2017年慶應大学理工|過去問徹底研究 大問4
方針の立て方
(1)操作回数は高々2回のため,実際に書き出す方が早いと判断する.
(2)
(ヌ)については,特筆事項なし.
(ネ)については,具体的に満たすものをいくつか書き下してみることで,1と2と3のみを出す必要があることが分かる.ただし,3を必ず出さねばならないという前提を忘れないように気を付けること.「最大値がになる」のような問題ではこの解法は頻出かつ最速の解法なので押さえておくこと.
(3)
(ノ)については,「記録される数字が2種類で,かつ片方は1」という厳しい条件が課せられていることから,残りの1種類を虱潰しに考えつくせばよいと方針を立てる.
(ハ)については,素直に条件付き確率を計算することを試す.普通に計算できるため,後は極限の計算に持ち込めばよい.厳密な議論をすると長くなるが,本学部は穴埋め式答案のため,定性的な解法で答えを求めることで得点を稼ぎたい.
(4)
問題文の条件を満たすために,「回目に(1≦
≦
)の操作で初めて1が記録され,
回目(
≦
≦
)の操作で初めて4が記録される」という状況をまず考える.その後でとの取りうる値で総和を取れば良い.満たすものを「…」などを使って文字に書き起こしてみるとこの解法やとの取りうる値の範囲を特定できる.
解答例
(1)
ニ:
(2)
ヌ:
ネ:
(3)
ノ:
ハ:
(4)
ヒ:
解説
カードは全て区別する.
(1)
,
,
,
とこれらの中身を入れ替えた7組の取り出し方が題意を満たす.
……(答)
(2)
〇ヌについて
1,2,3,4のカードをそれぞれ1回ずつ引けば必要十分.
どの順番で取り出すかで4!通り.
……(答)
〇ネについて
1,2,3のカードを4回引き続ける必要がある.ただし,3のカードが出ない場合(1と2のカードしか出ない場合)は不適である.よって,求める確率は,
……(答)
(別解)
4回の操作の内,3のカードを何回取り出すかで場合分けする.
(ⅰ)3のカードを4回取り出す場合
3のカードのみを取り出し続ければいい.
(ⅱ)3のカードを3回取り出す場合
3以外のカードを何回目の操作で取り出すかで4通り.
3以外のカードは2か1のカードでなければならない.
(ⅲ)3のカードを2回取り出す場合
3以外のカードを何回目の操作で取り出すかで4C2通り.
(ⅳ)3のカードを1回取り出す場合
3のカードを何回目の操作で取り出すかで4通り.
以上(ⅰ)~(ⅳ)より,求める確率は,
……(答)
(3)
〇ノについて
1のカード以外のカードの数字について場合分けする.
(Ⅰ)もう1種類の数字が2の場合
1か2のカードのみを出し続ければ必要十分.ただし,1のみを回,または2のみを
回出すのは除外することに注意.
以下同様に,
(Ⅱ)もう1種類の数字が3の場合
(Ⅲ)もう1種類の数字が4の場合
以上(Ⅰ)~(Ⅲ)より,求める確率は,
……(答)
(別解)
少し遠回りになってしまいますが,以下のような別解も有効です.
(Ⅰ)もう1種類の数字が2の場合
1のカードを回(
)取り出すとき,
回の内,どの
回で1のカードを取り出すかで,
通りあるため,1のカードを
回取り出す確率は,
である.これをまで足し合わせれば,1と2のカードのみを出す確率となる.
(
二項定理)
(ⅱ)と(ⅲ)も同様に計算することができます.
〇ハについて
2種類の数字が何であるかについて場合分けする.前問の(Ⅰ)~(Ⅲ)に加えて,
(Ⅳ)2と3の場合
(Ⅴ)2と4の場合
(Ⅵ)3と4の場合
よって,操作をn回行った時点で,記録されている数が2種類である確率は,
ここで,が十分に大きいとき,分母は
が支配的となり,分子は
が支配的となるため(厳密な議論は補足を参照),
……(答)
(補足)
〇まず,が十分大きいとき,
が成り立つことを示す.
そのために,を示す.
ここで,を示す.
であるが,右の不等式はが十分に大きいときには成立する.
が十分に大きいとき,
となるから,
が示せる.
ところで,
である.
以上より,が十分に大きいとき,
〇次に,が十分大きいとき,
が成り立つことを示す.
次に,を示す.
であるが,最も右の不等式はが十分に大きいときには成立する.
以上より,が十分に大きいとき,
結局,が十分に大きいとき,
が成り立つといえる.
ここで,
より,はさみうちの原理から,
……(答)
(4)
回目
の操作で初めて1が記録され,
回目
の操作で初めて4が記録されるとする.この場合の確率は,
よって,求める確率は,
……(答)
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