偏差値30からの早慶圧勝の個別指導塾 HIRO ACADEMIA

偏差値30からの早慶圧勝の個別指導塾 HIRO ACADEMIA

  • 資料請求
  • カウンセリング

2017年慶應大学商学部|過去問徹底研究 大問4

2019.10.02

方針の立て方 (ⅰ) 全体的に,実際に題意を満たす取り出し方を考えることで方針を得られる.数字によって,玉の個数に偏り(例えば数字5の書かれた玉は1個しかないが,数字2の書かれた玉は3個ある)があるため,場合分けは玉に書かれた数字で行うのが良いだろうと考える. (ⅱ) 今度は個数の問題になっているた

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    (ⅰ)
    全体的に,実際に題意を満たす取り出し方を考えることで方針を得られる.数字によって,玉の個数に偏り(例えば数字5の書かれた玉は1個しかないが,数字2の書かれた玉は3個ある)があるため,場合分けは玉に書かれた数字で行うのが良いだろうと考える.

    (ⅱ)
    今度は個数の問題になっているため太郎が何個の玉を獲得するのかで場合分けを行う.

    (ⅲ)
    今度は色の問題になっているため,色で場合分けを行う.後半はやや解法が立てにくいが実際に題意を満たす場合を考えると,花子が4個獲得する必要があることや玉に書かれた数の和が15となるパターンが少ないことが分かり,虱潰し的に考えつくせば良いと判断できる.

    解説
    1回のゲームにおける玉の取り出し方の総数は,12\times11=132通り.
    (ⅰ)
    〇太郎が1個の玉を獲得する確率((40)~(42)について)
    題意を満たすには,太郎と花子が同じ数の書かれた玉を取り出せば必要十分.
    2人が1の書かれた玉を取り出し,題意を満たす場合の数は,3\times2=6通り.
    2人が2の書かれた玉を取り出し,題意を満たす場合の数は,3\times2=6通り.
    2人が3の書かれた玉を取り出し,題意を満たす場合の数は,3\times2=6通り.
    2人が4の書かれた玉を取り出し,題意を満たす場合の数は,2\times1=2通り.
    よって,題意を満たす場合の数は,6+6+6+2=20通り.
    よって,太郎が1個の玉を獲得する確率は,\frac{20}{132}=\frac{5}{33}……(答)
    〇花子が2個の玉を獲得する確率((43)~(46)について)
    題意を満たすには,太郎の取り出した玉の数より,花子の取り出した玉の数が大きければ必要十分.
    (Ⅰ)太郎が1の書かれた玉を取り出した場合(太郎がどの色を取り出すかで3通りある)
    題意を満たす花子の玉の取り出し方の場合の数は,9通り.
    (Ⅱ)太郎が2の書かれた玉を取り出した場合(太郎がどの色を取り出すかで3通りある)
    題意を満たす花子の玉の取り出し方の場合の数は,6通り.
    (Ⅲ)太郎が3の書かれた玉を取り出した場合(太郎がどの色を取り出すかで3通りある)
    題意を満たす花子の玉の取り出し方の場合の数は,3通り.
    (Ⅳ)太郎が4の書かれた玉を取り出した場合(太郎がどの色を取り出すかで2通りある)
    題意を満たす花子の玉の取り出し方の場合の数は,1通り.
    以上,(Ⅰ)~(Ⅳ)より,題意を満たす場合の数は,3\times9+3\times6+3\times3+2\times1=56通り.
    よって,花子が2個の玉を獲得する確率は,\frac{56}{132}=\frac{14}{33}……(答)
    \sum_{n=1}^{4}{np_n}((47)~(51)について)
    確率p_nは,「花子が2個の玉を獲得した」という条件のもとで,「玉に書かれた数の差の絶対値がnである」という事象が起こる条件付き確率である.
    (Ⅰ)花子が2個の玉を獲得し,かつ玉に書かれた数の差の絶対値が1である確率
    太郎と花子の取り出した玉に書かれている数字が\left(1,2\right),\left(2,3\right),\left(3,4\right),\left(4,5\right)のいずれかである場合の確率である.よって,確率は,
    \frac{3\times3+3\times3+3\times2+2\times1}{132}=\frac{13}{66}
    (Ⅱ)花子が2個の玉を獲得し,かつ玉に書かれた数の差の絶対値が2である確率
    太郎と花子の取り出した玉に書かれている数字が\left(1,3\right),\left(2,4\right),\left(3,5\right)のいずれかである場合の確率である.よって,確率は,
    \frac{3\times3+3\times2+3\times1}{132}=\frac{3}{22}
    (Ⅲ)花子が2個の玉を獲得し,かつ玉に書かれた数の差の絶対値が3である確率
    太郎と花子の取り出した玉に書かれている数字が\left(1,4\right),\left(2,5\right)のいずれかである場合の確率である.よって,確率は,
    \frac{3\times2+3\times1}{132}=\frac{3}{44}
    (Ⅳ)花子が2個の玉を獲得し,かつ玉に書かれた数の差の絶対値が4である確率
    太郎と花子の取り出した玉に書かれている数字が\left(1,5\right)である場合の確率である.よって,確率は,
    \frac{3\times1}{132}=\frac{1}{44}
    以上,(Ⅰ)~(Ⅳ)と,花子が2個の玉を獲得する確率は\frac{14}{33}であることから,
    p_1=\frac{\frac{13}{66}}{\frac{14}{33}}=\frac{33}{14}\cdot\frac{13}{66},p_2=\frac{\frac{3}{22}}{\frac{14}{33}}=\frac{33}{14}\cdot\frac{3}{22},p_3=\frac{\frac{3}{44}}{\frac{14}{33}}=\frac{33}{14}\cdot\frac{3}{44},p_4=\frac{\frac{1}{44}}{\frac{14}{33}}=\frac{33}{14}\cdot\frac{1}{44}
    となる.
    \therefore\sum_{n=1}^{4}{np_n}=1\cdot\frac{33}{14}\cdot\frac{13}{66}+2\cdot\frac{33}{14}\cdot\frac{3}{22}+3\cdot\frac{33}{14}\cdot\frac{3}{44}+4\cdot\frac{33}{14}\cdot\frac{1}{44}=\frac{33}{14}\left(\frac{13}{66}+\frac{3}{11}+\frac{9}{44}+\frac{1}{11}\right)=\frac{101}{56}……(答)

    (ⅱ)
    (Ⅰ)太郎が1個も玉を獲得しなかった場合
    題意を満たす取り出し方は存在しない.
    (Ⅱ)太郎が1個の玉を獲得した場合
    題意を満たす取り出し方は,「太郎が赤の1,2,3,4の玉いずれかを取り出し,かつ花子が同じ数字の玉を取り出す」である.この取り出し方の場合の数は,1\times2+1\times2+1\times2+1\times1=7通り.
    (Ⅲ)太郎が2個の玉を獲得した場合
    題意を満たす取り出し方の場合の数について考える.
    まず,色に関係なく太郎が2個の玉を獲得する場合の数は,3\times3+3\times6+2\times9+1\times11=56通り.
    次に太郎が2個の玉を獲得し,かつその2個の玉に赤玉がない場合の数は,2\times2+2\times4+1\times6=18通り.
    よって,太郎が2個の玉を獲得し,かつその中に少なくとも1個の赤玉が含まれている場合の数は,56-18=38通り.
    以上,(Ⅰ)~(Ⅲ)より,題意を満たす場合の数は,7+38=45通り.
    よって,求める確率は,
    \frac{45}{132}=\frac{15}{44}……(答)

