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2018年早稲田大学商学部|過去問徹底研究 大問1

2019.09.24

方針の立て方 (1) まずは,扱いにくい絶対値記号を外す.の正負で場合分けを行えばよい. 絶対値を外せば,方程式は1次方程式になる.方程式のまま解析しても良いが,「方程式の解に関する解析は方程式の左辺(0でない方)を関数でおいて軸との交点で考える」という王道手段を本解では採用した. (2) 整数問題

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  • 方針の立て方
    (1)
    まずは,扱いにくい絶対値記号を外す.x-1の正負で場合分けを行えばよい.
    絶対値を外せば,方程式は1次方程式になる.方程式のまま解析しても良いが,「方程式の解に関する解析は方程式の左辺(0でない方)を関数でおいてx軸との交点で考える」という王道手段を本解では採用した.

    (2)
    整数問題の典型問題である.素数の累乗のため約数に持ち込む(積の形に持ち込む)と都合が良いと考え因数分解を行う.

    (3)
    P\left(x\right)が整式である」という情報をどう盛り込むかを考える.できることならP\left(x\right)を具体的に書き下したいが,その際に次数が分かっていないのがネックになるため,まずは次数を求めることに専念する.次数が求まれば,後は具体的にP\left(x\right)を書き下して,計算するのみ.

    (4)
    このような抽象的な関数の問題では,数式の意味を考えると良い.例えばf\left(-x\right)=-f\left(x\right)は「引数の符号を反転させると,関数値の符号が反転する」ことを意味していると考える.すると,1-xの符号を反転させれば,f\left(1+x\right)=f\left(1-x\right)は引数xの係数の符号が揃い,f\left(x+m\right)=f\left(x\right)に近づくと考える.
    次にf\left(x+1\right)=-f\left(x-1\right)は「引数が2上下すると,関数値の符号が反転する」ことを意味していると考える.すると「引数が4上下すると,関数値の符号は同じになる(2回反転して元に戻る)」と分かり,答えにたどり着く.解答では,この当たりを厳密に数式で処理しているが,本番では途中経過を求められないで,このような定性的な議論で十分だろう.

    解答例
    (1)ア:\frac{-1+\sqrt{13}}{2}
    (2)イ:\left(17,2,6\right)
    (3)ウ:3x
    (4)エ:4

    解説
    (1)
    x\geqq1のとき
    方程式は,
    \left(1-a\right)x+k^2+ak-3=0
    となる.ここで,f_1\left(x\right)=\left(1-a\right)x+k^2+ak-3とおく.
    x<1のとき
    方程式は,
    \left(-1-a\right)x+k^2+ak-1=0
    となる.ここで,f_2\left(x\right)=\left(-1-a\right)x+k^2+ak-1とおく.
    さらに,
    g\left(x\right)=\begin{cases} f_1\left(x\right)\ \left(x\geqq1\right) \\ f_2\left(x\right)\ \left(x<1\right) \end{cases}
    とおく.ここで,g\left(x\right)x=1で連続であることに注意.
    (Ⅰ)\begin{cases} 0<1-a \\ 0<-1-a \end{cases}\Leftrightarrow a<-1のとき
    関数y=f_1\left(x\right)y=f_2\left(x\right)も傾き正の一次関数であるから,g\left(x\right)-\inftyから+\inftyの値を取り得る.よって,kの値によらずg\left(x\right)=0となるxは存在する.
    (Ⅱ)\begin{cases} 0>1-a \\ 0>-1-a \end{cases}\Leftrightarrow 1<aのとき
    関数y=f_1\left(x\right)y=f_2\left(x\right)も傾き負の一次関数であるから,g\left(x\right)-\inftyから+\inftyの値を取り得る.よって,kの値によらずg\left(x\right)=0となるxは存在する.
    (Ⅲ)\begin{cases} 0\leqq1-a \\ 0\geqq-1-a \end{cases}\Leftrightarrow-1\leqq a\leqq1のとき
    関数y=f_1\left(x\right)は傾き0以上の一次関数で,関数y=f_2\left(x\right)は傾き0以下の一次関数である.よって,g\left(x\right)の最小値はx=1のときでg\left(1\right)=k^2+ak-2-aである.なお最大値は存在しない.
    よってaの値に依らず解が存在するには全てのaに対してg\left(1\right)\leqq0であれば必要十分.
    g\left(1\right)\leqq0\Leftrightarrow k^2+ak-2-a\leqq0\Leftrightarrow\left(k-1\right)a+k^2-2\leqq0……(*)
    -1\leqq a\leqq1に気を付けると,

    となるから,(*)の条件式は,

    となる.よって求める最大値は\frac{-1+\sqrt{13}}{2}……(答)

    (2)
    225=3^2\cdot5^2={15}^2より,
    a^2=b^n+225\Leftrightarrow\left(a-15\right)\left(a+15\right)=b^n
    となる.この式より,a-15a+15b^nの約数となることが分かる.また,bは素数であることから,b^nの約数は1,b,b^2,\cdots\cdots,b^nである.よって,
    \begin{cases} a-15=b^k \\ a+15=b^{n-k} \end{cases}
    と書ける.ここで,kは0以上の整数であり,a-15<a+15よりk<n-k\Leftrightarrow2k<nを満たす.
    両辺の差を取ると,
    30=b^{n-k}-b^k=b^k\left(b^{n-2k}-1\right)
    となる.この式より,b^kb^{n-2k}-1は30の約数となることが分かるが,bが素数であることを加味すれば,b^kb^{n-2k}-1の考えられる組み合わせは
    \left(b^k,b^{n-2k}-1\right)=\left(1,30\right),\left(2,15\right),\left(3,10\right),\left(5,6\right)
    の4つ.この内,整合性が取れるのは,\left(b^k,b^{n-2k}-1\right)=\left(2,15\right)のみであり,解くと,
    \left(b,k,n\right)=\left(2,1,6\right)
    となる.これをa-15=b^kに代入すれば,a=17と分かる.
    \therefore\left(a,b,n\right)=\left(17,2,6\right)……(答)

