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政治経済学部

早稲田大学政治経済学部【数学】| 本番で圧勝の徹底対策シリーズ

注意!
早稲田大学政治経済学部の入試は2020年度より数学は共通テストを利用することになりました。
そのため、本ブログ記事は以後は参考になりませんので、ご注意ください。

早稲田大学政治経済学部

早稲田大学政治経済部の数学は全分野からまんべんなく出題されています。出題形式も空所補充、記述式など様々です。
難易度は標準的ですが、証明問題や図示せよとった問題も出題され、正確かつ手際よく問題を解いていくことが必要です。
また本学部は社会科目との選択なため、理系の受験者も多く、数学選択者の数学力は他の文系数学の受験より高く、高得点勝負になります。


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全体概観:配点70 点

教科書レベルの基礎知識は必ず身につけておきましょう。
これをベースに理解力・応用力が試されます。
その上でそれらを総合的に考える力が求められます。そのため、系統的な基本的な知識の習得が必要です。
早稲田大学全般で言えるこ とですが、解答時間があまりないので、ある程度のところで見切りをつけて違う問題を解いていき時間を無駄に使うことのないようにしましょう。

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出題概要

数学I、II、A、Bにすべての範囲からまんべんなく出題されます。数列、ベクトル、整数問題、確率が頻出問題にとなっています。

対策1:証明問題の対策はどうすればよいのか?

まずは教科書に載っているような公式の証明などをやってみましょう。証明問題の答案作成は時間をかけなければ身につきません。
また証明の際には筋の通った答案が書けなければなりません。そのため証明問題を解いたら先生などに見てもらって添削してもらいましょう。
論理の穴をなくすには同値性、必要十分性に気を配ると論理的欠陥は少なくなっていくと思います。
また自分で自明だと思っていることは必ずしも普遍的心真理とは限らないので、記述は丁寧めに書いていきましょう。

対策2:応用問題はどう対策すればいいのか?

まず応用問題を解くにしても基本が大切です。そのため教科書の節末、章末問題は理解した上で解く必要があります。標準的な問題をたくさん解いて解法に慣れましょう。いわゆる応用問題もほとんどの場合、基本的な知識の組み合わせでしかありません。また応用問題と言っても必ずしも合否に関わるとは限りません。
1問だけ難問で他の問題が超基本だったら、その1題で差が付きますが、それだと試験として機能しないので、多くは基本、標準、応用とバランスよく配置されます。本番では基本、標準は正確に処理しておきましょう。
そのうえで応用問題にも喰らいついて得点を伸ばしていけると良いですね。
理系の生徒をはじめ、数学が得意な生徒は全ての問題に正解できるようにしたいところでしょう。

対策3:時間内に解ききるにはどう対策すればいいのか?

60分という時間に割りに問題が多いので、①解答のまとめ方や、②計算力の向上が求められます。
①については、実際に過去問を解いたりしてこうやればいいんだというのを身体でつかみましょう。
②については普段から計算の訓練をして、計算過程を疎かにせず、正確な計算を心がけましょう。

また試験が始まったら、全体を俯瞰し、解ける問題から確実にとっていきましょう。1つ完答すると安心しますし、自分のペースがつかめると思うのでまずは1完を目指しましょう。本番はいつも通りの力を発揮できるように焦らず、問題文をよく読んで落ち着いて挑みましょう。

実際の問題を見てみましょう!

▶2014年大問3(1)、(2)

(1)は教科書の例題として載っているレベルの問題です。そのためここは絶対に落とせません。

(2)(i)も基本的な問題ですが、ここでは計算が楽になる方法を紹介します

(解)与えられている放物線 C_{1}, C_{2} を以下のように変形します。

 a_{1} x^{2}+ b_{1}x-y=0, a_{2} x^{2}+ b_{2}x-y=0

そして、以下のような式を立てます。(この考え方を束と言います。普段は円で使うことが多いですがこの場合も適用できます。)

 a_{1} x^{2}+ b_{1}x-y- k\big( a_{2} x^{2}+ b_{2}x-y\big) =0~~~~(1)

束の考え方よりこの図形は C_{1}, C_{2} のグラフの交点を通る。

今回、直線が通るということより k= \frac{a _{1} }{ a_{2} } である。

(今回考えるのは直線なので、xの二次の係数が0になるようにkを選びます。)

この結果を(1)に代入すると、

 a_{1} x^{2}+ b_{1}x-y- \frac{a _{1} }{ a_{2} }\big( a_{2} x^{2}+ b_{2}x-y\big) =0

 a_{1} x^{2}+ b_{1}x-y- \frac{a _{1} }{ a_{2} } a_{2}x^{2}- \frac{a _{1} }{ a_{2} }b_{2}x+\frac{a _{1} }{ a_{2} }y=0

b_{1}x-y- \frac{a _{1} }{ a_{2} }b_{2}x+\frac{a _{1} }{ a_{2} }y=0

 \frac{a _{2} - a_{1} }{ a_{2} } y= \big( b_{1}- \frac{a _{1}b_{2} }{ a_{2}} \big) x

