英語学習において、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能はすべて重要ですが、特に「書く」力を養うことは、他の技能の向上にも大きく貢献します。しかし、多くの学習者にとって英作文は最も難しい分野の一つとされています。そこで今回は、英作文力を効果的に向上させることができる「英作文ハイパートレーニング和文英訳編」について、その特徴や使い方、効果的な学習方法を詳しく解説します。この記事を読むことで、あなたの英作文学習が大きく変わるかもしれません。
ページ目次
英作文ハイパートレーニング和文英訳編とは
「英作文ハイパートレーニング和文英訳編」は、ベテラン英語講師である大矢復氏によって執筆された、英作文学習のための参考書です。この本は、英作文を基礎から応用まで体系的に学べるように設計されており、特に和文英訳に焦点を当てています。
本書の特徴
- 文法項目ごとに構成された66のレッスン
- 基礎から応用まで段階的に学習できる構成
- 豊富な例文と詳細な解説
- 実践的な問題演習
- 音声CDと例題暗唱文例集の付属
本書の最大の特徴は、文法を軸にした体系的な学習方法です。これにより、英作文の基礎から応用まで効率的に学ぶことができます。
対象読者
この参考書は、以下のような学習者に特におすすめです:
- 英作文の基礎から学びたい高校生
- 大学受験で英作文対策が必要な受験生
- 英検やTOEICなどの資格試験で英作文力を向上させたい人
- 英語で文章を書く機会が増えた社会人
英作文初心者から上級者まで、幅広いレベルの学習者に対応しているのがこの本の強みです。自分のペースで着実にスキルアップできます。
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勉強時間、スケジュール、参考書、勉強法の紹介
英作文ハイパートレーニング和文英訳の構成と内容
「英作文ハイパートレーニング和文英訳編」は、全66レッスンで構成されています。これらのレッスンは3つのステップに分けられており、基本的な文法事項から徐々に高度な内容へと進んでいきます。
具体的な内容を見てみると・・
- 疑問文の作り方
- 否定文の作り方
- 時制の決め方
- 名詞節の使い方
- 間接話法の書き方
Step 1では、英作文の基礎となる重要な文法項目を学びます。例えば、「どうして彼は来なかったのですか?」という文を英語で表現する方法や、「彼女は明日来ると言いました」のような間接話法の使い方を学びます。
- 関係詞の使い方
- 副詞の使い方と重要表現
- 比較の文の作り方と重要表現
Step 2では、より複雑な文構造を学びます。
例えば、「私が昨日会った人は有名な作家でした」のような関係詞を使った文の作り方や、「彼は姉よりも速く走ることができます」といった比較表現の使い方を学習します。
- 仮定法の使い方と重要表現
- 受け身の文の作り方
- 準動詞を含む文の作り方
- 名詞・代名詞・形容詞の使い方と注意点
Step 3では、より高度な文法事項と表現を学びます。「もし私が鳥だったら、空を自由に飛べるのに」のような仮定法の表現や、「この本は多くの人に読まれています」といった受動態の使い方を習得します。
各レッスンの構成
各レッスンは以下の要素で構成されています:
- 例題:解説を読む前にチャレンジする問題
- 解説:文法事項の基本や使い方の詳細な説明
- まとめ:学習したポイントの確認
- 解答例:別解や詳細な解説付きの模範解答
この構成により、学習者は自分の理解度を確認しながら、段階的に英作文のスキルを身につけることができます。特に解説が詳細で、なぜその英文になるのかがよくわかるのが特徴です。
英作文ハイパートレーニング和文英訳編の効果的な使い方
この参考書を最大限に活用するためには、以下の6つのステップに沿って学習することをおすすめします。各ステップを丁寧に実践することで、着実に英作文力を向上させることができます。
- STEP1例題に挑戦する各レッスンの最初にある例題に必ず自力で挑戦しましょう。わからなくても構いません。自分の現在の理解度を確認する良い機会となります。時間を決めて(例:1問5分以内)取り組むことで、本番の試験を意識した練習になります。
例えば、「彼女は毎朝6時に起きます」という文を英訳する問題があったとします。まずは自分の力で「She gets up at 6 o’clock every morning.」のように書いてみましょう。
