慶應義塾大学経済学部世界史勉強法
「1500年以降を中心とする」とされています。しかし、それ以前の事項が絶対に出題されないというわけではないので注意してください。
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全体概観:配点150点 時間80分
早慶の中では標準的な問題が出題されます。
枝葉末葉の知識を詰め込むよりも、歴史上のものごとの関係を深く理解してまとめていきましょう。
年号と戦後史の対策を積んでおきさえすれば合格点は取れます。
また、グラフや表などの出題も多いので資料集を活用し、教科書のグラフなどにも目を通して、その図やグラフがなにを言い表しているのかを考えておくことも有効です。
その上で過去問演習などで慣れておきましょう。
理屈と共にグラフを理解していくことが大切。過去問演習も大切であり、過去問演習をするときはグラフの内容まで踏み込んで理解していくことが必要であることもわかります。
非常に特徴のある出題形式であるため、過去問演習も含めて準備をしておくことが合格につながるので、ぜひ今年一年準備をしてください。
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慶應経済の合格最低点と何点取ればよい?
年度 | 配点 | 合格最低点 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023 | 420 | 266 | 63.33% |
2022 | 420 | 239 | 56.90% |
2021 | 420 | 262 | 62.38% |
2020 | 420 | 240 | 57.14% |
世界史は最低でも90、頑張って100~110点くらい取れると良いでしょう。
対策1:戦後史の対策はどうすればよいのか?
慶應経済学部の世界史は他の大学、学部と比べると戦後史の割合が高くなっています。特にアメリカの経済分野は頻出です。ニクソン・ショック、ブレトンウッズ体制など人に説明できるレベルで因果関係を掴んでいきましょう。
図表・グラフなどドルの動き、貿易など現代のニュースに関連した部分も出るので、日頃から注意をしておきましょう。
対策2:記述対策はどうするか?
論述問題は慶應経済学部では必ず出題されます。対策としては歴史上のできごとを説明する際に因果関係や同時に起こっていたことに気をつけて書いてください。
教科書の小見出しを30字程度でまとめて、それを添削してもらうのが良いでしょう。一人でやっていると論理の飛躍、漏れに気づきにくいため、実力が上がるのに時間がかかります。
当塾では、当然塾生に対してこのような練習・添削指導も行っています。
対策3:グラフ問題の対策は?
経済学部であるので、経済に関する話題はよく出題されます。
同時に経済に関するグラフなども必須なので必ず準備しておくことが必要です。
例えば、2017年に出題されたグラフを見てみましょう。
このグラフを見た時に、
aはイギリス、bはアメリカ、cはドイツ、dはフランス、eはロシア
とわかりますか?
もしわからないとしたら、覚えるしかないのですが、
その時に歴史的事実と合わせて(テキストを確認しながら)覚えていく必要があるでしょう。
- ① 19世紀、イギリスが最大の工業国だったがアメリカが猛追してきた。
- ② 20世紀に入る直前、アメリカが工業生産でイギリスを追い抜く。
- ③ 19世紀後半ドイツは統一され工業も発展するが、ビスマルク外交もあり植民地獲得ができなかった。そのため工業生産は頭打ちになる。
- ④ フランスは国内政治の混乱もあり、ブルジョワが育ちきらず経済的には停滞が続く。
- ⑤ ロシアは後進性の残る国だったが、ロシア革命がおこり社会主義国となる。計画経済のもと世界恐慌の影響は受けずにすんだ。
実際の入試をどのように解いていくのか?