    (3)
    P\left(x\right)n次の多項式(nは自然数)とすると,(左辺)=\int_{0}^{x}\left\{P\left(t\right)\right\}^mdtnm+1次の多項式となる.
    一方で,(右辺)=P\left(x^3\right)-P\left(0\right)3nの多項式である.
    左辺と右辺の次数は等しいため,
    nm+1=3n\Leftrightarrow n=\frac{1}{3-m}
    となる.nが自然数であるため\frac{1}{3-m}も自然数であり,m=2であれば必要十分.また,そのときn=1である.
    よって,P\left(x\right)は1次多項式であるから,0でない実数aと実数bを用いて,
    P\left(x\right)=ax+b
    と表せる.
    \int_{0}^{x}\left\{P\left(t\right)\right\}^mdt=\int_{0}^{x}\left\{at+b\right\}^2dt=\left[\frac{1}{3}a^2t^3+abt^2+b^2t\right]_0^x=\frac{1}{3}a^2x^3+abx^2+b^2x P\left(x^3\right)-P\left(0\right)=\left(ax^3+b\right)-b=ax^3
    より,両辺の係数比較をすると,a\neq0に注意して,
    \begin{cases} \frac{1}{3}a^2=a \\ ab=0 \\ b^2=0 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} a=3 \\ b=0 \end{cases}
    \therefore P\left(x\right)=3x

    (4)
    f\left(-x\right)=-f\left(x\right)\Leftrightarrow f\left(x\right)=-f\left(-x\right)で,x1-xを代入すると,
    f\left(1-x\right)=-f\left(x-1\right)
    が言える.
    \therefore f\left(1+x\right)=f\left(1-x\right)\Leftrightarrow f\left(x+1\right)=-f\left(x-1\right)……(*)
    更に,(*)でxx-2を代入すると,
    f\left(x-1\right)=-f\left(x-3\right)
    となるから,(*)の右辺に代入すると
    f\left(x+1\right)=f\left(x-3\right)
    さらに,この式でxx+3を代入すると,
    f\left(x+4\right)=f\left(x\right)
    となる.よって,求めるmの最小値は4……(答)

2016年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問6

2019.09.23

方針の立て方 (1)(2)ともに,ケース1~4のどのケースが適用されるのかが直観的に分からないため,「仮にこのケースが適用されるなら」と考えて,ケース1から順番に代入していく.このような既存の分野にとらわれない新傾向の出題はSFCや商学部で多く見られるが,これら新傾向問題の攻略法は地道に片っ端から試

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  • 方針の立て方
    (1)(2)ともに,ケース1~4のどのケースが適用されるのかが直観的に分からないため,「仮にこのケースが適用されるなら」と考えて,ケース1から順番に代入していく.このような既存の分野にとらわれない新傾向の出題はSFCや商学部で多く見られるが,これら新傾向問題の攻略法は地道に片っ端から試してみることにある.そのまま代入したり試行したりすることで答えまで至る今回のような問題もあれば,途中で規則性に気付いて解答する問題もある.どちらにせよ,分からなかったら試してみるということを心がけよう.

    解答例
    (85)(86)(87)……060
    (88)(89)(90)……180
    (91)(92)(93)……150
    (94)(95)(96)……200
    (97)(98)(99)……035
    (100)(101)(102)……035
    (103)(104)(105)……050
    (106)(107)(108)……140

    解説
    (1)
    Aの範囲((85)~(90)について)
    ケース1が適用されるなら,A\leqq\frac{2}{2}\cdot60=60が必要で,X_1=30となるには,A=60が必要.
    ケース2が適用されるなら,k=1となるから,\frac{1}{2}\cdot240-\frac{1}{2}\cdot120\leqq A\leqq\frac{1}{2}\cdot240-\frac{1}{2}\cdot0\Leftrightarrow60\leqq A\leqq120のときX_1=\frac{1}{2}B_1=30となるため,60\leqq A\leqq120が必要となる.
    ケース3が適用されるなら,k=1となるから,\frac{1}{2}\cdot240+\frac{1}{2}\cdot0\leqq A\leqq\frac{1}{2}\cdot240+\frac{1}{2}\cdot120\Leftrightarrow120\leqq A\leqq180のときX_1=\frac{1}{2}B_1=30となるため,120\leqq A\leqq180が必要となる.
    ケース4が適用されるなら,240-\frac{2}{2}\cdot60\leqq A\Leftrightarrow180\leqq AのときX_1=60-\frac{1}{2}\left(240-A\right)となるため,X_1=30となるにはA=180が必要となる.
    以上より,60\leqq A\leqq180……(答)
    X_2X_1の4倍となるとき((91)~(96)について)
    ケース1が適用されるなら,X_1=X_2=\frac{A}{2}より,満たすAは存在しない.
    ケース2が適用されるなら,k=1であり,60\leqq A\leqq120のもとで,X_1=30,X_2=\frac{1}{2}\cdot60+\frac{1}{1}\cdot\left(A-\frac{1}{2}\cdot240+\frac{1}{2}\cdot120\right)=-30+Aより,X_2=4X_1となるAは存在しない(A=150となり,60\leqq A\leqq120に抵触).
    ケース3が適用されるなら,k=1であり,120\leqq A\leqq180のもとで,X_1=30,X_2=180-\frac{1}{2}\cdot60-\frac{1}{1}\cdot\left(\frac{1}{2}\cdot240+\frac{1}{2}\cdot120-A\right)=-30+Aより,X_2=4X_1となるAA=150
    ケース4が適用されるなら,180\leqq Aのもとで,X_1=\frac{1}{2}A-60,X_2=180-\frac{1}{2}\left(240-A\right)=60+\frac{1}{2}Aより,X_2=4X_1となるAA=200
    以上より,A=150,200……(答)