- STEP2解説を丁寧に読む例題に取り組んだ後、解説をじっくり読みます。特に自分が間違えた箇所や理解できなかった部分に注目しましょう。解説には文法ポイントや表現のコツが詳しく書かれているので、これらを十分に理解することが重要です。
先ほどの例文の場合、解説では「get up」という句動詞の使い方や、時間の表現「at 6 o’clock」、習慣を表す現在形の用法などが説明されているでしょう。これらの点を自分の解答と照らし合わせて、理解を深めます。
- STEP3例文を暗記する各レッスンの例文を暗記することで、正しい英文の構造や表現を身につけることができます。付属のCDを活用し、音読練習も行いましょう。最初は日本語を見て英語を言う、次に英語を見て日本語を言う、最後に日本語を見て英語を書く、という3段階で練習するとより効果的です。
例えば、「彼女は毎朝6時に起きます」という文を以下のように練習します:
1. 日本語を見て英語で言う:「彼女は毎朝6時に起きます」→ “She gets up at 6 o’clock every morning.”
2. 英語を見て日本語で言う:”She gets up at 6 o’clock every morning.” →「彼女は毎朝6時に起きます」
3. 日本語を見て英語を書く:「彼女は毎朝6時に起きます」→ She gets up at 6 o’clock every morning.
- STEP4復習問題に取り組む6〜7レッスンごとに設けられている復習問題を解きます。ここで学習内容の定着度を確認しましょう。時間を計って解くことで、実際の試験に近い環境で練習することができます。間違えた問題は、該当するレッスンに戻って再度学習することが大切です。
例えば、時制に関する復習問題では、「彼は昨日からずっと勉強しています」という文を英訳する問題があるかもしれません。これに対して「He has been studying since yesterday.」と書けるかどうかで、現在完了進行形の理解度を確認できます。
- STEP5入試問題にチャレンジする本書の後半には実際の入試問題が掲載されています。学習の総仕上げとして、これらの問題に挑戦しましょう。本番と同じ時間配分で解くことで、より実践的な練習になります。解答後は、模範解答と自分の解答を比較し、改善点を見つけましょう。
例えば、「科学技術の進歩は私たちの生活を大きく変えてきた」という文を英訳する問題があったとします。これに対して「Advances in science and technology have greatly changed our lives.」と書けるかどうかで、自分の実力を測ることができます。
- STEP6定期的に復習する学習した内容を定着させるために、定期的な復習が重要です。例えば、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後というように段階的に復習することで、長期記憶に定着させることができます。特に苦手だった部分や重要な表現は、ノートにまとめて繰り返し見直すとよいでしょう。
復習の際は、以前に間違えた問題を再度解いてみたり、覚えた例文を使って自分でオリジナルの文を作ってみたりするのも効果的です。例えば、「get up」を使った文を他の主語や時間で応用してみるなど、学んだ表現を様々な形で活用する練習をしましょう。
これらのステップを着実に実践することで、英作文の力が確実に向上していきます。特に例文の暗記と定期的な復習は、長期的な上達に大きく貢献します。
英作文ハイパートレーニング和文英訳編の特徴と効果
英作文ハイパートレーニング和文英訳編には、他の英作文参考書にはない独自の特徴があります。これらの特徴が、効果的な学習を可能にし、着実な英作文力の向上につながっています。
文法を軸にした体系的アプローチ
本書の最大の特徴は、文法を軸にした体系的な学習方法です。英作文を単なる暗記や直感的な練習ではなく、文法的な理解に基づいて学ぶことができます。
文法軸アプローチの利点:
- 英文の構造を論理的に理解できる
- 応用力が身につく
- 長期的な記憶定着が期待できる
- 自信を持って英文を書けるようになる