    (ⅲ)
    〇太郎が2回とも同色の玉を取り出す確率((56)~(59)について)
    2回目に太郎が取り出しを行うと,太郎,花子合わせて3回取り出しを行ったことになる.この3回の玉の取り出し方の総数は12\times11\times10通り.
    (Ⅰ)太郎が2回とも赤玉を取り出す場合の数
    花子が赤玉を取り出さない場合,花子の取り出し方は7通りあるため,5\times7\times4=140通り.
    花子が赤玉を取り出す場合,5\times4\times3=60通り.
    \therefore140+60=200通り.
    (Ⅱ)太郎が2回とも青玉を取り出す場合の数
    花子が青玉を取り出さない場合,花子の取り出し方は8通りあるため,4\times8\times3=96通り.
    花子が青玉を取り出す場合,4\times3\times2=24通り.
    \therefore96+24=120通り.
    (Ⅲ)太郎が2回とも白玉を取り出す場合の数
    花子が白玉を取り出さない場合,花子の取り出し方は9通りあるため,3\times9\times2=54通り.
    花子が白玉を取り出す場合,3\times2\times1=6通り.
    \therefore54+6=60通り.
    以上,(Ⅰ)~(Ⅲ)より,題意を満たす場合の数は,200+120+60=380通り.
    よって,求める確率は,\frac{380}{12\times11\times10}=\frac{19}{66}……(答)

    〇花子が2回のゲームを通じて獲得した玉に書かれた数の和が15となる確率((60)~(63)について)
    2回のゲームにおける玉の取り出し方の総数は,12\times11\times10\times9通り.
    題意を満たすには花子は4個の玉を獲得せねばならない.なぜなら,3個の玉の数の和が最大となるのは3個の玉に書かれた数字が5,4,4のときであるが,和を計算すると13となり,15には届かないからである.
    4個の玉を獲得し,かつ4個の玉に書かれた数の和が15となるには,玉に書かれた数の組み合わせが\left\{5,4,4,2\right\},\left\{5,4,3,3\right\}の2パターンに限られる.
    (Ⅰ)玉に書かれた数の組み合わせが\left\{5,4,4,2\right\}の場合
    花子が4個の玉を獲得する取り出し方は,4,5,2,4か2,4,4,5の順番で玉が取り出されたとき.
    \therefore2\times1\times3\times1+3\times2\times1\times1=12通り.
    (Ⅱ)玉に書かれた数の組み合わせが\left\{5,4,3,3\right\}の場合
    花子が4個の玉を獲得する取り出し方は,3,4,3,5か3,5,3,4の順番で玉が取り出されたとき.
    \therefore3\times2\times2\times1+3\times1\times2\times2=24通り.
    以上,(Ⅰ)と(Ⅱ)より,題意を満たす取り出し方の総数は12+24=36通り.
    よって,求める確率は,\frac{36}{12\times11\times10\times9}=\frac{1}{330}……(答)

2017年慶應大学商学部|過去問徹底研究 大問3

2019.10.02

方針の立て方 (ⅰ)(ⅱ) 共通部分に関する問題であるから,「交わるならば連立」という基本事項に従い,共通部分に関する情報を求める. (ⅲ) 今度は共通部分が分かっていて,その元が分からない(求める)問題である.共通部分は直線(1次元)で,元の図形は平面(2次元)であるから,自由度を1増やせばよいと

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    (ⅰ)(ⅱ)
    共通部分に関する問題であるから,「交わるならば連立」という基本事項に従い,共通部分に関する情報を求める.

    (ⅲ)
    今度は共通部分が分かっていて,その元が分からない(求める)問題である.共通部分は直線(1次元)で,元の図形は平面(2次元)であるから,自由度を1増やせばよいと考える.

    解答例
    (ⅰ)
    (19)4
    (20)2
    (21)8
    (22)5

    (ⅱ)
    (23)0
    (24)(25)-4
    (26)(27)-3
    (28)(29)-2
    (30)(31)(32)-20
    (33)(34)(35)-13
    (36)2
    (37)(38)12
    (39)7

    (ⅲ)
    (ウ)5y-8z-4
    (エ)5x-z-3

    解説
    (ⅰ)
    平面\pi_1と平面\pi_2の交線lは,実数パラメーターtを用いると,
    \begin{cases} x-2y+3z+1=0 \\ 3x+4y-7z-5=0 \end{cases}\Leftrightarrow\left(x,y,z\right)=\left(t,8t-4,5t-3\right)
    と表せる.
    よって,交線lは,\left(1,4,2\right)を通り(t=1を代入),方向ベクトルは\left(1,8,5\right)である直線.
    \therefore\begin{cases} \vec{p_0}=\left(1,4,2\right) \\ \vec{v}=\left(1,8,5\right) \end{cases}……(答)

    (ⅱ)
    球面Sの半径をrとおく.すると,球面Sの方程式は\left(x-2\right)^2+\left(y+8\right)^2+\left(z-3\right)^2=r^2と表せる.
    〇球面Sと直線lが1点のみを共有するとき((23)~(27)について)
    球面S\colon\left(x-2\right)^2+\left(y+8\right)^2+\left(z-3\right)^2=r^2と交線l\colon\left(x,y,z\right)=\left(t,8t-4,5t-3\right)の共有点が1つのみとなるには,以下のtに関する2次方程式
    \left(t-2\right)^2+\left(8t-4+8\right)^2+\left(5t-3-3\right)^2=r^2\Leftrightarrow90t^2+56-r^2=0
    がただ一つの実数解(重解)となれば必要十分.
    \therefore56-r^2=0\Leftrightarrow r=2\sqrt{14}
    のときで,そのときt=0
    よって,共有点の座標は,\left(0,8\cdot0-4,5\cdot0-3\right)=\left(0,-4,-3\right)……(答)
    〇球面Sと直線lが1点のみを共有するとき((23)~(27)について)
    球面S\colon\left(x-2\right)^2+\left(y+8\right)^2+\left(z-3\right)^2=r^2と交線l\colon\left(x,y,z\right)=\left(t,8t-4,5t-3\right)の共有点が1つのみとなるには,以下のtに関する2次方程式
    \left(t-2\right)^2+\left(8t-4+8\right)^2+\left(5t-3-3\right)^2=r^2\Leftrightarrow90t^2+56-r^2=0
    が相異なる2つの実数解を持てば必要十分.
    \therefore56-r^2<0\Leftrightarrow2\sqrt{14}<r
    のときで,そのときt=\pm\frac{1}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}
    よって,2つの共有点の座標は,\left(\pm\frac{1}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}},\pm\frac{8}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}-4,\pm\frac{5}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}-3\right)である(複号同順).
    この2点の距離は,
    \sqrt{\left(\frac{2}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}\right)^2+\left(\frac{16}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}\right)^2+\left(\frac{10}{3}\sqrt{\frac{r^2-56}{10}}\right)^2}=2\sqrt{r^2-56}
    よって,点\mathrm{A}と直線lの距離は,三平方の定理より,
    \sqrt{r^2-\left(\sqrt{r^2-56}\right)^2}=2\sqrt{14}
    である.これより,2つの共有点と点\mathrm{A}を頂点とする三角形の面積は,
    \frac{1}{2}\cdot2\sqrt{r^2-56}\cdot2\sqrt{14}=2\sqrt{14\left(r^2-56\right)}
    となる.これが24\sqrt{35}であるとき,
    2\sqrt{14\left(r^2-56\right)}=24\sqrt{35}\Leftrightarrow\sqrt{r^2-56}=6\sqrt{10}
    となる.
    \therefore t=\pm\frac{1}{3}\cdot\frac{6\sqrt{10}}{\sqrt{10}}=\pm2
    よって,求める共有点の座標は,
    \left(t,8t-4,5t-3\right)=\left(-2,-20,-13\right),\left(2,12,7\right)……(答)