 \frac{a _{2} - a_{1} }{ a_{2} } y= \frac{a _{2} b_{1} -a _{1} b_{2}}{ a_{2} }x

y= \frac{a _{2} b_{1} -a _{1} b_{2}}{ {a _{2} - a_{1} } }x

m= \frac{a _{2} b_{1} -a _{1} b_{2}}{ {a _{2} - a_{1} } }

今回の問題は(2)は答えのみなのですが、記述の練習も兼ねて答案作成してみましょう。書いてみたら、ぜひ先生に添削してもらいましょう。


▶2016年 大問4

(2)(ⅱ)が最大の山場で、1つ飛ばしのa_k=a_{k+2}に気付けるかどうかが肝心です。計算はそこまで重くないので、丁寧に考えていきましょう。

(1)長方形の内角は90°で、対角線ACは中心Oを通るので、長方形ABCDの面積をTとして、T=2(\frac{1}{2}・AB・BC)=2(\frac{1}{2}2cosx・2sinx)=2sin2x…(ア)

0<x<\frac{\pi}{2}⇄0<2x<πより2x=\frac{\pi}{2}⇄x=\frac{\pi}{4}で最大値2をとる。…(イ)(ウ)

(2)(ⅰ) |OA_k|=|OA_{k+1}|=1より△OA_k A_{k+1}は二等辺三角形である。よって∠OA_{k+1}A_k=\theta_kであるからa_k=1({\pi}-2\theta_k)=π-2\theta_k…(答)

\theta_k+\theta_{k+1}=\alphaで、a_kと同様に、

a_{k+1}=1(\pi-2\theta_{k+1})=\pi-2(\alpha-\theta_k)…(答)

a_k+a_{k+1}=2(\pi-\alpha)…(答)

(ⅱ)(ⅰ)より、a_k+a_{k+1}=a_{k+1}+a_{k+2}<a href="=2(π-α)">/latex</a>⇄[latex]a_k=a_{k+2}…①である。

・n=2m+1のとき(m≧1)

①よりa_1=a_3=\ldots=a_{2m+1}

a_2=a_4=\ldots=a_2m=a_{2m+2}

A_{n+1}=A_1から、a_1=a_{2m+2}であるからすべての円弧が等しい。

∴nが奇数のとき、n角形A_1 A_2\ldots A_nが正n角形になることが示された。(q.e.d)

(ⅲ)・n=2m(m≧2)のとき、①より

a_1=a_3=\ldots=a_{2m+1}

a_2=a_4=\ldots=a_{2m}

であるから\theta_1=\theta_3=\ldots=\theta_{2m-1}\theta_1=\theta_3=\ldots=\theta_{n-1}が成り立つことが示された。(q.e.d)

右図の斜線部の面積をS_1とすると、

S_1=\frac{1}{2}\cdot1^2\cdot\sin(\pi-2\theta)+\frac{1}{2}\cdot1^2\cdot\sin\{\pi-2(\alpha-\theta)\}とかけ、S_n(\theta)S_1\frac{n}{2}倍であるから、S_n(\theta)=\frac{n}{2}\langle\frac{1}{2}\sin2\theta+\frac{1}{2}\sin\{2(\alpha-\theta)\}\rangle=\frac{n}{4}\langle\sin2\theta+\sin\{2(\alpha-\theta)\}\rangle…(答)

(ⅳ)正n角形の内角の和は(n-2)πであるから、nα=(n-2)π⇄\alpha=\frac{n-2}{n}\pi…②

S_n(\theta)=\frac{n}{4}\langle\sin2\theta+\sin\{2(\alpha-\theta)\}\rangle=\frac{n}{4}\cdot2\sin\{\frac{2\theta+(2\alpha-2\theta)}{2}\}\cdot\cos\{\frac{2\theta-(2\alpha-2\theta)}{2}\}=\frac{n}{2}\cdot\sin\alpha\cdot\cos(2\theta-\alpha)

②より、αはnの関数でθは含まないので、cos(2θ-α)のとりうる最大値を考えれば十分。

0<2θ<πより-α<2θ<π-α

よって、cos(2θ-α)は2θ-α=0⇄\theta=\frac{n-2}{2n}\piのとき、最大となり、その最大値は\frac{n}{2}\cdot\sin(\frac{n-2}{n}\pi)

[解説]

A

(1)は問題ないでしょう。

(2)のn角形は少し珍しかったかもしれません。多くの人は、正n角形が円に内接する問題に出会ったことがあると思いますが、本問は正多角形とは限りません。もしかしたら、正n角形として議論してしまった人もいるかもしれないので、まず定義を確認します。

定義:全ての辺の長さが等しい(イ)かつ全ての内角の大きさが等しい(ロ)とき、その多角形を正多角形という。

本問は、(ロ)のみ与えられていたので、正n角形とは限らないということですね。

では(ロ)のみならどのような反例が存在するのか考えてみると右図のような1つ飛ばしで合同な図形が挙げられます。このとき、\theta_1+\theta_2=\alphaとなり、条件を満たします。

では逆に(イ)のみならどうなるでしょうか?