    (2)
    ケース1が適用されるなら,A\leqq\frac{3}{2}\cdot60\Leftrightarrow A\leqq90が必要だが,A=100A=220もこの範囲にない.
    ケース2が適用されるなら,

    が必要となる.A=10090\leqq A\leqq120の範囲内であるから,k=1とした式が成り立ち,
    X_1=30,X_2=12⋅60+12100-12⋅330+1230+120=35,X3=35となる.……(答)
    ケース3が適用されるなら,k=1に対して\frac{1}{2}\cdot330+\frac{1}{2}\cdot90\leqq A\leqq\frac{1}{2}\cdot330+\frac{1}{2}\left(30+120\right)\Leftrightarrow210\leqq A\leqq240が必要となる.A=220210\leqq A\leqq240の範囲内であるから,k=1とした式が成り立ち,
    X_1=30,X_2=90-\frac{1}{2}\cdot60-\frac{1}{2}\left\{\frac{1}{2}\cdot330+\frac{1}{2}\left(30+120\right)-220\right\}=50,X_3=180-\frac{1}{2}\cdot60-\frac{1}{2}\left\{\frac{1}{2}\cdot330+\frac{1}{2}\left(30+120\right)-220\right\}=140……(答)

2016年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問5

2019.09.23

方針の立て方 ガウス記号()の問題はとにかく書き出してみること.書き出していく中で規則性をつかむことができる.(1)の場合にはが平方数となる前後での値が1増えることが分かる.そのため,が平方数となる箇所ごとに数列を区切って,群数列としてみると良い(特にを求めるときに,分母が同じものに着目することが重

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  • 方針の立て方
    ガウス記号(\left[\qquad\right])の問題はとにかく書き出してみること.書き出していく中で規則性をつかむことができる.(1)の場合にはnが平方数となる前後で\left[\sqrt n\right]の値が1増えることが分かる.そのため,nが平方数となる箇所ごとに数列を区切って,群数列としてみると良い(特にS_{99}を求めるときに,分母が同じものに着目することが重要だと気付くだろう).同様に,(2)の場合にはnが立方数となる箇所ごとに数列を区切る.

    解答例
    (70)(71)……27
    (72)(73)……80
    (74)(75)(76)……714
    (77)(78)……46
    (79)(80)……20
    (81)(82)(83)(84)……2178

    解説
    (1)
    a_nが整数となるもの((70)と(71)について)
    分母の\left[\sqrt n\right]の値で場合分けする.
    \left[\sqrt n\right]=1となるのは,1\leqq n\leqq3であり,a_nが整数となるのは,n=1,2,3で3個.
    \left[\sqrt n\right]=2となるのは,4\leqq n\leqq8であり,a_nが整数となるのは,n=4,6,8で3個.
    \left[\sqrt n\right]=3となるのは,9\leqq n\leqq15であり,a_nが整数となるのは,n=9,12,15で3個.
    \left[\sqrt n\right]=4となるのは,16\leqq n\leqq24であり,a_nが整数となるのは,n=16,20,24で3個.
    \left[\sqrt n\right]=5となるのは,25\leqq n\leqq35であり,a_nが整数となるのは,n=25,30,35で3個.
    \left[\sqrt n\right]=6となるのは,36\leqq n\leqq48であり,a_nが整数となるのは,n=36,42,48で3個.
    \left[\sqrt n\right]=7となるのは,49\leqq n\leqq63であり,a_nが整数となるのは,n=49,56,63で3個.
    \left[\sqrt n\right]=8となるのは,64\leqq n\leqq80であり,a_nが整数となるのは,n=64,72,80で3個.
    \left[\sqrt n\right]=9となるのは,81\leqq n\leqq99であり,a_nが整数となるのは,n=81,90,99で3個.
    以上より,求める個数は,3\times9=27個……(答)

    ○最初にa_n=10となるn((72)と(73)について)
    分母の\left[\sqrt n\right]の値で場合分けする.
    \left[\sqrt n\right]=1となる項の中で最大の項は,n=3のときで,a_3=3
    \left[\sqrt n\right]=2となる項の中で最大の項は,n=8のときで,a_8=4
    \left[\sqrt n\right]=3となる項の中で最大の項は,n=15のときで,a_{15}=5
    \left[\sqrt n\right]=4となる項の中で最大の項は,n=24のときで,a_{24}=6
    \left[\sqrt n\right]=5となる項の中で最大の項は,n=35のときで,a_{35}=7
    \left[\sqrt n\right]=6となる項の中で最大の項は,n=48のときで,a_{48}=8
    \left[\sqrt n\right]=7となる項の中で最大の項は,n=63のときで,a_{63}=9
    \left[\sqrt n\right]=8となる項の中で最大の項は,n=80のときで,a_{80}=10
    よって,最初にa_n=10となるnn=80……(答)

    S_{99}((74)~(76)について)
    分母の\left[\sqrt n\right]の値が同じ項をまとめて考える(群数列の考え方).
    S_{99}=\sum_{i=1}^{99}a_i=\frac{1+2+3}{1}+\frac{4+5+\cdots\cdots+8}{2}+\frac{9+10+\cdots\cdots+15}{3}+\cdots\cdots+\frac{81+82+\cdots\cdots+99}{9}=\sum_{n=1}^{9}\frac{\sum_{m=n^2}^{\left(n+1\right)^2-1}m}{n}=\sum_{n=1}^{9}\frac{\frac{1}{2}\left(2n+1\right)\left\{n^2+\left(n+1\right)^2-1\right\}}{n}=\sum_{n=1}^{9}\left(2n^2+3n+1\right)=714……(答)