    (ⅲ)
    平面\pi_3は面内に直線lを含み,かつx依存性がないため,\left(y,z\right)=\left(8t-4,5t-3\right)\Leftrightarrow5y-8z-4=0……(答)
    同様に,平面\pi_4は面内に直線lを含み,かつy依存性がないため,\left(x,z\right)=\left(t,5t-3\right)\Leftrightarrow5x-z-3=0……(答)

2017年慶應大学商学部|過去問徹底研究 大問2

2019.10.02

方針の立て方 (ⅰ) 二次関数の最小問題であり,特筆事項なし. (ⅱ) 計算するだけ.特筆事項なし. (ⅲ) 不等式の証明は(大きい方)-(小さい方)が0より大きくなる(あるいは0以上となる)ことを示すという典型的な解法を取る.つまり,を考察する.これが0より大きくなれば証明終了であるから,を小さく

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    (ⅰ)
    二次関数の最小問題であり,特筆事項なし.

    (ⅱ)
    計算するだけ.特筆事項なし.

    (ⅲ)
    不等式の証明は(大きい方)-(小さい方)が0より大きくなる(あるいは0以上となる)ことを示すという典型的な解法を取る.つまり,c\left(x_1\right)+c\left(x_2\right)-c\left(x_1+x_2\right)を考察する.これが0より大きくなれば証明終了であるから,c\left(x_1\right)+c\left(x_2\right)-c\left(x_1+x_2\right)を小さく評価していく.a\left(x\right)の単調減少の性質を使うには,c\left(x\right)の情報をa\left(x\right)に変換する必要があるため,a\left(x\right)=\frac{c\left(x\right)}{x}\Leftrightarrow c\left(x\right)=xa\left(x\right)を用いる.

    (ⅳ)
    「節約される費用」はどのようにして数式化すればいいかを考える.すると(買収前の製造費用)-(買収後の製造費用)で求められると分かり,これを用いて数式化すればよい.

    解答例
    (ⅰ)
    (14)4
    (15)6

    (ⅱ)
    (16)(17)(18)\frac{76}{9}

    (ⅲ)
    (ア)
    c\left(x_1\right)+c\left(x_2\right)-c\left(x_1+x_2\right)=x_1a\left(x_1\right)+x_2a\left(x_2\right)-\left(x_1+x_2\right)a\left(x_1+x_2\right)
    ここで,0<x_1<x_1+x_2\leqq\bar{x}であるから,a\left(x_1+x_2\right)<a\left(x_1\right)であり,同様に,0<x_2<x_1+x_2\leqq\bar{x}であることからa\left(x_1+x_2\right)<a\left(x_2\right)が言える.
    \therefore x_1a\left(x_1\right)+x_2a\left(x_2\right)-\left(x_1+x_2\right)a\left(x_1+x_2\right)>x_1a\left(x_1+x_2\right)+x_2a\left(x_1+x_2\right)-\left(x_1+x_2\right)a\left(x_1+x_2\right)=0
    よって,
    c\left(x_1\right)+c\left(x_2\right)-c\left(x_1+x_2\right)>0\Leftrightarrow c\left(x_1+x_2\right)<c\left(x_1\right)+c\left(x_2\right)
    証明終了.

    (ⅳ)
    (イ)8-u_1-u_2

    解説
    (ⅰ)
    m\left(x\right)=x^2-8x+17=\left(x-4\right)^2+1
    よってm\left(x\right)を最小にするxx=4
    \therefore x_m=4……(答)
    c\left(x\right)m\left(x\right)の原始関数であるから,
    c\left(x\right)=\int m\left(x\right)dx=\frac{1}{3}x^3-4x^2+17x+C (Cは積分定数)
    となる.c\left(0\right)=0より,積分定数はC=0である.
    \therefore a\left(x\right)=\frac{\frac{1}{3}x^3-4x^2+17x}{x}=\frac{1}{3}x^2-4x+17=\frac{1}{3}\left(x-6\right)^2+5
    よって,a\left(x\right)を最小にするxx=6
    \therefore x_a=6……(答)

    (ⅱ)
    \int_{x_m}^{x_a+1}\left|m\left(x\right)-a\left(x\right)\right|dx=\int_{4}^{7}\left|x^2-8x+17-\left(\frac{1}{3}x^2-4x+17\right)\right|dx=\int_{4}^{7}\left|\frac{2}{3}x\left(x-6\right)\right|dx=\int_{4}^{6}\left\{-\frac{2}{3}x\left(x-6\right)\right\}dx+\int_{6}^{7}{\frac{2}{3}x\left(x-6\right)}dx=\left[2x^2-\frac{2}{9}x^3\right]_4^6+\left[\frac{2}{9}x^3-2x^2\right]_6^7=\frac{76}{9}……(答)

    (ⅳ)
    式①が仮定されている場合,c\left(x\right)=\frac{1}{3}x^3-4x^2+17xである.
    買収前における,商品\mathrm{P}_\mathrm{A}の製造費用はc\left(u_1\right)=\frac{1}{3}{u_1}^3-4{u_1}^2+17u_1であり,商品\mathrm{P}_\mathrm{B}の製造費用はc\left(u_2\right)=\frac{1}{3}{u_2}^3-4{u_2}^2+17u_2である.よって,買収前での両社合わせた製造費用はc\left(u_1\right)+c\left(u_2\right)=\frac{1}{3}{u_1}^3-4{u_1}^2+17u_1+\frac{1}{3}{u_2}^3-4{u_2}^2+17u_2となる.
    製造後における,商品\mathrm{P}_\mathrm{A}の製造費用は,製造量がu_1+u_2となることよりc\left(u_1+u_2\right)=\frac{1}{3}\left(u_1+u_2\right)^3-4\left(u_1+u_2\right)^2+17\left(u_1+u_2\right)となる.
    よって,節約される費用は,
    c\left(u_1\right)+c\left(u_2\right)-c\left(u_1+u_2\right)=\frac{1}{3}{u_1}^3-4{u_1}^2+17u_1+\frac{1}{3}{u_2}^3-4{u_2}^2+17u_2-\left\{\frac{1}{3}\left(u_1+u_2\right)^3-4\left(u_1+u_2\right)^2+17\left(u_1+u_2\right)\right\}=u_1u_2\left(8-u_1-u_2\right)……(答)

2017年慶應大学商学部|過去問徹底研究 大問1

2019.10.02

方針の立て方 (ⅰ) にはとが混じっているため,これを一つの三角関数にまとめることを考える.すると,三角関数の合成という解法が立つ. (ⅱ) 実際にを求めてみて,その導出過程をで一般化すれば良い.数列の問題はいきなり抽象的なで計算するのではなく,最初はなどの小さい値でやってみると,解法が得やすい.漸

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    (ⅰ)
    f\left(x\right)には\cos{x}\sin{x}が混じっているため,これを一つの三角関数にまとめることを考える.すると,三角関数の合成という解法が立つ.

