慶應法学部2022年の講評
私大最難関とな高い慶應法学部の問題。
以前は時間内に終わるのは不可能な量、難易度の問題でしたが、
近年は時間内に解くことは難しくはなく、
受験層も考えると、高得点を取る必要が出てきています。
その傾向は、今年度の入試についても同様でした。
問題傾向が若干変わっていますが、、
7,7.5割くらいは取れて欲しい問題でした。
本記事では、
2022年度の慶應法学部の英語の問題解説と
来年度慶應法学部に向けて
どのような勉強をしたら良いのかを早慶専門塾の観点からお伝えしていきます。
ページ目次
- 【何からはじめたらいい?という人向け】
【まず始めることをお伝えします】 - 早慶に合格するための戦略とは?
1,2年生から合格するための戦略を立てるには? - 【高1】早慶現役合格の勉強法を徹底解説
志望校に合格するためにやるべきこと紹介 - 【高2】現役で早慶GMARCHに合格
必要な勉強法(勉強時間、参考書)を紹介 - 【高2】早慶絶対合格!!のためにすること
勉強時間、スケジュール、参考書、勉強法の紹介
大問1 単語問題
慶應法学部は、問題形式がバラエティに富んでいるのが特徴の学部です。
例年大問1は、
アクセント問題や、正誤問題など問題形式に変更があるのですが、、
今年は、単語の一部を組み合わせて、
単語を作るというよくわからない問題形式でした。。
昨年度に引き続き、
単語の問題だったので、来年以降も、単語の組み合わせが出ることは考えましょう。。
(1) 9 (2) 0 (3) 7 (4) 2 (5) 4
(6) 1 (7) 8 (8) 5 (9) 6 (10) 3
大問2 単語意味問題
品詞を根拠にしていくと、答えは出やすいです。
ただし、
選択肢と問題文の単語に品詞が特定しづらいものがあったの
で、、、、その点は注意が必要です。
大問2
(11) 6 (12) 7 (13) 5 (14) 8 (15) 9
(16) 3 (17) 2 (18) 4 (19) 0 (20) 1
会話問題、インタビュー問題
会話問題とインタビュー問題は、
慶應法学部の代名詞とも言える問題です。
とはいえ、今年は例年通りの入試だったので、
解けた人も多かったと思います。
解答を載せておきます。
大問3 会話問題
[A] (21) 3 (22) 5 (23) 4 (24) 1 (25) 2
[B] (26) 3 (27) 5 (28) 1 (29) 4 (30) 2
大問4 インタビュー問題
(31) 2 (32) 5 (33) 7 (34) 4 (35) 6
(36) 0 (37) 3 (38) 1
インタビュー問題についての考え方はこちらの記事で載せています。
対策を十分に積んでいくことで、
解き切ることは難しくありません。
慶應法の2022年の長文読解
それでは、最後に
2022年の慶應法学部の長文問題について、
見ていきましょう。
今年どの入試は、
テーマもよくあるテーマで解きやすかったと思います。
慶應法の2022年の長文の出典
慶應法の長文の出典を見てみましょう。
Jean Kilbourne さんというアメリカの活動家で女性の広告への扱われ方において、有名な人のようです。
こちらは筆者のホームページです。
この本が今回扱われた本です。
Jean Kilbourne 『Can’t Buy My Love:How Advertising Changes the Way We Think and Feel』
Youtubeでも、話をしているのでみてみても良いでしょう。
慶應法学部2022年長文の解答解説
慶應法学部の問題は、
パラグラフごとに聞かれることが多いので、
難易度はそこまで高くはないです。
差がついたのは、
並び替え問題とパラグラフ整序問題をいかに速く解き切ることができたかどうか?ということになるでしょう。
そこで本記事ではこの二つの問題を見ていきます。
慶應法学部2022年並び替え、整序問題
文中の並び替え問題は、
単語を見る前に必ず、前後関係を確認してください。
選択肢を見てからだと、余計な先入観が入ってしまうので、
必ず選択肢を見る前に空欄前後を見て文構造を確定していく。
今回の問題は引っ掛けとしては、
picturesをseveralと繋げてしまったパターンでしょう。
ここでつまづいてしまうと、
問題を解くことができません。
前の動詞を見て、動詞は現在形ということを考えて、
picturesを動詞にすることができたかどうかがポイント。
英語は、普段名詞で使われている単語でも、
動詞の位置にきた場合は動詞で処理することができるのです。
その点がわかれば、
あとは、several people と繋げて、
boxed (前文wrapped up)の言い換えとして
捉えることができて、
その後にacoording toをおいて、
boxedの基準を決めることができるという考え方をする。
過去分詞は、
並び替えでは頻出なので過去の形(ed形)が出てきた時に、
過去形だ!と決め打ちをしないことは重要。
このように考えると、
pictures several people boxed according to income level
となりますね。
慶應法並び替え、整序問題類題
類題を作ってみたのでやってみて下さい。
I’m here because the late Herman Blount, better known as Sun Ra, a mystical, avant-garde Black American musician and poet who made racial metaphor of extraterrestrial origin stories, remains a guidestar in this realm, even nearly 30 years after his death. His group’s art is a core part ( A ) or try to think hard about the Black Future.