    (2)
    b_nが整数となるもの((77)と(78)について)
    分母の\left[\sqrt[3]{n}\right]の値で場合分けする.
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=1となるのは,1\leqq n\leqq7であり,a_nが整数となるのは,n=1,2,3,\cdots\cdots,7で7個.
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=2となるのは,8\leqq n\leqq26であり,a_nが整数となるのは,n=8,10,12,\cdots\cdots,26で10個.
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=3となるのは,27\leqq n\leqq63であり,a_nが整数となるのは,n=27,30,33,\cdots\cdots,63で13個.
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=4となるのは,64\leqq n\leqq124であり,a_nが整数となるのは,n=64,68,72,\cdots\cdots,124で16個.
    以上より,求める個数は,7+10+13+16=46個……(答)

    ○最初にb_n=10となるn((79)と(80)について)
    分母の\left[\sqrt[3]{n}\right]の値で場合分けする.
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=1となる項の中で最大の項は,n=7のときで,b_7=7
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=2となる項の中で最大の項は,n=26のときで,b_{26}=13
    よって求めるn\left[\sqrt[3]{n}\right]=2となる項の中にある.分母が2のため,分子が20になる項が該当する.そしてその項はb_{20}である.
    よって,最初にb_n=10となるnn=20……(答)

    T_{124}((81)~(84)について)
    分母の\left[\sqrt[3]{n}\right]の値が同じ項をまとめて考える(群数列の考え方).
    T_{124}=\sum_{i=1}^{124}b_i=\frac{1+2+\cdots\cdots+7}{1}+\frac{8+9+\cdots\cdots+26}{2}+\frac{27+28+\cdots\cdots+63}{3}+\frac{64+65+\cdots\cdots+124}{4}=\sum_{n=1}^{4}\frac{\sum_{m=n^3}^{\left(n+1\right)^3-1}m}{n}=\sum_{n=1}^{4}\frac{\frac{1}{2}\left(3n^2+3n+1\right)\left\{n^3+\left(n+1\right)^3-1\right\}}{n}=\sum_{n=1}^{4}{\frac{1}{2}\left(3n^2+3n+1\right)\left(2n^2+3n+3\right)}=\frac{1}{2}\cdot7\cdot8+\frac{1}{2}\cdot19\cdot17+\frac{1}{2}\cdot37\cdot30+\frac{1}{2}\cdot61\cdot47=2178……(答)

2016年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問4

2019.09.23

方針の立て方 (1) 頻出問題であるため,原理とともに解法をおさえておきたい.答えとなる点は直線上にあるわけだが,直線は線分の垂直二等分線であるから,直線上の点と点,点との距離は等しくなる.よって,点で考察するのと,点で考察するのは等価となる.これが,この問題(解法)の原理である. (2) 前問で説

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  • 方針の立て方
    (1)
    頻出問題であるため,原理とともに解法をおさえておきたい.答えとなる点\mathrm{P}は直線l上にあるわけだが,直線lは線分\mathrm{AA}^\primeの垂直二等分線であるから,直線l上の点と点\mathrm{A},点\mathrm{A}^\primeとの距離は等しくなる.よって,点\mathrm{A}で考察するのと,点\mathrm{A}^\primeで考察するのは等価となる.これが,この問題(解法)の原理である.
    (2)
    前問で説明した原理を応用すればよい.

    解答例
    (50)(51)(52)(53)……\frac{-11}{6}
    (54)(55)(56)(57)……\frac{017}{6}
    (58)(59)(60)……\frac{-5}{3}
    (61)(62)(63)……\frac{08}{3}
    (64)(65)(66)……\frac{21}{5}
    (67)(68)(69)……\frac{06}{5}

    解説
    (1)

    上図のように,直線lに対して点\mathrm{A}と対称な点を\mathrm{A}^\primeとする.
    直線\mathrm{AA}^\prime(図の破線)の式はy=x+6であるから,\mathrm{A}^\primeの座標は,\left(-3,3\right)と分かる.
    よって,直線\mathrm{A}^\prime B(図の鎖線)の式はy=-\frac{1}{7}x+\frac{18}{7}と分かる.直線\mathrm{A}^\prime \mathrm{B}と直線lの交点が点\mathrm{P}であり,その座標は,
    \left(\frac{-11}{6},\frac{17}{6}\right)……(答)

    (2)

    直線mに対して点\mathrm{B}と対称な点を\mathrm{B}^\primeとする.前問と同様に点\mathrm{B}^\primeの座標を求めると,\left(5,1\right)となる.
    よって,直線\mathrm{A}^\prime \mathrm{B}^\prime(図の鎖線)の式はy=-\frac{1}{4}x+\frac{9}{4}と分かる.直線\mathrm{A}^\prime \mathrm{B}^\primeと直線l,mの交点が点\mathrm{P},\mathrm{Q}であり,その座標は,\mathrm{P}\left(-\frac{5}{3},\frac{8}{3}\right),\mathrm{Q}\left(\frac{21}{5},\frac{6}{5}\right)……(答)

2016年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問3

2019.09.23

方針の立て方 接線については「曲線が接する」の定義通り,接線が一致することを利用する.そのため,接線を求めていく.後は基本的な解法に従えばよいため,特筆事項なし. 解答例 (36)…… (37)(38)…… (39)(40)…… (41)…… (42)(43)…… (44)(45)…… (46)……

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  • 方針の立て方
    接線については「曲線が接する」の定義通り,接線が一致することを利用する.そのため,接線を求めていく.後は基本的な解法に従えばよいため,特筆事項なし.

