、最も出題されやすい意味から解説されています。
試験問題を徹底研究して作られた単語帳なので、信頼性も十分です。
「試験に出るぞ!」と意識できるので、モチベーションも上がりますね。
4. 無料音声データ – 発音とリスニングも同時に
システム英単語には、無料で音声データがダウンロードできます。
音声の内容は、各単語のアメリカ発音とイギリス発音、日本語訳を収録。
試験にリスニングが必要な人はもちろん、イヤホンを使ったスキマ時間の学習にもおすすめです。
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システム英単語で通用する大学
システム英単語は、大学受験英語の学習において、欠かせない存在です。
しかし、どのレベルの大学まで対で対応できるのか、疑問に思う人もいるでしょう。
システム英単語で通用する大学は、レベル別に以下の通りです。
高校基礎レベル (システム英単語Basic)
- 私立大学: 産近甲龍、日東駒専、その他女子大など
- 国公立大学: 地方国立大学など
共通テストレベル~難関私大レベル (システム英単語)
- 私立大学: 関関同立、MARCH、早稲田大学・慶應義塾大学(一部学部)など
- 国公立大学: 旧帝大(一部学部)、地方国立大学(一部学部)など
最難関レベル (システム英単語 + EX準1級)
- 私立大学: 早稲田大学・慶應義塾大学(一部学部)、上智大学など
- 国公立大学: 東大、京大、一橋大学など
最難関最上位レベル (システム英単語 + EX準1級 + EX1級 or ピナクル)
早稲田大学・慶應義塾大学(一部学部)
早慶レベルの難関学部や、東大・京大などの最難関大学を目指す場合は、
システム英単語に加えて、さらにレベルの高い単語帳を併用することが必要となります。
システム英単語に関するよくある質問
Q1. システム英単語は早慶レベルに十分対応できますか?
A: システム英単語は、早慶レベルの基礎的な単語を網羅していますが、早慶レベルの入試問題では、さらに高度な単語や語彙力が必要となる場合もあります。システム英単語を完璧にマスターした上で、早慶レベルに対応できる単語帳も併用することをおすすめします。
Q2. システム英単語Basicとシステム英単語どちらから始めたら良いですか?
A: 中学レベル~高校1・2年で学習した単語に不安がある場合は、システム英単語Basicから始めることをおすすめします。基礎固めをしてから、システム英単語に取り組む方が効率的です。
Q3. システム英単語カードは必要ですか?
A: システム英単語カードは、単語を効率的に覚えるためのツールとしておすすめです。特に、単語の反復学習や、持ち運びやすい点がメリットです。
Q4. システム英単語を完璧にするのにどれくらいの時間がかかりますか?
A: 個人差はありますが、1日100単語を目安に、2~3ヶ月で1周できるでしょう。その後は、定期的に復習し、記憶に定着させましょう。
Q5. システム英単語は単語帳だけで十分?文法や長文はどうすれば良い?
A: システム英単語は単語帳なので、文法や長文対策は別途必要です。
- 文法: 「ポラリス英文法」や「桐原1000」などの参考書を使って、文法をしっかりと学習しましょう。
- 長文読解: 「肘井の読解ための英文法」や「ぐんぐん伸びる英語長文」などの参考書を使って、長文読解力を強化しましょう。
ポラリス英文法の使い方はこちら
桐原1000の使い方はこちら
肘井の読解ための英文法の使い方はこちら
ぐんぐん伸びる英語長文
単語力は英語学習の基礎ですが、文法力や長文読解力も合わせて強化していくことで、総合的な英語力を高められます。
まとめ – システム英単語で英語力を飛躍させよう!
この記事では、システム英単語の特徴、使い方、そして早慶合格を目指すための学習方法について解説しました。
システム英単語は、その豊富な単語数、レベル別構成、そしてミニマルフレーズを用いた学習方法など、多くのメリットがあります。
早慶レベルの大学受験では、単語力だけでなく、文法力や長文読解力も必要となります。システム英単語をベースに、他の参考書や問題集も活用しながら、総合的な英語力を高めていきましょう。
システム英単語は、大学受験英語の学習において、欠かせない存在です。
この記事を参考にして、システム英単語を活用し、目標とする大学合格を目指してください!
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