例えば、「彼は昨日から働いています」という文を英訳する際、単に「He is working since yesterday.」と覚えるのではなく、現在完了形の「have + 過去分詞」の構造を理解した上で「He has been working since yesterday.」と書けるようになります。
豊富な例文と詳細な解説
各レッスンには複数の例文が用意されており、それぞれに詳細な解説が付いています。これにより、単に文法規則を覚えるだけでなく、実際の英文でどのように使われるかを学ぶことができます。
例文と解説の組み合わせにより、理解と応用の両面から英作文のスキルを磨くことができます。特に、なぜその表現を使うのかという理由まで解説されているのが大きな特徴です。
例えば、「彼女は親切な人です」という文を英訳する際、単に「She is a kind person.」と訳すだけでなく、「She is kind.」という表現も可能であることや、両者のニュアンスの違いまで解説されています。
段階的な学習
本書は基本的な文法事項から始まり、徐々に難度を上げていく構成になっています。これにより、初心者でも無理なく学習を進めることができ、同時に上級者も着実にスキルアップできます。
- 基本的な文型と時制
- 関係詞や仮定法などの複雑な構文
- 高度な表現や慣用句
- 実際の入試問題レベルの和文英訳
例えば、最初は「私は毎日英語を勉強します」のような基本的な文から始まり、最終的には「科学技術の進歩が環境に与える影響について議論が行われている」のような複雑な文を英訳できるようになります。
4.4 実践的な問題演習
復習問題や入試問題を通じて、学んだ内容を実際に活用する機会が多く設けられています。これにより、理解した内容を確実に定着させ、実践力を養うことができます。
問題演習を通じて、実際の試験でどのような英作文が求められるのかを体感できます。これは、試験本番での自信にもつながります。
例えば、「環境保護のために私たちにできることは何でしょうか」という題で、50語程度の英文を書く練習問題などが用意されています。こういった問題を通じて、文法力だけでなく、論理的に文章を組み立てる力も養えます。
英作文ハイパートレーニング和文英訳編から自由英作文?
本書は主に和文英訳に焦点を当てているため、自由英作文のスキルを十分に養うには不十分です
自由英作文については、こちらの鈴木先生の自由英作文の合格教室を実施するのが良いでしょう。
もちろん、大矢先生の続きのハイパートレーニングの自由英作文編でも良いのですが、
個人的には自由英作文の合格教室がおすすめです。
まとめ:英作文ハイパートレーニング和文英訳編の総合評価
英作文ハイパートレーニング和文英訳編は、英作文学習において非常に効果的な参考書です。文法を基礎から体系的に学べる点、豊富な例文と詳細な解説がある点、実践的な問題演習が充実している点など、多くの優れた特徴を持っています。
- 英作文初心者から上級者まで幅広く対応
- 文法を軸にした体系的な学習方法
- 豊富な例文と詳細な解説
- 実践的な問題演習で学習内容を定着
- 付属CDで音声学習も可能
- 段階的な学習構成で着実にスキルアップ
ただし、この参考書を最大限に活用するためには、継続的な学習と復習が必要です。例文の暗記や問題演習を繰り返し行うことで、確実に英作文力を向上させることができるでしょう。また、本書の限界を理解し、必要に応じて他の学習方法で補完することも重要です。
英作文ハイパートレーニング和文英訳編は、英作文力向上を目指す学習者にとって、非常に価値のある教材と言えます。正しい使い方と継続的な努力により、確実に英語で自分の考えを表現する力を身につけることができるでしょう。
英作文に苦手意識を持つ学習者や、より高度な英作文力を身につけたい人には、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。本書を通じて英作文の基礎をしっかりと固め、さらには自信を持って英語で表現できるようになることで、英語学習全体がより充実したものになるはずです。英語でのコミュニケーション能力向上を目指す皆さんの学習に、本書が大いに役立つことを願っています。
英語でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。
英検専門の対策はもちろんのこと、大学受験に向けた英語の指導にも対応しています。お気軽にご相談ください。
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