方針の立て方
問題設定がやや奇天烈だか,題意を満たす関数を考えれば良く,それ以外は極めて平易な確率の問題である.
(1)~(3)の前半((12)~(26))までは,特筆事項なし.
(3)の後半((27)~(30))は,題意を満たす関数の特定がやや難しい.全ての関数の組み合わせに関して「を満たすすべての実数
に対して
となるか」を調べるのはパターン数も多くとても面倒である.そこで,「必要条件で可能性を絞って,虱潰しする」という方法を取ろう.この考え方はよく使う手段であるから,おさえておこう.具体的には,「
を満たすすべての実数
に対して
となる」の必要条件「
かつ
となる」を用いて,題意を満たす関数の組み合わせを絞っていく.「
かつ
となる」というのは,(3)の前半((22)~(26))で考えているから,すぐに
と分かる.後は,
と,
の2つを虱潰しに調べればよい.
解答例
(12)(13)
(14)(15)(16)
(17)(18)(19)(20)(21)
(22)(23)(24)(25)(26)
(27)(28)(29)(30)
解説
(1)
〇となる確率((12)と(13)について)
であるから,を満たすには,
または,
であれば必要十分.
よって,となる確率は,
……(答)
〇条件つき確率((14)~(16)について)
であるから,かつ
となるのは,
のとき.
かつ
となる確率は,
.
よって,求める条件つき確率は,
……(答)
(2)
であるから,かつ
となるような,
の組み合わせは,
の2通り.
よって,求める確率は,
……(答)
(3)
〇かつ
となる確率((22)~(26)について)
前問と同様に,かつ
となるのは
の2通り.
よって,求める確率は,
……(答)
〇を満たすすべての実数
に対して
となる確率((27)~(30)について)
を満たすすべての実数
に対して
となる関数の組
を考える.
まず,で満たす必要がある(つまり,
かつ
となる必要がある)ため,考えられる組は,
の高々2通り.
ここで,
であり,全ての実数に対して
であるから,
は題意を満たす.
一方で
であり,
は
で
となってしまうから,
は題意を満たさない.
よって,求める確率は,となる確率と等しく,
……(答)
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