引用:(https://time.com/6151233/black-history-month-black-future/)
Aに入る順番に並び替えてください。
preferred/who/many/ enjoy/ , /soundtrack / the/ of /by /work / at
大事なのは、意味で考えずにまずは文法的に考えるということです。
並び替えについては、
こちらの記事でも述べているので、確認してみてください。
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慶應法2022年パラグラフ整序問題
ここも差がついた問題でしょう。
いろいろな解き方があるとは思いますが、、
最速で解くとしたら、今回の場合は
選択肢を有効活用する方法です。
選択肢を見ると、始まりこそ違えど、
最後が5,7になっているので、
まずは、次のパラグラフの関係性を考えてみましょう。
次のパラグラフの文頭では、
Newspapersが話題になっています。
その後話していることとしては、
Newspapersはselling audienceがが彼らの仕事だ。ということが書いてありますね。
これで選択肢の5,7にNewspapersが書いてあればいいのですが、
そこはさすがの慶應法学部ですから、、
そこまで簡単ではありません。
後ろの文章の照応関係(代名詞が何を指しているのか)は使えませんでしたので、
選択肢間の照応関係を考えてみましょう。
まずは、
選択肢1,4にある5とその前に代名詞の照応を見てみると、、、
5のIt is the point.のItが3,6の何かを指しているはずです。
3であれば、to以降を指すはずです。
ですが、3を選んでしまうと、”の閉じがないので選べません。
選択肢4の6の場合は、
前文に二つの文章がandが並べてあり、
どちらがitなのか確定できません。
また、選択肢の5をよくみると is がイタリック体になっていることに気づきます。
これは前文との対比などisに意味を持たせて強調をしたい時に使うものです。
選択肢6を入れた際に強調するべき理由が見つからないので、不正解です。
と考えると、選択肢2,3に絞ることができます。
7→4
7→3のどちらになるのかを考えてみましょう。
7のThat が何を指しているのかがポイントになるでしょう。
まずは4から見ていきましょう。
4であれば4の会話引用文を指すので、それが存在理由(being)だと述べている形になります。
特に大きな問題はなさそうです。
続いて、3を見てみると、3を入れるとare here to serveと存在理由を述べています。
こちらの方が良さそうです。
ここまでで3を選んでも良いのですが、念のため、他の部分も確認をしてみます。
選択肢3の文頭Andは追加なので、前に4の話が必要。
5番については、選択肢2のit is in fact の内容を言い換えている。
上記から選択肢3を選ぶことができます。
この問題形式の場合は、結構時間がかかる可能性があるので、
十分に対策をしていくと良いでしょう。
その他解答
(39) 2 (40) 5 (41) 1 (42) 6 (43) 1 (44) 3 (45) 1 (46) 4 (47) 5 (48) 2
慶應法の2023年に向けてどうすればよいか
それではここまで見てきた慶應法学部問題ですが、
来年度に向けて
どのような準備をしていけば良いのかを考えていきます。
慶應法学部で大事なのは、文構造を見抜く力と文法の理解力が必要です。
早慶は、長文がいっぱい出ているから・・・と言って
闇雲に長文問題ばかりをおこなっている人が多いのですが、、、
実際は、慶應法学部の問題は、
ここまで見てきたように文法問題が多いです。
もちろん、それだけでは足りなくて、
代名詞が何を指しているのか、
文章同士のつながりを見る力も非常に重要です。
特に会話問題や、
インタビュー問題、
整序問題でこれは力を発揮します。
記述模試で偏差値70程度取れる人であっても、
この辺の理解力はかなり乏しい場合が多いです。
日々、長文を読む上で気を付けていくようにしてきましょう。
もちろん、他学部同様、論を読む力は重要になってきます。
実際の今年の入試を使って、
論を読む際のポイントを見ていきましょう。
文構造に自信がない人向けにおすすめの教材をこちらであげています。
長文をどのように読むのか?
If you’re like most people in the U.S., you think that advertising has no influence. This is what advertisers want you to believe. But, if that were true, why would companies spend over 250,000 to produce an average television commercial and another $250,000 to air it?
この文章を読んで気づかなくてはならないのは、
3,4文目以降の仮定法の意味合いです。
Butがあり、
that were true とあり、
thatが前文を指しているわけで、
仮定法という前提から、
筆者は前文の内容が真実ではない
ということを言っていることがわかります。
この筆者の主張の部分と、
前文の一般論の部分を読み分けることができないと、
問題を読むことができないですし、
答えに辿り着くこともできません。
普段読む時はこのような部分の読み分けについても
意識してやっていくようにしてください。
このような小さな読解の積み重ねが慶應法学部の問題を正確に理解できるかどうか?ということにつながります。
来年度に向けて頑張ってください。
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