<2019年5月18日に更新しました。>
生徒からよくある質問のひとつです。
これに対する解答は諸説あります。
例えば、
「ifは確率50%の表現なので100%の確信を示すwillとは併用できない」、
「主節が未来を表しているのだからわざわざ副詞節にもwillを用いることはない」、
「ifやwhenなどはそもそもそれ自体に未来の意味が含まれているのだからwillと併用する必要がそもそもない」などとよく説明されます。
こうした説明でも良いのですが、今回は現在形と”未来形”にフォーカスしてみましょう。
動詞の形と時制について
まずは1つ考えてみてほしいのですが、
“動詞の形のみ”を変えることによって表現できる英語の時制はいくつあるでしょうか?
例えばstudyという動詞で考えてみましょう。
study(現在形) studied(過去形)
この2つは間違いないですね。 動詞の語形のみで時制を表すことが出来ています。
それでは“未来形”と言われているかたちはどうかというと、
will(be going to) study
これはwill(助動詞)+動詞の原形ですね。
未来を表している表現ではありますが、動詞の形が変化して時制を表しているのではなく、willまたはbe going toの部分が未来を表しているに過ぎません。
つまり動詞の未来形というものは存在しないと言うこともできるわけですね。
もちろん動詞の形を述語動詞Vと考えれば、未来形も認められ、完了形や進行形も時制に含みます。むしろ学参などはこちらの見方で書いてあるものが多いです。
基本的にどちらが正しいというのはあまりありませんが、今回は未来形が存在しないという原理主義的な視点でみていきます。
ではなぜ動詞の未来形がないかというと、そもそも現在形だけでも未来のことは表せるように出来ているんですね。
どういうことかと言いますと、現在形の用法は細かいものを除けば大きくわけて3つあり、それぞれ①習慣②不変の真理③確定した未来となっています。
③確定した未来
一番わかりやすいのは③で、例えば以下のような用法です。
The train arrives at eight.(その電車は8時に着く)
特に何事もなければ、電車は来る時間はあらかじめ決まっているのが普通なのでこの場合のarrivesは確定した未来を表していると言えます。電車が来るということを習慣的に捉えれば①として考えても問題ないでしょう。
②不変の真理
②の不変の真理ですが、例えば以下のような文章です。
The sun rises in the east.(太陽は東からのぼる)
この例文の事実は過去・現在・未来で変わりません。つまりこの文は過去・現在・未来すべてに言及していると言えます。やはり未来のことについて現在形で述べることが出来ています。
①習慣
①は例えば、
I go to school.(私は学校に行く)
というような感じですが、この文の意味するところは、「これまでも学校に通っていてこれからも学校に通う」ということです。これからのことについても言及しているかたちなのでやはり未来のことを表現出来ています。
まとめ
ということで現在形はそれ自体で未来のことも表現できるということがわかっていただけたでしょうか。
このように現在形を見直すと、「時・条件を表す副詞節の中では未来のことを現在形で表す」というルールもとても自然なものに思えてきませんか?
よって、今回の結論は「未来のことを話す際、時・条件の副詞節内においては、現在形を用いれば”未来形”を使う必要がなく、必要がないのでwillを使わない」ということになります。
丸暗記でこのルールを覚えるのはそれはそれで構いませんが、こんな風に本質的なところから考えていくと面白いうえに忘れにくいのでおすすめです。
その他英語で勉強をしていて、お困りのことや、学校の先生や塾で教わったけれどわからない・・ということがあればお気軽にご相談ください。
こちらからご相談いただけます。
Published by