方針の立て方
全体的にベクトルの始点が統一されていないため,まずはベクトルの始点をに揃える作業を行う.また,次々と新しい点を定義されていくため,次第にこんがらがってくるが,全て点
を元に定義されているため,困ったら
まで戻せば良い.
(1)は特筆事項なし.
(2)について.「線分の中点
」という情報と「
と
が平行になる」という情報を数式的にどのように表せるかを考える.「線分
の中点
」という情報は「
」と直し,「
と
が平行になる」という情報は「ある実数
を用いて
と書ける」と直す.
(3)について.実際に切り口の図形を想定する.切り口の様子は平面が底面に対してどのぐらい傾いているかで様子が違うことは直観できるだろう.ここで,前問(2)の結果を用いれば,点
は
を
に内分する点であり,点
に比べると大分点
寄りに存在していることが分かるから,平面
は底面に対して大分傾いていることが分かる.よって,平面
は辺
と辺
と共有点を持つと直観できる.すると求める面積は五角形の面積であるから,三角形3つに分けて面積を求めていけば良いという方針が立つ.体積の方も,図形が中々に複雑であるが,切り口の面積を求めさせていることから,ここを底面を見て考えるのが良さそうだと考えると方針が立つ.
解答例
(1)
ここで,より,
であるから,
……(答)
……(答)
(2)
と
が平行であるから,ある実数
を用いて
と書ける.係数比較をすると,
……(答)
(3)
であるから,
〇切り口の図形の面積
平面は辺
と辺
と共有点を持つ.この共有点をそれぞれ点
とおく.
求める面積は五角形であり,その面積は
と
と
の面積の和に等しい.
点は平面
上の点であるから,ある実数
を用いて,
と書ける.
一方,点は辺
上の点であるから,ある実数
を用いて
と書ける.これらを係数比較すると,
同様に,点も平面
上の点であるから,ある実数
を用いて,
と書ける.
一方,点は辺
上の点であるから,ある実数
を用いて
と書ける.これらを係数比較すると,
これらより,
となる.
ところで,
より,
であるから,
より,
であるから,
より,
であるから,
となる.
五角形の面積はこれら3つの三角形の面積の和と等しいから,求める面積は,
……(答)
〇多面体の体積
体積を求める多面体は点からなる多面体である.その体積は五角錐
の体積と三角錐
の体積の和と等しい.
ここで,かつ
より,
.また,
と
が平行で,
と
が垂直であることから,
.よって,
は平面
と直交し,その長さは
である.
よって,五角錐の体積は,
となる.
また,より
,
より
であるから,
の面積は,
である.
更に点から底面
へ下ろした垂線の長さは1であるから,三角錐
の体積は,
となる.
点からなる多面体の体積は,これら2つの体積の和と等しいから,求める体積は,
……(答)
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