    (ⅱ)
    実際にa_2,a_3,\cdots\cdotsを求めてみて,その導出過程をnで一般化すれば良い.数列の問題はいきなり抽象的なnで計算するのではなく,最初はn=1,2などの小さい値でやってみると,解法が得やすい.漸化式が求まってしまえば,後は一般項に直して,問題文に沿って素直に不等式を立てれば良い.
    (余談だが,この問題はニュートン法を題材にした問題である.)

    解答例
    (ⅰ)
    (1)(2)(3)\frac{11}{6}
    (4)(5)13
    (6)(7)\frac{5}{6}
    (8)(9)-3

    (ⅱ)
    (10)(11)\frac{4}{5}
    (12)(13)25

    解説
    (ⅰ)
    三角関数の合成公式を用いれば,
    f\left(x\right)=4\sqrt3\cos{x}-4\sin{x}+5=8\sin{\left(x+\frac{2}{3}\pi\right)}+5
    である.0\leqq x <2\pi\Leftrightarrow\frac{2}{3}\pi\leqq x+\frac{2}{3}\pi<\frac{8}{3}\piであるから,x+\frac{2}{3}\pi=\frac{5}{2}\pi\Leftrightarrow x=\frac{11}{6}\piで最大値8+5=13を取り,x+\frac{2}{3}\pi=\frac{3}{2}\pi\Leftrightarrow x=\frac{5}{6}\piで最小値-8+5=-3を取る.
    まとめると,

    (ⅱ)
    a_nは帰納的に正である.つまり,0<a_n
    y^\prime=5x^4より,点\left(a_n,{a_n}^5\right)での接線の方程式はy=5{a_n}^4x-4{a_n}^5となる.これとx軸(y=0)との交点のx座標がa_{n+1}のため,
    0=5{a_n}^4a_{n+1}-4{a_n}^5
    となる.0<a_nに注意してこれを解くと,
    a_{n+1}=\frac{4}{5}a_n……(答)
    この漸化式を解く.a_nは初項a_1=1,公比\frac{4}{5}の等比数列であるから,一般項a_n
    a_n=1\cdot\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}=\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}
    となる.
    \therefore a_n-a_{n+1}=\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}-\left(\frac{4}{5}\right)^n=\frac{1}{5}\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}
    よって,a_n-a_{n+1}\frac{1}{1000}以下であるには,
    \frac{1}{5}\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}\leqq\frac{1}{1000}\Leftrightarrow\log_{10}{\left\{\frac{1}{5}\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}\right\}}\leqq\log_{10}{\frac{1}{1000}}……(*)
    であれば必要十分.
    \log_{10}{\left\{\frac{1}{5}\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}\right\}}=\log_{10}{\frac{1}{5}}+\log_{10}{\left(\frac{4}{5}\right)^{n-1}}=\log_{10}{\frac{2}{10}}+\left(n-1\right)\log_{10}{\frac{8}{10}}=\log_{10}{2}-1+\left(n-1\right)\left(3\log_{10}{2}-1\right)
    \log_{10}{\frac{1}{1000}}=\log_{10}{{10}^{-3}}=-3
    より,(*)は
    \log_{10}{2}-1+\left(n-1\right)\left(3\log_{10}{2}-1\right)\leqq-3\Leftrightarrow n\geqq\frac{2+\log_{10}{2}}{1-3\log_{10}{2}}+1=\frac{2+0.3010}{1-3\times0.3010}+1=24.7\cdots\cdots
    となる.よって,求める自然数nの最小値は,n=25……(答)

2016年早稲田大学商学部|過去問徹底研究 大問3

2019.09.30

方針の立て方 簡単にでも作図をすることで題意とつかめ,方針も得られる. (1) 基本問題であるため,特筆事項はない.角度に関する情報が何も問題文で与えられていないため,余弦定理を用いて角度の情報を得ることを考える. (2) 実際に作図することで,全ての三角形が合同であることが分かる.これを利用すると

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    簡単にでも作図をすることで題意とつかめ,方針も得られる.
    (1)
    基本問題であるため,特筆事項はない.角度に関する情報が何も問題文で与えられていないため,余弦定理を用いて角度の情報を得ることを考える.
    (2)
    実際に作図することで,全ての三角形が合同であることが分かる.これを利用すると,\triangle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{2}に着目するのが有効だと分かる.後は余弦定理を用いればよいので,余弦定理に必要な\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{2}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}}の情報を求める問題に帰着できる.(※\triangle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{2}は二等辺三角形であるから,頂角の二等分線を引くことで求める解法も使える.)
    (3)
    これも試しに\mathrm{A}_\mathrm{3}まで作図してみると,本解答の図のように,ジグザグになっていることが分かる.

    解答例
    (1)

    左図のように,線分\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1と直線\mathrm{C}_0\mathrm{B}_0の交点を\mathrm{A}_\mathrm{H}とする.すると,
    \mathrm{A}_0\mathrm{A}_\mathrm{H}=\mathrm{A}_0\mathrm{C}_0\sin{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}
    である.\mathrm{\triangle}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}に余弦定理を用いると,
    {\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}^2={{\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A} }_\mathrm{0}}^2+{\mathrm{B}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}}^2-2\cdot{\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A} }_\mathrm{0}\cdot{\mathrm{B}_\mathrm{0}\mathrm{C} }_\mathrm{0}\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}\bigm\Leftrightarrow5^2=8^2+7^2-2\cdot8\cdot7\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}\Leftrightarrow\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}=\frac{11}{14}
    であるから,\sin{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}=\frac{5\sqrt3}{14}
    \therefore\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{H}=8\cdot\frac{5\sqrt3}{14}=\frac{20\sqrt3}{7}
    \therefore\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}=2\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{H}=2\cdot\frac{20\sqrt3}{7}=\frac{40\sqrt3}{7}……(答)

    (2)