    解答例
    (36)……1
    (37)(38)……\frac{1}{4}
    (39)(40)……\frac{1}{2}
    (41)……1
    (42)(43)……\frac{1}{2}
    (44)(45)……\frac{4}{3}
    (46)……2
    (47)……1
    (48)(49)……\frac{1}{6}

    解説
    p((36)~(38)について)
    C_1C_2の接点を\left(x_0,y_0\right)とする.
    C_1\colon x^2+\left(y-p\right)^2=r^2より,点\left(x_0,y_0\right)での接線は,x_0x+\left(y_0-p\right)\left(y-p\right)=r^2\Longleftrightarrow y=-\frac{x_0}{y_0-p}x+\frac{r^2}{y_0-p}+pである.
    C_2\colon y=x^2より,点\left(x_0,y_0\right)での接線は,y=2x_0x-2{x_0}^2+y_0である.
    これらが一致するので,
    \begin{cases} -\frac{x_0}{y_0-p}=2x_0 \\ \frac{r^2}{y_0-p}+p=-2{x_0}^2+y_0 \end{cases}
    また,点\left(x_0,y_0\right)C_2上の点のため,y_0={x_0}^2が成り立つ.これらより,x_0y_0を消去すると,
    p=r^2+\frac{1}{4}……(答)

    rの範囲((39)と(40)について)
    まず,r<pより,
    r<r^2+\frac{1}{4}\Leftrightarrow0<\left(r-\frac{1}{2}\right)^2\Leftrightarrow r\neq\frac{1}{2}
    次に,接点のy座標について,
    y_0=p-\frac{1}{2}=r^2-\frac{1}{4}
    であり,これは正でなくてはならないから,
    0<r^2-\frac{1}{4}
    0<rに注意して解くと,
    \frac{1}{2}<r……(答)

    C_2lの交点のx座標((41)~(43)について)
    \begin{cases} y=x^2 \\ y=q=p+r \end{cases}\Rightarrow x^2=p+r=r^2+r+\frac{1}{4}=\left(r+\frac{1}{2}\right)^2
    \therefore x=\pm\left(r+\frac{1}{2}\right)……(答)

    ○領域の面積((44)~(49)について)
    \int_{-\left(r+\frac{1}{2}\right)}^{r+\frac{1}{2}}\left(q-x^2\right)dx=\int_{-\left(r+\frac{1}{2}\right)}^{r+\frac{1}{2}}\left\{\left(r+\frac{1}{2}\right)^2-x^2\right\}dx=\left[\left(r+\frac{1}{2}\right)^2x-\frac{1}{3}x^3\right]_{-\left(r+\frac{1}{2}\right)}^{r+\frac{1}{2}}=\frac{4}{3}r^3+2r^2+r+\frac{1}{6}……(答)

2016年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問2

2019.09.23

方針の立て方 断面を求めるには,交点(頂点)を求めるという典型的な解法に従う.の値によって,断面の様子が違うことは実際にのときの図形とのときの図形を描いてみると分かる(本問のように,パラメーターの範囲が定められているときは,範囲の両端のときを考えると分かりやすいことが多い).答えの表式から,場合分け

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  • 方針の立て方
    断面を求めるには,交点(頂点)を求めるという典型的な解法に従う.aの値によって,断面の様子が違うことは実際にa=1のときの図形とa=3のときの図形を描いてみると分かる(本問のように,パラメーターの範囲が定められているときは,範囲の両端のときを考えると分かりやすいことが多い).答えの表式から,場合分けの両方をやらなくても答え自体は求められる.本当は場合分けの両方を検証せねばならないが,穴埋め式の問題のため,本番では片方だけやって,穴を埋めることで時間を節約する.
    体積については,基本的な解法で解けるため特筆事項なし.

    解答例
    (16)(17)……\frac{\sqrt3}{2}
    (18)(19)……-1
    (20)(21)……04
    (22)(23)……-2
    (24)(25)(26)(27)……\frac{4+\sqrt{10}}{3}
    (28)(29)(30)(31)(32)(33)(34)(35)……\frac{28+10\sqrt{10}}{81}

    解説
    ○断面の面積((16)~(23)について)
    平面x+y+z=aは3点\left(a,0,0\right),\left(0,a,0\right),\left(0,0,a\right)を通る平面である.この平面と直方体の断面を考えると,a=2の前後で場合分けが生じると分かる.
    1<a\leqq2のとき,
    断面は\left(a,0,0\right),\left(a-1,0,1\right),\left(0,a-1,1\right),\left(0,1,a-1\right),\left(a-1,1,0\right)を頂点とする五角形である.
    \left(a,0,0\right),\left(a-1,0,1\right),\left(0,a-1,1\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(-1,0,1\right)\right|^2\left|\left(-a,a-1,1\right)\right|^2-\left\{\left(-1,0,1\right)\cdot\left(-a,a-1,1\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}\left(a-1\right)
    である.
    \left(a,0,0\right),\left(0,a-1,1\right),\left(0,1,a-1\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(-a,a-1,1\right)\right|^2\left|\left(-a,1,a-1\right)\right|^2-\left\{\left(-a,a-1,1\right)\cdot\left(-a,1,a-1\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}a\left(2-a\right)
    である.
    \left(a,0,0\right),\left(0,1,a-1\right),\left(a-1,1,0\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(-a,1,a-1\right)\right|^2\left|\left(-1,1,0\right)\right|^2-\left\{\left(-a,1,a-1\right)\cdot\left(-1,1,0\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}\left(a-1\right)
    である.
    よって,
    S=\frac{\sqrt3}{2}\left(a-1\right)+\frac{\sqrt3}{2}a\left(2-a\right)+\frac{\sqrt3}{2}\left(a-1\right)=\frac{\sqrt3}{2}\left(-a^2+4a-2\right)
    2\leqq a<3のとき
    断面は\left(2,0,a-2\right),\left(a-1,0,1\right),\left(a-2,1,1\right),\left(a-1,1,0\right),\left(2,a-2,0\right)を頂点とする五角形である.
    \left(2,0,a-2\right),\left(a-1,0,1\right),\left(a-2,1,1\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(a-3,0,-a+3\right)\right|^2\left|\left(a-4,1,-a+3\right)\right|^2-\left\{\left(a-3,0,-a+3\right)\cdot\left(a-4,1,-a+3\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}\left(3-a\right)
    である.
    \left(2,0,a-2\right),\left(a-2,1,1\right),\left(a-1,1,0\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(a-4,1,-a+3\right)\right|^2\left|\left(a-3,1,-a+2\right)\right|^2-\left\{\left(a-4,1,-a+3\right)\cdot\left(a-3,1,-a+2\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}
    である.
    \left(2,0,a-2\right),\left(a-1,1,0\right),\left(2,a-2,0\right)を頂点とする三角形の面積は,空間ベクトルによる三角形の面積公式より,
    \frac{1}{2}\sqrt{\left|\left(a-3,1,-a+2\right)\right|^2\left|\left(0,a-2,-a+2\right)\right|^2-\left\{\left(a-3,1,-a+2\right)\cdot\left(0,a-2,-a+2\right)\right\}^2}=\frac{\sqrt3}{2}\left(a-2\right)\left(3-a\right)
    である.
    よって,
    S=\frac{\sqrt3}{2}\left(3-a\right)+\frac{\sqrt3}{2}+\frac{\sqrt3}{2}\left(a-2\right)\left(3-a\right)=\frac{\sqrt3}{2}\left(-a^2+4a-2\right)
    以上より,
    S=\frac{\sqrt3}{2}\left(-a^2+4a-2\right)……(答)