※解答欄は17センチ×2センチ
受験生の皆さんがよく使っており、当塾でも推奨の教材として利用している『ナビゲーター世界史』を見てみましょう。
3巻143ページをみると、「1765年の印紙法・・・証書や新聞、さらには暦やトランプなどにまで印紙をはって売らせ、本国政府の収入を増やそうという法律でした。」植民地側はこれらの課税強化に対し、「代表なくして課税なし」というスローガンを掲げて強く講義しました。「本国の議会には植民地代表を1人も出させてもらっていないのに、どうして税だけは課せられなくてはいけないのか」という当然の意見ですね。このような植民地側の激しい抵抗によって、この法律は撤回されました。」とあります。
これを読むと、そのまま答えになってしまいますね。つまり、用語を覚えるときに歴史の流れを確認し、それを簡単に説明できるようになればいいのです。解答例を挙げてみたいと思います。
イギリスはアメリカを原料供給地・製品市場にしようとした。1765年に印紙法が制定されたが、植民地側は「代表なくして課税なし」のスローガンを挙げて抵抗し、廃止に追い込んだ。
2017年経済学部の論述問題を見てみましょう。
この問題では「経緯」を問われています。このような時は起こった出来事を順番に説明するだけです。ただし、必要な出来事のみを取り出していってください。
知識として必要なことは「出来事」です。これの中から「必要な出来事はどれか」を判断し、説明すればいいわけです。
出来事
幹線鉄道の国有化 → 四川省で蜂起がおこる → 武昌蜂起 → 孫文による中華民国建国宣言 → 袁世凱と孫文の取引 → 宣統帝退位 → 袁世凱の臨時大総統就任
このような流れになります。この中で必要な出来事はどれでしょうか?問題文をよむと「革命勃発から清朝滅亡まで」とあります。
ということは、スタートは武昌蜂起、終わりは宣統帝退位でいいでしょう。
「武昌蜂起がおこり各省が自立していくなかで孫文は1912年に中華民国建国を宣言した。袁世凱は孫文と取引をし、自らの臨時大総統就任と引き換えに2月宣統帝を退位させた。これによって清朝は滅亡した。」
もう一問例を見てみましょう。
例2)満州事変以降、第2次国共合作が成立するまでの経緯を下に挙げた5つの語のうち3つを使って説明しなさい。
語句:
上海クーデタ 西安事件 中ソ友好同盟相互援助条約 八・一宣言 盧溝橋事件
この問題も「経緯」を説明する問題です。では、例1と同じように考えてみましょう。
出来事
第1次国共合作の崩壊(上海クーデタ) → 張作霖爆殺事件 → 北伐の完成 → 国共内戦開始 → 満州事変 → 瑞金陥落 → 長征 → 八・一宣言 → 西安事件 → 盧溝橋事件 → 第二次国共合作
まず、条件の確認です。満州事件以降のことを書かなくてはなりません。
終わりは第二次国共合作です。満州事変以降のことを書くことを求められていますから、国共内戦開始までの用語は必要ありません。
使用する用語を3つ選ばなくてはなりませんが、基本的には「西安事件、八・一宣言・盧溝橋事件」でいいと思います。
上海クーデタを書き出しで使うことはできますが、上記3つの用語を使わないと変な記述になってしまいそうです。
「国民党と共産党の内戦が激化し瑞金が陥落し共産党による長征が行われていた。一方、日本の侵略は激化し満州事変がおこった。共産党による八・一宣言で提唱された統一戦線は西安事件によって蒋介石が説得され同意することで実現に向かう。盧溝橋事件がおこると第二次国共合作が成立した。」
以上は解答の一例ですが、考えるときに何をすればいいのかを考えてみてください。
当塾の世界史の指導はただ単に知識を覚えるだけでなく、問題を解くときにどのように考えるのか、使える知識にするためにはどのように覚えていけばいいのかも指導していきます。
また、今回の例は「経過」を論述する問題でしたが、その他にもさまざまなパターンがあります。
それぞれのパターンでどのようなことに注意すればいいのかを知っていればそれにしたがって論述をするだけです。
論述の練習というとただ黙々とたくさん書くだけというイメージがあるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
ぜひ、論述問題もパターン等を意識して「考え方」を身に付けていってください。
もちろん、指導者について指導を受け、添削してもらうということはとても有効です。
当塾では上記のようなことを意識して世界史の指導を行っています。
慶應大学経済学部の論述問題でお困りの方はぜひお問い合わせください。こちらからお問い合わせできます。
【過去問研究】2017年慶應経済入試
題数が多くなっているなというのが最初の印象。数えてみると小問が10ほど増えています。
内容的には特に変わらず、16世紀以降を中心に出題しているが中世からも数問出題があります。
各国の工業生産の割合を示すグラフについては、この時代の流れを理解していれば解ける問題となっています。
しかし、丸暗記のみですべてに対応しようとしている受験生には難しかったでしょう。
年代についても、正確に年を覚えていなければ解けないという問題ではなく、考えさせる問題になっています。
文化史からの出題があったが、前年見られなかったからといって特別な新傾向でもないでしょう。
論述問題も今までと同じ傾向であり、10題増えたからといって時間的に特別厳しくなるというほどでありません。
全体的にみると、例年通りの問題であるといえるでしょう。
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