    左図で全ての三角形は合同である.
    よって,\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}=\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{2}=\frac{40\sqrt3}{7}である.
    また,\angle\mathrm{B}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{2}=\angle\mathrm{B}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}より,
    \angle\mathrm{A}_\mathrm{2}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}=\angle\mathrm{B}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{B}_\mathrm{0}=2\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{B}_\mathrm{0}=2\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}
    である.よって,
    \cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{2}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}}=\cos{2\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}=1-2{\mathrm{sin}}^2\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}
    ここで,\triangle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}に正弦定理を用いると,
    \frac{\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}{\sin{\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}}=\frac{\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}{\sin{\angle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}}\Longleftrightarrow\frac{7}{\sin{\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}}=\frac{5}{\frac{5\sqrt3}{14}}\Leftrightarrow\sin{\angle\mathrm{C}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{B}_\mathrm{0}}=\frac{\sqrt3}{2}
    \therefore\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{2}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}}=1-2\left(\frac{\sqrt3}{2}\right)^2=-\frac{1}{2}
    よって,\triangle\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{2}に余弦定理を用いると,
    {\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}}^2={\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}}^2+{\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}}^2-2\cdot\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}\cdot\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}\cos{\angle\mathrm{A}_\mathrm{2}\mathrm{A}_\mathrm{1}\mathrm{A}_\mathrm{0}}\bigm\Leftrightarrow{\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}}^2=\left(\frac{40\sqrt3}{7}\right)^2+\left(\frac{40\sqrt3}{7}\right)^2-2\cdot\frac{40\sqrt3}{7}\cdot\frac{40\sqrt3}{7}\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)\Leftrightarrow\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}=\frac{120}{7}……(答)

    (3)
    前問と同様に考えると,

    上図のようになる.
    \therefore\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_{\mathrm{2016}}=\frac{2016}{2}\cdot\mathrm{A}_\mathrm{0}\mathrm{A}_\mathrm{2}=17280……(答)

2016年早稲田大学商学部|過去問徹底研究 大問2

2019.09.30

方針の立て方 実際に図形を描いて試してみると題意をつかみやすい.問題文の通りに考えると,「を決めると線分が決まり,を変数(はによって定まる)としてを考えることができる」ということである.を考えるときには,は定数扱いする. (1) はによって定まるので,は実質の一変数関数(2次関数)となる.後は2次関

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    実際に図形を描いて試してみると題意をつかみやすい.問題文の通りに考えると,「\alpha,\betaを決めると線分\mathrm{P}_1\mathrm{P}_2が決まり,aを変数(baによって定まる)としてS\left(a,b\right)を考えることができる」ということである.S\left(a,b\right)を考えるときには,\alpha,\betaは定数扱いする.
    (1)
    baによって定まるので,S\left(a,b\right)は実質aの一変数関数(2次関数)となる.後は2次関数の最大値問題を解く解法を取ればよい.
    M\left(\alpha,\beta\right)は,引数からも分かるように\alpha,\betaの関数である.よって,M\left(\alpha,\beta\right)について考えるときには,変数は\alpha,\betaである.
    (2)
    まずは指定されている条件を\alpha,\betaの式で書き直すこと.そうすれば,以下では\alpha,\betaを変数で扱うと都合がいいことが分かる(書き直した条件:\beta=\alpha+1より,実質変数は\alphaのみとなる).後は,存在範囲を考えれば良い.典型的な一文字固定法の考え方で解こうとすると,-1\leqq k\leqq00\leqq k\leqq1のときで場合分けが必要になることが分かる.後は,それぞれで場合分けをして考えていく.図形で考えたときにS\left(a,b\right)がどういう意味を持つのかを考えよう.

    解答例
    (1)
    線分\mathrm{P}_1\mathrm{P}_2:y=\left(\alpha+\beta\right)x-\alpha\beta (\alpha\leqq x\leqq\beta)
    \mathrm{P}\left(a,b\right)を代入して,
    b=\left(\alpha+\beta\right)a-\alpha\beta (\alpha\leqq a\leqq\beta)
    \therefore S\left(a,b\right)=b-a^2=\left(\alpha+\beta\right)a-\alpha\beta-a^2=-\left(a-\frac{\alpha+\beta}{2}\right)^2+\frac{\left(\beta-\alpha\right)^2}{4}\leqq\frac{\left(\beta-\alpha\right)^2}{4}
    等号成立はa=\frac{\alpha+\beta}{2}のときであり,これは\mathrm{P}_1\mathrm{P}_2の中点であり,適当である.
    \therefore M\left(\alpha,\beta\right)=\frac{\left(\beta-\alpha\right)^2}{4}……(答)

    (2)
    ⅰ)を満たすには,
    \frac{\left(\beta-\alpha\right)^2}{4}=\frac{1}{4}
    であれば必要十分.\beta-\alpha>0に注意して解くと,
    \beta-\alpha=1\Leftrightarrow\beta=\alpha+1
    ⅱ)を満たすには,
    \left|\alpha+\beta\right|\leqq1
    これらを図示すると,

    つまり,
    \begin{cases} \beta=\alpha+1 \\ -1\leqq\alpha\leqq0 \end{cases}
    さて,考えている存在範囲のx座標の範囲は-1\leqq\alpha\leqq x\leqq\beta=\alpha+1\leqq1より,-1\leqq x\leqq1である.そこで,考えている存在範囲のx=k\left(-1\leqq k\leqq1\right)でのy座標の最大値と最小値の差を求める.これを求めるには,\alpha,\betaを変数として,S\left(k,b\right)の最大値と最小値を考えれば良い.ここで,
    S\left(k,b\right)=\left(\alpha+\beta\right)k-\alpha\beta-k^2=\left(2\alpha+1\right)k-\alpha\left(\alpha+1\right)-k^2=-\left(\alpha-\frac{2k-1}{2}\right)^2+\frac{1}{4}
    である.
    -1\leqq k\leqq0のとき
    -1\leqq\alpha\leqq kの範囲を考えれば必要十分.

    \frac{2k-1}{2}<kはいつでも成り立つ.
    ①の場合\left(\frac{2k-1}{2}\leqq-1\Leftrightarrow k\leqq-\frac{1}{2}\right)
    0=\left.S\left(k,b\right)\right|_{\alpha=k}\leqq S\left(k,b\right)\leqq\left.S\left(a,b\right)\right|_{\alpha=-1}=-k^2-k
    ②の場合\left(-1\leqq\frac{2k-1}{2}\Leftrightarrow-\frac{1}{2}\leqq k\right)
    0=\left.S\left(k,b\right)\right|_{\alpha=k}\leqq S\left(k,b\right)\leqq\left.S\left(a,b\right)\right|_{\alpha=\frac{2k-1}{2}}=\frac{1}{4}
    0\leqq k\leqq1のとき,
    k\leqq\beta\leqq1\Leftrightarrow k-1\leqq\alpha\leqq0の範囲を考えれば必要十分.