    ○体積((24)~(35)について)
    原点\mathrm{O}と平面x+y+z=aの距離は,
    \frac{\left|-a\right|}{\sqrt{1^2+1^2+1^2}}=\frac{a}{\sqrt3}
    \therefore V=\frac{1}{3}\cdot\frac{a}{\sqrt3}\cdot\frac{\sqrt3}{2}\left(-a^2+4a-2\right)=\frac{a}{6}\left(-a^2+4a-2\right)
    よって,\frac{dV}{da}=\frac{1}{6}\left(-3a^2+8a-2\right)であり,\frac{dV}{da}=0となるのは,a=\frac{4\pm\sqrt{10}}{3}のとき.増減表を描くと,

    a 1 \cdots \frac{4+\sqrt{10}}{3} \cdots 3
    \frac{dV}{da} + + 0 - -
    V \nearrow \nearrow \frac{28+10\sqrt{10}}{81} \searrow \searrow

    よって,角錐の体積Vは,a=\frac{4+\sqrt{10}}{3}のときに最大となり,このとき,V=\frac{28+10\sqrt{10}}{81}である……(答)

2016年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問1

2019.09.23

方針の立て方 (1) Aの箱に他の箱からのボールの追加をするわけだが,それぞれの箱(AとA以外)で黒ボールと白ボールの割合が違う.これこそがこの問題の難所である.数学においては「難所がある場合にはそれを分割する」ことが基本的な考え方である.そのため,Aにそもそも入っていたボールと,後からAに入ってき

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  • 方針の立て方
    (1)
    Aの箱に他の箱からのボールの追加をするわけだが,それぞれの箱(AとA以外)で黒ボールと白ボールの割合が違う.これこそがこの問題の難所である.数学においては「難所がある場合にはそれを分割する」ことが基本的な考え方である.そのため,Aにそもそも入っていたボールと,後からAに入ってきたボールとて分割して考えるという方針を立てる.

    (2)
    前問と同様それぞれの箱で黒ボールと白ボールの割合が違うことから,これらを分割して考える必要があると判断する.ただし,本問の場合には交換の度に箱E内の割合が変わってしまうことに注意.ここも分割することになる.よって,本解答のような,交換の度に確率を考えるという方針になる.

    解答例
    (1)(2)(3)(4)……\frac{07}{19}
    (5)(6)(7)(8)……\frac{09}{19}
    (9)(10)(11)(12)……2401
    (13)(14)(15)(16)……657

    解説
    (1)
    最終的に計19個のボールがAに入っている.最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率と,後から加えられた黒ボールを取り出す確率を求める.
    ・最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率
    19個のボールの中から最初に入っていた7個の黒ボールのどれかを取り出す確率のため\frac{7}{19}
    ・後から加えられた黒ボールを取り出す確率
    19個あるボールの中から後から加えられたボールを取り出す確率が\frac{9}{19}であり,後から加えられたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\alphaである.これらは独立であるため,後から加えられた黒ボールを取り出す確率は,\frac{9}{19}\alphaとなる.
    よって,求める確率は,
    \frac{7}{19}+\frac{9}{19}\alpha……(答)

    (2)
    EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率は,前問と同様に場合分けして考えると,
    ・最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率
    10個あるボールの中から最初からEに入っていたボールを取り出す確率が\frac{7}{10}であり,最初からEに入っていたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\frac{7}{10}である.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,\frac{7}{10}\cdot\frac{7}{10}=\frac{49}{100}となる.
    ・交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率
    10個あるボールの中から交換によってEに入ってきたボールを取り出す確率が\frac{3}{10}であり,交換によってEに入ってきたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\alphaである.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,\frac{3}{10}\alphaとなる.
    よって,EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率は\frac{49}{100}+\frac{3}{10}\alphaである.この確率をfとおく.
    次に,EとGの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
    \frac{7}{10}f+\frac{3}{10}\alpha
    となる.この確率をgとおく.
    次に,EとHの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
    \frac{7}{10}g+\frac{3}{10}\alpha
    となる.この確率をhとおく.hこそが求める確率である.gfを代入すれば,
    h=\frac{7}{10}\left(\frac{7}{10}f+\frac{3}{10}\alpha\right)+\frac{3}{10}\alpha=\frac{7}{10}\left\{\frac{7}{10}\left(\frac{49}{100}+\frac{3}{10}\alpha\right)+\frac{3}{10}\alpha\right\}+\frac{3}{10}\alpha=\frac{2401}{10000}+\frac{657}{1000}\alpha……(答)

2017年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問6

2019.09.23

方針の立て方 (1) ③~⑤をなるべく簡単な式で表そうと考え,③~⑤をの式に書き換える.後は,答えに当たり()をつけて,それが①~⑤の全ての条件を満たすこと(というより反しないこと)を確認すればよい.入試数学のよくある手法として,直観的に答えを予想して,それが適することを確認するという解法(解けない

