方針の立て方
(1)
③~⑤をなるべく簡単な式で表そうと考え,③~⑤をの式に書き換える.後は,答えに当たり()をつけて,それが①~⑤の全ての条件を満たすこと(というより反しないこと)を確認すればよい.入試数学のよくある手法として,直観的に答えを予想して,それが適することを確認するという解法(解けない漸化式で一般項を予測して数学的帰納法で示すなどもその一例)がある.
(2)
「不満」に関する条件が付加された.これを数式に直すことがまずやるべきことである.すると,前問と同様に②を用いて,式を簡単にすることが思いつく.そこからの解法はパッとは思い浮かびにくい.そこで試しにいくつかを代入してみよう.例えば(十分小さい値であればでも何でも良い)を代入すると,となってしまい,なぜ不適かが分かり,解法が思いつくだろう.
解答例
(85)(86)……10
(87)(88)……40
(89)(90)……22
(91)(92)……11
(93)(94)……32
(95)(96)……41
解説
(1)
①~⑤を変形する(②を用いて③~⑤をの式に書き換える)と,
となる.第三式と第四式からB氏とC氏の分配額は最大でもと分かる.の場合について考えると,第二式からとなる.は第一式と第五式を満たすので適当である.また,このときB氏とC氏の分配額が最高値のため,A氏の分配額は最小となる.
よって求める組み合わせは,……(答)
(2)
AB両氏の不満,AC両氏の不満,BC両氏の不満,A氏の不満,B氏の不満,C氏の不満がいずれも以下であるから,満たすべき条件は,
となる.これを変形すると,
ここで,第五式と第六式,第四式と第七式,第三式と第八式について考える.
これらが全て解を持つには,
が満たされれば必要十分である.
よって,の最小値はであり,を代入すれば,
よって,を最小化するの値はであり,の範囲はである.……(答)
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