    k-1<\frac{2k-1}{2}はいつでも成り立つ.
    ①の場合\left(0\leqq\frac{2k-1}{2}\Leftrightarrow\frac{1}{2}\leqq k\right)
    0=\left.S\left(k,b\right)\right|_{\alpha=k-1}\leqq S\left(k,b\right)\leqq\left.S\left(a,b\right)\right|_{\alpha=0}=-k^2+k
    ②の場合\left(\frac{2k-1}{2}\leqq0\Leftrightarrow k\leqq\frac{1}{2}\right)
    0=\left.S\left(k,b\right)\right|_{\alpha=k-1}\leqq S\left(k,b\right)\leqq\left.S\left(a,b\right)\right|_{\alpha=\frac{2k-1}{2}}=\frac{1}{4}
    以上より,求める面積は,
    \int_{-1}^{-\frac{1}{2}}\left(-k^2-k\right)dk+\int_{-\frac{1}{2}}^{0}\frac{1}{4}dk+\int_{0}^{\frac{1}{2}}\frac{1}{4}dk+\int_{\frac{1}{2}}^{1}\left(-k^2+k\right)dk=\left[-\frac{1}{3}k^3-\frac{1}{2}k^2\right]_{-1}^{-\frac{1}{2}}+\left[\frac{1}{4}k\right]_{-\frac{1}{2}}^0+\left[\frac{1}{4}k\right]_0^{\frac{1}{2}}+\left[-\frac{1}{3}k^3+\frac{1}{2}k^2\right]_{\frac{1}{2}}^1=\frac{5}{12}……(答)

2016年早稲田大学商学部|過去問徹底研究 大問1

2019.09.30

方針の立て方 (1) 典型問題であり,特筆事項なし. (2) 代数方程式の有理数解に着目していることから解法を得る. (3) 実際に考えてみることで解法を得る.ただし,を正2016角形で考えるのは難しいため,正4角形や,正5角形,正6角形などで考えてみる.そうすると,約数の問題であることに気付ける.

  • …続きを読む
  • 方針の立て方
    (1)
    典型問題であり,特筆事項なし.

    (2)
    代数方程式の有理数解に着目していることから解法を得る.

    (3)
    実際に考えてみることで解法を得る.ただし,Pを正2016角形で考えるのは難しいため,正4角形や,正5角形,正6角形などで考えてみる.そうすると,約数の問題であることに気付ける.

    (4)
    最初の式のままでは考えづらいため,変形を試みる.そこで,積和の公式を使って,三角関数の積の形を和の形に直す.
    本問に限らず,数学では,和から積への変形,積から和への変形をすることで解法が見えることが多いため,困ったときにはこのような変形をとりあえず試みることを心がけよう.

    解答例
    (1)ア:1024
    (2)イ:5
    (3)ウ:3528
    (4)エ:-1008

    解説
    (1)
    合同式の法は全部2016とする.
    2^{11}=2048\equiv32=2^5
    である.
    \therefore2^{100}=2\cdot\left(2^{11}\right)^9\equiv2\cdot\left(2^5\right)^9=2^2\cdot\left(2^{11}\right)^4≡22⋅254=2112≡252=1024……(答)

    (2)
    有理数解は全て

    の形で表せる.よって,1以上の有理数解の候補は,1,\frac{3}{2},3である.
    (ⅰ)x=1が解になると仮定して,方程式に代入すると
    2\cdot1^3-a\cdot1^2+b\cdot1+3=0\Leftrightarrow a=5+b\geqq5+1=6
    (ⅱ)x=\frac{3}{2}が解になると仮定して,方程式に代入すると
    2\cdot\left(\frac{3}{2}\right)^3-a\cdot\left(\frac{3}{2}\right)^2+b\cdot\frac{3}{2}+3=0\Leftrightarrow a=\frac{2b+13}{3}\geqq\frac{2\cdot1+13}{3}=5
    (ⅱ)x=3が解になると仮定して,方程式に代入すると
    2\cdot3^3-a\cdot3^2+b\cdot3+3=0\Leftrightarrow a=\frac{b+19}{3}\geqq\frac{1+19}{3}=\frac{20}{3}
    以上(ⅰ)~(ⅲ)より,求めるaの最小値は,5……(答)

    (3)
    2016の任意の約数をaとする.
    Pの頂点を結ぶことで作ることができる正多角形は,正a角形(a=1,2を除く)のみである.
    a角形の作り方は\frac{2016}{a}通りあるが,\frac{2016}{a}も2016の約数となる.
    よって,求める個数は,2016の約数の和から,a=1,2のときの分\frac{2016}{a}=2016,1008を除いた個数となる.2016=2^5\cdot3^2\cdot7より,2016の約数の和は,
    \sum_{z=0}^{1}\sum_{y=0}^{2}\sum_{x=0}^{5}{2^x\cdot3^y\cdot7^z}=\left(7^0+7^1\right)\left(3^0+3^1+3^2\right)\left(2^0+2^1+2^2+2^3+2^4+2^5\right)=8\cdot13\cdot63=6552
    よって,求める個数は,
    6552-2016-1008=3528個……(答)

    (4)
    \left(\sum_{k=1}^{2016}{k\sin{\frac{\left(2k-1\right)\pi}{2016}}}\right)\sin{\frac{\pi}{2016}}=\sum_{k=1}^{2016}\left\{k\sin{\frac{\left(2k-1\right)\pi}{2016}}\sin{\frac{\pi}{2016}}\right\}
    ここで,積和の公式より,
    \sin{\frac{\left(2k-1\right)\pi}{2016}}\sin{\frac{\pi}{2016}}=\frac{1}{2}\left\{\cos{\frac{\left(k-1\right)\pi}{1008}}-\cos{\frac{k\pi}{1008}}\right\}
    であるから,
    \sum_{k=1}^{2016}\left\{k\sin{\frac{\left(2k-1\right)\pi}{2016}}\sin{\frac{\pi}{2016}}\right\}=\sum_{k=1}^{2016}\left\{\frac{k}{2}\cos{\frac{\left(k-1\right)\pi}{1008}}-\frac{k}{2}\cos{\frac{k\pi}{1008}}\right\}=\left(\frac{1}{2}\cos{\frac{0}{1008}}-\frac{1}{2}\cos{\frac{\pi}{1008}}\right)+\left(\frac{2}{2}\cos{\frac{\pi}{1008}}-\frac{2}{2}\cos{\frac{2\pi}{1008}}\right)+\left(\frac{3}{2}\cos{\frac{2\pi}{1008}}-\frac{3}{2}\cos{\frac{3\pi}{1008}}\right)+\cdots\cdots+\left(\frac{2016}{2}\cos{\frac{2015\pi}{1008}}-\frac{2016}{2}\cos{\frac{2016\pi}{1008}}\right)=\frac{1}{2}\left(\cos{\frac{0}{1008}}+\cos{\frac{\pi}{1008}}+\cos{\frac{2\pi}{1008}}+\cdots\cdots+\cos{\frac{2015\pi}{1008}}\right)-1008\cos{2\pi}
    S=\cos{\frac{0}{1008}}+\cos{\frac{\pi}{1008}}+\cos{\frac{2\pi}{1008}}+\cdots\cdots+\cos{\frac{2015\pi}{1008}}とおくと,

    上図のように,単位円上では左右対称であるため,項が全て相殺し,0となる.
    \therefore S=0
    よって,
    \sum_{k=1}^{2016}\left\{k\sin{\frac{\left(2k-1\right)\pi}{2016}}\sin{\frac{\pi}{2016}}\right\}=-1008\cos{2\pi}=-1008……(答)

2017年早稲田大学商学部|過去問徹底研究 大問2

2019.09.27

方針の立て方 (1) ガウス記号に関する重要な性質:を使うだけ.ガウス記号は文系数学頻出のテーマのため,この重要な性質とともに覚えておこう. (2) 前問を一般化したもの(前問は本問ののパターンである)であることに気付きたい.入試数学では,まず具体的なパターンでやらせ,その次の問題で一般化するという

  • …続きを読む
  • 方針の立て方

    (1)
    ガウス記号に関する重要な性質:\left[x\right]=n\Leftrightarrow n\leqq x<n+1を使うだけ.ガウス記号は文系数学頻出のテーマのため,この重要な性質とともに覚えておこう.