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  • 方針の立て方
    (1)
    ③~⑤をなるべく簡単な式で表そうと考え,③~⑤をz,y,xの式に書き換える.後は,答えに当たり(y=40,z=22)をつけて,それが①~⑤の全ての条件を満たすこと(というより反しないこと)を確認すればよい.入試数学のよくある手法として,直観的に答えを予想して,それが適することを確認するという解法(解けない漸化式で一般項を予測して数学的帰納法で示すなどもその一例)がある.
    (2)
    「不満」に関する条件が付加された.これを数式に直すことがまずやるべきことである.すると,前問と同様に②を用いて,式を簡単にすることが思いつく.そこからの解法はパッとは思い浮かびにくい.そこで試しにいくつかMを代入してみよう.例えばM=-100(十分小さい値であれば-1000でも何でも良い)を代入すると,\begin{cases} x\leqq-48 \\ 100\leqq x \end{cases}となってしまい,なぜ不適かが分かり,解法が思いつくだろう.

    解答例
    (85)(86)……10
    (87)(88)……40
    (89)(90)……22
    (91)(92)……11
    (93)(94)……32
    (95)(96)……41

    解説
    (1)
    ①~⑤を変形する(②を用いて③~⑤をz,y,xの式に書き換える)と,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq22 \\ y\leqq40 \\ x\leqq52 \end{cases}
    となる.第三式と第四式からB氏とC氏の分配額は最大でもy=40,z=22と分かる.y=40,z=22の場合について考えると,第二式からx=10となる.\left(x,y,z\right)=\left(10,40,22\right)は第一式と第五式を満たすので適当である.また,このときB氏とC氏の分配額が最高値のため,A氏の分配額は最小となる.
    よって求める組み合わせは,\left(x,y,z\right)=\left(10,40,22\right)……(答)

    (2)
    AB両氏の不満,AC両氏の不満,BC両氏の不満,A氏の不満,B氏の不満,C氏の不満がいずれもM以下であるから,満たすべき条件は,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ 50-\left(x+y\right)\leqq M \\ 32-\left(x+z\right)\leqq M \\ 20-\left(y+z\right)\leqq M \\ -x\leqq M \\ -y\leqq M \\ -z\leqq M \end{cases}
    となる.これを変形すると,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq M+22 \\ y\leqq M+40 \\ x\leqq M+52 \\ -M\leqq x \\ -M\leqq y \\ -M\leqq z \end{cases}
    ここで,第五式と第六式,第四式と第七式,第三式と第八式について考える.
    \begin{cases} x\leqq M+52 \\ -M\leqq x \end{cases},\begin{cases} y\leqq M+40 \\ -M\leqq y \end{cases},\begin{cases} z\leqq M+22 \\ -M\leqq z \end{cases}
    これらが全て解を持つには,
    \begin{cases} -M\leqq M+52 \\ -M\leqq M+40 \\ -M\leqq M+22 \end{cases}\Leftrightarrow-11\leqq M
    が満たされれば必要十分である.
    よって,Mの最小値は-11であり,M=-11を代入すれば,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq11 \\ y\leqq29 \\ x\leqq41 \\ 11\leqqx \\ 11\leqq y \\ 11\leqq z \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y+z=72 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq y\leqq29 \\ 11\leqq z\leqq11\Leftrightarrow z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq y\leqq29 \\ z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq61-x\leqq29\Leftrightarrow32\leqq x\leqq50 \\ z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 32\leqq x\leqq41 \\ z=11 \end{cases}
    よって,Mを最小化するzの値はz=11であり,xの範囲は32\leqq x\leqq41である.……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問5

2019.09.23

方針の立て方 (の場合を除けば)三次関数の最大最小問題なので,極値と端点のみを考察すればよいと考える.係数が文字であるため,極値が存在するか否かを考慮しなければならないことに注意. 後は典型的な解法で解ける. 解答例 (65)(66)…… (67)(68)…… (69)(70)…… (71)(72)

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  • 方針の立て方
    (q=0の場合を除けば)三次関数の最大最小問題なので,極値と端点のみを考察すればよいと考える.係数が文字であるため,極値が存在するか否かを考慮しなければならないことに注意.
    後は典型的な解法で解ける.

    解答例
    (65)(66)……03
    (67)(68)……-1
    (69)(70)……03
    (71)(72)……01
    (73)(74)……00
    (75)(76)……01
    (77)(78)(79)(80)……\frac{01}{04}
    (81)(82)(83)(84)……\frac{27}{08}

    解説
    〇存在領域\mathrm{A}((65)~(80)について)
    f^\prime\left(x\right)=p-qx^2
    よって,

    (ⅰ)
    f\left(x\right)の極値が-1\leqq x\leqq1に存在する条件は,「0<\frac{p}{q}かつ-1\leqq\pm\sqrt{\frac{p}{q}}\leqq1\Leftrightarrow0<\frac{p}{q}\leqq1である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,「(極大値)\leqq\frac{1}{3}かつf\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}」が満たされれば必要十分.
    f\left(\sqrt{\frac{p}{q}}\right)=\frac{2p}{3}\sqrt{\frac{p}{q}},f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3},f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,「(極大値)\leqq\frac{1}{3}かつf\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}」という条件は,
    \begin{cases} f\left(\sqrt{\frac{p}{q}}\right)=\frac{2p}{3}\sqrt{\frac{p}{q}}\leqq\frac{1}{3} \\ -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ \frac{p^3}{q}\leqq\frac{1}{4} \end{cases}
    となる.0<\frac{p}{q}\leqq1と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ 0<\frac{p}{q}\leqq1 \\ \frac{p^3}{q}\leqq\frac{1}{4} \end{cases}……(答)
    (ⅱ)
    f\left(x\right)の極値がx<-1または1<xに存在する条件は,「0<\frac{p}{q}かつ-\sqrt{\frac{p}{q}}<-1かつ1<\sqrt{\frac{p}{q}}\Leftrightarrow1<\frac{p}{q}である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}が満たされれば必要十分.
    f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3}f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}という条件は,
    \begin{cases} -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow3p-1\leqq q\leqq3p+1
    となる.1<\frac{p}{q}と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ 1<\frac{p}{q} \end{cases}……(答) ※(ⅰ)が解ければ解答番号から答えは解かずして分かる.
    (ⅲ)
    f\left(x\right)の極値が存在しない条件は,\frac{p}{q}\leqq0またはq=0である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}が満たされれば必要十分.
    f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3}f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}という条件は,
    \begin{cases} -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow3p-1\leqq q\leqq3p+1
    となる.「\frac{p}{q}\leqq0またはq=0」と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ \frac{p}{q}\leqq0,q=0 \end{cases}……(答) ※(ⅰ)が解ければ解答番号から答えは解かずして分かる.
    よって,領域\mathrm{A}を図示すると,

