慶應義塾大学過去問徹底研究 2016年 大問5
方針の立て方
(ニ)と(ヌ)については,基本的な解法であるため特筆事項なし.
(ネ)について.
面と垂線の問題である.面は2つの線形独立なベクトル(このようなベクトルを基底ベクトルという)の線形結合で表現される.つまり,「面と垂直」という条件を,「2つの基底ベクトルと垂直」という条件に言い換えることができる.このことを利用しよう.なお,面と垂線の問題は難関大学では頻出の問題であるため,この問題ができなかった受験生は是非復習してほしい.
(ノ)について.
前問での垂線を考えたので,を底面と考えて体積を求めるという方針が立つ.そのためには高さに当たる線分の長さを求める必要があるため,線分のことを考える.
(ハ)について.
実際に点と点を作図する.は全ての辺の長さが分かっているため,垂線の長さが求められることを考えれば,相似比を使うという考え方も思い浮かぶ.
(ヒ)について.
であることから,四面体のねじれ具合を考え,切り口の形を考える.線分の長さを前問で求めたので,線分を底辺として考えるという方針を立てると,点について考えるという方針も立つ.
解答例
ニ:
ヌ:
ネ:
ノ:
ハ:
ヒ:
解説
〇と,の面積について(ニ,ヌについて)
に対して余弦定理より,
……(答)
……(答)
〇について(ネについて)
(は実数定数)とおく.すると,
平面とは直交するので,下記の条件
を満たす.
ここで.とそれぞれに余弦定理を用いることで,
を得る.これを用いて,上の条件式を計算すると,
を得る.
……(答)
〇四面体の体積について(ノについて)
よって,四面体の体積は,
……(答)
〇の長さについて(ハについて)
点は,線分上の点のため,
と書ける.
ここで,点はにおいて,辺上の交点であるから,
よって,点は,線分を3:7に内分する点.
上図のように,で,からへの垂線の足をとする.
とおくと,三平方の定理より,
(相似比10:7)より,
……(答)
〇切り口の面積について(ヒについて)
4つの面が全て合同であることから,2点を通り平面に垂直な平面は,辺,辺と交わる.
特に,線分を平面と垂直な方向に動かすと,上を通ると考えられる.
ここで,から,への垂線の足をとする.
(は実数定数)とおく.
とは直交するので,
これを解くと、
よって,点は辺上の点であり,
となる.
また,上図のように,2点を通り平面に垂直な平面と辺の交点をとし,から平面への垂線の足をとする.
より,は上の点であり,かつ,上の点であるから,実数定数を用いて,
係数比較して解くことで,
を得る.
等積変形の考え方を用いれば,求める面積はの面積と同じであるから,
……(答)
続きはこちらから
大問1
大問2
大問3
大問4
大問5
早慶の過去問を解いてみてまったくわからない・・どのように勉強をしたら良いのか知りたい方はお気軽にこちらからご連絡ください。
Published by