    (2)
    前問を一般化したもの(前問は本問のp_n=2のパターンである)であることに気付きたい.入試数学では,まず具体的なパターンでやらせ,その次の問題で一般化するという出題形式が多い.一般化されると途端に難しくなったと感じがちだが,前問と同じように処理していけばよい.つまり,\left[x\right]=n\Leftrightarrow n\leqq x<n+1を使って変形し,その範囲で{p_n}^2の倍数であるnを拾い上げていけばよい.ただし,前問ではnに制限がないが,本問では制限がついてしまっていることに注意.

    (3)
    前問の議論で,p_n=1p_n=2,34\leqq p_n\leqq99p_n=100で場合分けしたので,本問でもこれと同様に場合分けして考えればよい.

    解答例

    (1)
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=2\Leftrightarrow2\leqq\sqrt[3]{n}<3\Leftrightarrow2^3\leqq n<3^3\Leftrightarrow8\leqq n<27
    である.この範囲で4の倍数となるものが答えである.
    \therefore n=8,12,16,20,24……(答)

    (2)
    nの値に制限がない場合,
    \left[\sqrt[3]{n}\right]=p_n\Leftrightarrow p_n\leqq\sqrt[3]{n}<p_n+1\Leftrightarrow{p_n}^3\leqq n<\left(p_n+1\right)^3\Leftrightarrow{p_n}^3\leqq n<{p_n}^3+3{p_n}^2+3p_n+1
    となる.この範囲に,{p_n}^2の倍数であるnは,
    n={p_n}^3,{p_n}^3+{p_n}^2,{p_n}^3+2{p_n}^2,\cdots\cdots,{p_n}^3+k{p_n}^2
    k+1個ある.ここで,kは,{p_n}^3+k{p_n}^2\leqq{p_n}^3+3{p_n}^2+3p_n\Leftrightarrow k\leqq3+\frac{3}{p_n}を満たす最大の自然数である.つまり,p_n=1ならばk=6,p_n=2,3ならばk=4,p_n\geqq4ならばk=3である.
    今はn\leqq{10}^6という制限があるが,{p_n}^3+3{p_n}^2+3p_n+1\leqq{10}^6\Leftrightarrow\left(p_n+1\right)^3\leqq{10}^6\Leftrightarrow p_n\leqq99までは上記の議論が使える.
    さて,n\leqq{10}^6よりp_n\leqq\left[\sqrt[3]{{10}^6}\right]=\left[100\right]=100であるから,p_n=100のときを別個で考えれば必要十分.
    p_n=100となるnn={10}^6のみであるから,{p_n}^2={100}^2の倍数であるnn={10}^6の1個のみ.
    よって,求める個数は,
    \left(6+1\right)+\left(4+1\right)+\left(4+1\right)+\left(3+1\right)\cdot96+1=402個……(答)

    (3)
    前問の議論より,
    (Ⅰ)p_n=1のとき
    {p_n}^2=1の倍数であるnは,
    n={p_n}^3,{p_n}^3+{p_n}^2,{p_n}^3+2{p_n}^2,\cdots\cdots,{p_n}^3+6{p_n}^2=1,2,3,4,5,6,7
    である.これらをp_n\left(p_n+1\right)=2で割った余りは,順番に1,0,1,0,1,0,1である.
    (Ⅱ)p_n=2のとき
    {p_n}^2=4の倍数であるnは,
    n={p_n}^3,{p_n}^3+{p_n}^2,{p_n}^3+2{p_n}^2,\cdots\cdots,{p_n}^3+4{p_n}^2=8,12,16,20,24
    である.これらをp_n\left(p_n+1\right)=6で割った余りは,順番に2,0,4,2,0である.
    (Ⅲ)p_n=3のとき
    {p_n}^2=9の倍数であるnは,
    n={p_n}^3,{p_n}^3+{p_n}^2,{p_n}^3+2{p_n}^2,\cdots\cdots,{p_n}^3+4{p_n}^2=27,36,45,54,63
    である.これらをp_n\left(p_n+1\right)=12で割った余りは,順番に3,0,9,6,3である.
    (Ⅳ)4\leqq p_n\leqq99のとき
    {p_n}^2の倍数であるnは,
    n={p_n}^3,{p_n}^3+{p_n}^2,{p_n}^3+2{p_n}^2,{p_n}^3+3{p_n}^2
    である.これらをp_n\left(p_n+1\right)で割った余りは,順番にp_n,0,{p_n}^2,{p_n}^2-p_nである.
    (Ⅴ)p_n=100のとき
    {p_n}^2={100}^2の倍数であるnは,
    n={10}^6
    である.これをp_n\left(p_n+1\right)=10100で割った余りは,100である.
    以上,(Ⅰ)~(Ⅴ)より,
    S=\left(1+0+1+0+1+0+1\right)+\left(2+0+4+2+0\right)+\left(3+0+9+6+3\right)+\sum_{p_n=4}^{99}\left\{p_n+0+{p_n}^2+\left({p_n}^2-p_n\right)\right\}+100=656805……(答)

2017年早稲田大学商学部|数学過去問徹底研究 大問3

2019.09.27

方針の立て方 これはチェビシェフ多項式を元に作られた問題である. チェビシェフ多項式は難関大学での三角関数の問題としてよく出される(高等的な数学の知識を必要とせず考察できる)題材であるため,各自調べて,典型問題化しておくと良いだろう. (1) の定義の仕方はでなされているため,をとを用いて表すことを

  • …続きを読む
  • 方針の立て方

    これはチェビシェフ多項式を元に作られた問題である.
    チェビシェフ多項式は難関大学での三角関数の問題としてよく出される(高等的な数学の知識を必要とせず考察できる)題材であるため,各自調べて,典型問題化しておくと良いだろう.

    (1)
    P_n\left(x\right)の定義の仕方はP_n\left(\cos{\theta}\right)でなされているため,P_{n+1}\left(\cos{\theta}\right)P_n\left(\cos{\theta}\right)P_{n-1}\left(\cos{\theta}\right)を用いて表すことを考える.すると,\cos{\left(n+1\right)\theta}\cos{n\theta}\cos{\left(n-1\right)\theta}を用いて表すという問題に帰着する.ただし,最終的にはxに戻さねばならないため,他に使えるのは\cos{\theta}のみである.そのため,途中で出てくる\sin{n\theta}\sin{\theta}\cos{\theta}のみの式となるように変形する.

