2017年早稲田大学理工|過去問徹底研究 大問5
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方針の立て方
(1)
解についての情報しか与えられないため,本問は解を中心に考えていくという方針を得る.すると,(*)の条件を使うことになるが,これを何度も使うことで解を作ることができると考える.結局三回使うと元の解に戻ってしまうため,ここで(*)を使うのは終わり.異なる解の表式が3つ()得られたが,これらが相異なるならこれで解探しは終わりになると期待して,これらが相異なることを確認する(具体的には,,を計算して,これを満たすが存在しないことを示せれば十分である).あとは,求めるものが係数であることから,解と係数を結びつける公式,つまり,解と係数の関係を使えば解答が得られる.
(2)
の具体的な表式が得られたため,普通の微分法の問題で解いていけばよい.
(3)
またしても解に着目しているため,を出発点として,(1)と同様に(*)を繰り返し用いることで,解を全て出し尽くすことを考える.後は本解答の通り,それらが,,と一致することを示す.
(4)
を求めるので,三角方程式を立式する必要があると考える.
さて,(3)では,から出発して(*)を繰り返し使ったが,から始めてもいいはずである.それを実際に試してみることで三角方程式を導ける.
解答例
(1)
は3次方程式のため,少なくとも1つの実数解が存在する.その実数解をとする.
すると,も解であり,よって,も解であり,よって,も解である.
ここで,を仮定すると,となり,は実数とはならないため不適.
を仮定すると,となり,は実数とはならないため不適.
を仮定すると,となり,は実数とはならない.
よって,は互いに相異なる3つの実数解であり,代数学の基本定理より,これがの解の全てである.
3次方程式の解と係数の関係より,
第三式より,
第一式より,.これと,を比較すると,
……(答)
(2)
が3つの実数解をもつことは前問の議論の通り.以下では,その3つの実数解がの範囲にあることを示す.
より,,である.
は連続関数であるから,中間値の定理より,,,のそれぞれの範囲にとなるが存在する. 証明終了
(3)
はの解であるため,
…①
が成立する.また,
も解となる.
ここで,を示す.
を示すには,これを変形したを示せば必要十分だが,これは,①より成立するため, 証明終了
さて,も解となる.
ここで,を示す.
を示すには,これを変形したを示せば必要十分だが,これは,①より成立するため, 証明終了
まとめると,,であり,もはの解であるから,,はの解である. 証明終了
(4)
前問の議論よりが成り立つ.
さらに,前問で示したについて,と置き換えると,が成り立つ.
が成り立つ必要であり,これを解くと,
(は整数)
より,である必要であると分かる.
に対して,は相異なる3つの実数となり,これで十分であることも分かる.
よって,……(答)
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