右図のようにハチャメチャなものもありえてしまいますね?

以上の考察から(イ)(ロ)が正n角形の必要十分条件であることがわかります。

B

(ⅱ)で導いたa_k=a_{k+2}を幾何的に考えてみます。

まず、\angle OA_1A_2=\angle OA_2A_1=\theta_1となるように円周上に点A_1A_2を決めます。[ステップ1]

次に、\angle A_1A_2A_3=\alpha_2となるように円周上に点A_3を定めます。[ステップ2]

\theta_1+\theta_2=\alphaで、次は\theta_2+\theta_3=\alphaになるようにA_4を定めたいのですが、そうするには、0<α<πより、\theta_3=\theta_1しかありえません。[ステップ3]

∴帰納的に\theta_k=\theta_{k+2}となることが分かります。こうやって、順々に考えていくと、①の結果にも納得がいきますし、この発想をしっかりと厳密に記述すれば答案としても成り立ちます。

C

さて、Bから相似な三角形が1つ飛ばしに並んでいくことが分かりました。

(Ⅰ)nが奇数のとき、A_2 A_3 \ldots A_nと定めていくと、△OA_1A_2\triangle{OA_nA_1}\equiv\triangle{OA_1A_2}となります。

このとき、\theta_1+\theta_2=\alpha

\theta_1+\theta_1=\frac{\alpha}{2}ですから、

\theta_1=\theta_2=\frac{\alpha}{2}で、\triangle{OA_1A_2}\equiv\triangle{OA_2A_3}\ldots\equiv\triangle{OA_nA_1}となり、正n角形となるしかないことが分かります。

(Ⅱ)nが奇数のとき\triangle{OA_nA_1}\equiv\triangle{OA_2A_3}となるので正n角形に限らないことも分かりますね。

D

S_n(\theta)=\frac{n}{4}\langle\sin2\theta+\sin\{2(\alpha-\theta)\}\rangle=\frac{n}{4}\cdot2\sin\{\frac{2\theta+(2\alpha-2\theta)}{2}\}\cdot\cos\{\frac{2\theta-(2\alpha-2\theta)}{2}\}と変形しましたが、和積公式を用いました。

和積について少し述べておきます。

加法定理より、

\sin{(x+y)}=\sin{x}\cos{y}+\cos{x}\sin{y}・・・(ハ)

\sin{(x-y)}=\sin{x}\cos{y}-\cos{x}\sin{y}・・・(二)

(ハ)+(二)より、{\sin{(x+y)}+\sin{(x-y)}}=2\sin{x}\cos{y}・・・(*)です。

これは、x,yを別々に含んだ関数の和と積に、積を和にすることができるので、大変重宝します。本問では、\sin{2\theta}\sin{2(\alpha-\theta)}と変数\thetaを別々に含んでいるため、最大値の\thetaの挙動がわかりません。そういうときは、2つの\thetaの三角関数を1つの関数で表せば、終えることがわかりますね。

今回は、\begin{cases}x+y=2\theta \\ x-y=2(\alpha - \theta )\end{cases}

を連立して解くことで、

x=\frac{2\theta+2(\alpha-\theta)}{2},y=\frac{2\theta+2(\alpha-\theta)}{2}

が求まります。

和積の公式は他にもありますが、加法定理からいずれも導くことができます。一度は自分の手で導いてみましょう。

E

さて、結局答えが2\theta=\alpha

(正n角形)となりましたが、これは前もって予想することができます。(1)のとき、n=4を借りてかんがえてみます。

A_{k},A_{k+1},A_{k+2}において、A_{k},A_{k+2}を固定してA_{k+1}の位置を考えればよいので、 |\overline{A_{k},A_{k+2}} |が円の半径になるn=4で簡単に考える。)

いま、A_{1},A_{3}を図のように固定して、 |\overline{A_{1},A_{3}} |を底辺、A_{2}からA_{1}A_{3}に降ろした垂線の長さを(h)とすると、 |\overline{A_{1}A_{3}} |が定数なので、hが最大になるのは \widehat{A_{1}A_{3}} の中心になるときです。

これを答案にしても最後の(ⅵ)は埋まります。このような予想ができるので(2)は(ⅱ)(ⅲ)が解けなくても、(ⅳ)が穴埋めなので、(ⅳ)は得点できます。こうやって答えを予想できることも多々あるので、普段から多角的に考えるようにしましょう。

[総括]

2016年度のセットの中で一番難しい問題を扱ったが、難易度は標準+αくらいだろう。(1)、(2)(ⅰ)くらいは最低限確保したい。論証も特にやっかいなところはないので、心配しなくともよい。
予備校の評価が”難しい”とかかれているが、はったりである。
30分程度で完答できればOK!

 

自分だけで学習するのは大変ですので、指導者に相談することをお勧めします。
もちろん当塾でも添削の指導をしておりますので、ぜひお問い合わせください。
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