    上図.ただし境界を含む.
    領域\mathrm{A}の面積は,q軸での対称性から,
    2\left[\int_{0}^{\frac{1}{2}}\left\{3p+1-\left(3p-1\right)\right\}dp+\int_{\frac{1}{2}}^{1}\left(3p+1-4p^3\right)dp\right]=2\left\{\left[2p\right]_0^{\frac{1}{2}}+\left[-p^4+\frac{3}{2}p^2+p\right]_{\frac{1}{2}}^1\right\}=\frac{27}{8}……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問4

2019.09.22

方針の立て方 (1) 具体的に題意を満たす場合を考えれば解答が得られる. (2) 前問の解法を応用する.前問では,参加者の賞金額が0円,1円となるときを考え足し合わせたので,本問では,0円,1円,2円,……,円を考え総和を取ればよい.あとは,その確率が0.5以上となるときを解析すれば解答にたどりつく

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  • 方針の立て方
    (1)
    具体的に題意を満たす場合を考えれば解答が得られる.

    (2)
    前問の解法を応用する.前問では,参加者の賞金額が0円,1円となるときを考え足し合わせたので,本問では,0円,1円,2円,……,c円を考え総和を取ればよい.あとは,その確率が0.5以上となるときを解析すれば解答にたどりつく.

    (3)
    期待値の定義に従って期待値を求めていく.4\cdot{0.8}^{100}という具体的に数値を書き下すのは現実的に困難な値があるが,解答で求められているのが小数第1位までのため厳密な数値は必要ないと判断する.本解説ではその件を丁寧に論述したが,本番では途中経過は求められないため,直観的に{0.8}^{100}は殆ど無視できると考え,4.0と即答してもよいだろう.

    解答例
    (57)(58)(59)……0.36
    (60)(61)……03
    (62)(63)(64)……04.0

    解説
    コインで裏が出る確率は1-0.8=0.2
    (1)
    ・参加者の賞金額が0円となる確率
    1回目で裏が出れば必要十分……0.2
    ・参加者の賞金額が1円となる確率
    1回目で表を出し,2回目で裏が出れば必要十分……0.2\times0.8=0.16
    よって,求める確率は,
    0.2+0.16=0.36……(答)

    (2)
    求めるcは100ではない.よって,以下では0\leqq c\leqq99の範囲で考える.
    参加者の賞金額がn円(0\leqq n\leqq99)となる確率は,n回目まで表を出し,n+1回目で裏が出す確率と等しく,0.2\times{0.8}^n
    よって,賞金額がc円(0\leqq c\leqq99)以下となる確率は,
    \sum_{n=0}^{c}\left(0.2\times{0.8}^n\right)=\frac{0.2\left(1-{0.8}^{c+1}\right)}{1-0.8}=1-{0.8}^{c+1}
    これが0.5以上となるのは,1-{0.8}^{c+1}\geqq0.5\Leftrightarrow0.5\geqq{0.8}^{c+1}
    {0.8}^3=0.512,{0.8}^4=0.4096より,上記不等式を満たす最小のcは,c+1=4\Leftrightarrow c=3……(答)

    (3)
    参加者の賞金額が100円となる確率は100回表を出す確率と等しく{0.8}^{100}
    よって,期待値は,
    \sum_{n=0}^{99}{n\cdot\left(0.2\times{0.8}^n\right)}+100\cdot{0.8}^{100}=0.2\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}+100\cdot{0.8}^{100}
    ここで,
    \sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=1\cdot0.8+2\cdot{0.8}^2+3\cdot{0.8}^3+\cdots\cdots+99\cdot{0.8}^{99}
    0.8\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=1\cdot{0.8}^2+2\cdot{0.8}^3+3\cdot{0.8}^4+\cdots\cdots+99\cdot{0.8}^{100}
    より,両辺を引き算すると,
    0.2\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=\left(0.8+{0.8}^2+{0.8}^3+{0.8}^4+\cdots\cdots+{0.8}^{99}\right)-99\cdot{0.8}^{100}=\frac{0.8\left(1-{0.8}^{99}\right)}{1-0.8}-99\cdot{0.8}^{100}=4-104\cdot{0.8}^{100}
    よって,期待値は,
    4-104\cdot{0.8}^{100}+100\cdot{0.8}^{100}=4-4\cdot{0.8}^{100}
    となる.これの小数点第2位以下を四捨五入するために4\cdot{0.8}^{100}の値について考える.
    まず,{0.8}^4=0.4096<\frac{1}{2}より{0.8}^{100}<\left(\frac{1}{2}\right)^{25}
    さらに,\left(\frac{1}{2}\right)^{10}=\frac{1}{1024}<\frac{1}{1000}={10}^{-3}より,{0.8}^{100}<\left(\frac{1}{2}\right)^{25}<\left(\frac{1}{2}\right)^{20}<{10}^{-6}となる.
    \therefore4-4\times{10}^{-6}<4-4\cdot{0.8}^{100}<4
    以上より,期待値の小数点第2位以下を四捨五入すると,4.0……(答)


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