慶應義塾大学医学部
入試難易度: 4.0
私大の医学部の中でも最難関の医学部。それ故に出題される問題も難度が非常に高い。だが、基本を徹底すれば全く手に負えない問題は少ないです。
全体概観(90分/150点)
制限時間90分で記述問題を含めた長文問題3つ+自由英作文1つという構成になっています。時間は制限時間ギリギリになるため、緩急をつけた読解が必要です。例年問題傾向が異なるので、以下それぞれの問の番号はあくまで参考程度にしてください。
問Ⅰ Ⅱ Ⅲ
3題の長文問題
600~700字程度の長文が出題されます。出題されるテーマは学部の関係上自然科学、特に生命に関連した問題が出題されやすいです。ただし、自然科学系からのみ出題されるというわけではなく社会科学系のテーマも普通に出題されるので気をつけてください。また問題形式も、和訳問題、具体化説明問題、タイトル問題などほとんどすべての問題が出題されます。一般的な大学でよく出題される内容一致は出題されることは少なく、より思考力を必要とした問題が多くなっています。
和訳問題はどのように解けばよいのか?
慶應義塾大学医学部では、毎年和訳問題が出題されます。この和訳問題は問題文の日本語をそのまま英語に変換するという力が問われているわけではありません。そうした問題でしたら、長文の中で問う必要性はありませんね。長文の中で問われているということは、イコール本文の文脈の中で問題文を考えてくださいね。ということを出題者は意図しているわけです。まずこの点に注意しましょう。続いて、注意する点は単語の使い方ですね。慶應医学部では日本語特有の言葉が和訳するケースがあります。
例えば,2014年度では「甲斐性」が出題されました。この場合、甲斐性という言葉は英語に対応する言葉がありません。甲斐性=経済的に頼りになると頭の中で変換して、これをうまく説明できる英文を考えてみましょう。自分でどのような状況なのかを説明するための言葉を作らなければいけないというわけなのです。
難単語にどのように対処していけばよいのか?
慶應義塾大学医学部では学部の性質上科学論文や生命関連の評論文が多く、問題文の中身と同様に、単語も難しい長文が出題されます。こうした難単語に遭遇した際にはどのように対処すれば良いのでしょうか?ただ単純に単語を知っているかどうかを大学側が試すわけがありません。大学側はある程度学生が単語をわからないことを前提にしてどのように単語を推測することができるのか?を確認しているのです。
単語を推測するためには文章をつなげて読むことが必要不可欠です。つまり、大学側は受験生が文章をつなげて読むことができているかどうかを試しているといえるのですね。それではこの文章をつなげて読むとはどのようなことなのかというと、その秘密は英語の文章の成り立ちにあります。
英語をつなげて読むにはどうしたら良いのか?
英語をつなげてよめるようになるためにはまずはじめに、英語には1パラグラフ1メッセージという原則があるのはご存知でしょうか?
1つのパラグラフで1つだけ言いたいことがあるという原則です。1つのパラグラフは通常4~5文で成り立ちますよね?この文章全てが1つのメッセージを発するために存在していると考えるのです。この原則を応用して、先ほどの難単語の問題を考えていきます。4~5文あっても全部同じことを言っているということは、文章の方向性が同じということです。ただ、使われていることばまで同じではないので注意してくださいね。大学入試で出題されるのはプロのライターが書いた文章です。そんな文章が同じ単語でずーと同じことを言ってたらちょっとおかしいなってわかりますよね?ですから、同じことを説明する場合でも視点を変えて説明を加えなければいけないのです。
これが文章をつなげて読むということなのです。
過去の慶應義塾大学医学部の長文テーマ一覧
2016年「気候変動による影響を回避するために」「スローリーディングへの回帰を求めて」「期待の判断基準は人によって異なる」
2015年「地球に衝突する可能性のある小惑星」「太陽エネルギーは世界を救うことができるのか」「外来種が地球の生物多様性を脅かす」
2014年「腐敗と戦う子供達」「人間の本質と遺伝子」「進化と親子関係」
2013年「教育と健康の関係」「医学における診断の歴史」「日米における年代の捉え方の違い」
2012年「世界的感染病と戦うために」「日本語と英語における伝聞情報表現の比較」
2011年「ステイーブ・ジョブズから学ぶ生き方」「REM睡眠について」「現代の子育ては甘くなったか?」
2010年「人間の感覚器官」「「人間の感覚器官」「ミツバチの失踪」
自然科学の学説を元にした論説文からの出題が多いですね。専門用語にある程度なれるという意味でも過去問以外にも少し難し目の文章を読んでみることをおすすめします。
問Ⅳ
80~100字で記入する自由英作文ややわかりづらいテーマのものもありますが、通常の自由英作文と同じ対策で構いません。中学レベルの英文を覚えて、和訳の訓練をして英作文の型を覚えて、過去問に取り組みましょう。
過去の慶應義塾大学医学部の自由英作文のテーマ一覧
2016「ロボットに何を求めるか」
2015「無条件に買うことができたら何をするか」
2014「休暇を過ごす場所を選ぶ際の条件」
2013「親になった時の子育てにおける方針」
2012「何が自信を生み出すか」
2011「自転車のプラスとマイナス」
2010「あなたが出会った最高の教師」
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