    (2)
    試しに小さいnをいくつか考えてみるとよい.すると答えの予想がつく.後は前問で漸化式を求めさせていることと,自然数に関する議論であることから,数学的帰納法を用いて,予想が正しいことを示せばよい.

    (3)
    前問ではP_n\left(x\right)x^nのみを特別視して考えていたため,本問もx^nのみを特別視して考えればよいのではと考える.x^n以外の項の解析は難しいが,問題で求められているのが一の位の数字のみであるため,十の位以降に押しやられるのでは直観し,それを示していけばよい.

    解答例

    (1)
    加法定理より,\cos{\left(n+1\right)\theta}=\cos{n\theta}\cos{\theta}-\sin{n\theta}\sin{\theta}
    和積の公式より,
    \sin{n\theta}\sin{\theta}=\frac{1}{2}\left\{\cos{\left(n-1\right)\theta}-\cos{\left(n+1\right)\theta}\right\}
    \therefore\cos{\left(n+1\right)\theta}=\cos{\theta}\cos{n\theta}-\frac{1}{2}\left\{\cos{\left(n-1\right)\theta}-\cos{\left(n+1\right)\theta}\right\}
    整理すると,
    \cos{\left(n+1\right)\theta}=2\cos{\theta}\cos{n\theta}-\cos{\left(n-1\right)\theta}
    \cos{\left(n+1\right)\theta}=P_{n+1}\left(\cos{\theta}\right),\cos{n\theta}=P_n\left(\cos{\theta}\right),\cos{\left(n-1\right)\theta}=P_{n-1}\left(\cos{\theta}\right)であるから,\cos{\theta}=xとすることで,
    P_{n+1}\left(x\right)=2xP_n\left(x\right)-P_{n-1}\left(x\right)……(答)

    (2)
    P_n\left(x\right)x^nの係数が2^{n-1}である(以下ではこの命題を(*)と表す)ことを数学的帰納法で示す.
    n=1のとき,P_1\left(\cos{\theta}\right)=\cos{\theta}よりP_n\left(x\right)=xであるから,(*)は成り立っている.
    n=2のとき,P_2\left(\cos{\theta}\right)=\cos{2\theta}=2\cos^2{\theta}-1よりP_2\left(x\right)=2x^2-1であるから,(*)は成り立っている.
    ここで,n=k,k+1のときの(*)の成立を仮定する.つまり,適当なk-1次以下の多項式Q\left(x\right)と,k次以下の多項式R\left(x\right)とを用いて,
    P_k\left(x\right)=2^{k-1}x^k+Q\left(x\right)
    P_{k+1}\left(x\right)=2^kx^{k+1}+R\left(x\right)
    と書けると仮定する.
    すると,
    P_{k+2}\left(x\right)=2xP_{k+1}\left(x\right)-P_k\left(x\right)=2x\left\{2^kx^{k+1}+R\left(x\right)\right\}-\left\{2^{k-1}x^k+Q\left(x\right)\right\}=2^{k+1}x^{k+2}+\left\{2xR\left(x\right)-2^{k-1}x^k-Q\left(x\right)\right\}
    となる(第一のイコールで(1)で求めた漸化式を,第二のイコールで帰納法の仮定をそれぞれ用いた).
    2xR\left(x\right)-2^{k-1}x^k-Q\left(x\right)は,Q\left(x\right)が高々k-1次,R\left(x\right)が高々k次であるから,高々k+1次である.
    よって,P_{k+2}\left(x\right)x^{k+2}の係数は2^{\left(k+2\right)-1}であると言える.これは,(*)のn=k+2での成立に他ならない.
    以上,数学的帰納法により(*)が示された. 証明終了.
    以上より,求める係数は2^{n-1}……(答)

    (3)
    前問の結果より,
    P_{500}\left(\mathrm{cos}{\theta}\right)=\cos{500\theta}\cos^{500}{\theta}の係数は2^{499}
    よって,\cos{\theta}の499次以下の多項式S\left(\cos{\theta}\right)を用いて,\cos{500\theta}=2^{499}\cos^{500}{\theta}+S\left(\cos{\theta}\right)と表せる.
    よって,\cos{\theta}の999次以下の多項式T\left(\cos{\theta}\right)を用いれば,\cos^2{\left(500\theta\right)}=2^{998}\cos^{1000}{\theta}+T\left(\cos{\theta}\right)と表せる.
    \therefore{10}^{1000}\cos^2{\left(500\theta\right)}={10}^{1000}\cdot2^{998}\cos^{1000}{\theta}+{10}^{1000}T\left(\cos{\theta}\right)
    ここで,{10}^{1000}\cos^{999}{\theta}={10}^{1000}\left(\frac{1}{10}\right)^{999}=10であるから,\cos{\theta}の高々999次の多項式であるT\left(\cos{\theta}\right){10}^{1000}をかけた{10}^{1000}T\left(\cos{\theta}\right)は一の位の数に寄与しない.
    よって,{10}^{1000}\cos^2{\left(500\theta\right)}の一の位の数は{10}^{1000}\cdot2^{998}\cos^{1000}{\theta}={10}^{1000}\cdot2^{998}\left(\frac{1}{10}\right)^{1000}=2^{998}と等しくなる.

    n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 \cdots
    2^nの一の位の数 2 4 8 6 2 4 8 6 2 4 8 6 2 \cdots

    上表のように,2^nの一の位の数は2,4,8,6が繰り返される.これを用いると2^{998}の一の位の数は4と分かる.
    よって,求める数は4……(答)

最速文系数学勉強法|早慶圧勝レベルまで効率的に成績を上げる方法|応用編

2019.09.26

文系数学勉強法応用編(アウトプット) 上記で数学で各分野の概念を正しく理解して、高速化ができたのであれば入試レベルの問題集や過去問をやっていきましょう。1対1対応までをしっかり理解できているのであれば、早慶や医学部の問題であっても合格点を取ることができます。 そのため、現役生などで時間に余裕がなく理

  • …続きを読む
  • 文系数学勉強法応用編(アウトプット)

    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="L1" icon="seitom1.gif" name=""]どういう公式があるかわかったからあとはアウトプットすればいいだけですよ。[/speech_bubble]

    上記で数学で各分野の概念を正しく理解して、高速化ができたのであれば入試レベルの問題集や過去問をやっていきましょう。1対1対応までをしっかり理解できているのであれば、早慶や医学部の問題であっても合格点を取ることができます。
    そのため、現役生などで時間に余裕がなく理科科目や英語がまだ完成していないようであれば、問題集はしないで過去問と『1対1対応の数学』を繰り返しましょう。

    1対1対応の数学に出題される問題は基本的に理解できていて他に教材を必要とする場合は『やさしい理系数学』をやってみると良いでしょう。
    『やさしい理系数学』の詳しい使い方はこちらから
    下記、こうしたアウトプット教材を行う上で気をつける点をご紹介していきます。

    「難しい・・わからない!」と感じたら・・・

    難しすぎてわからない場合は、上記で紹介した『元気が出る数学』や、『1対1対応の数学』に戻って考えてみましょう。できない問題を考え抜くというのは確かに数学的な思考力をつける上では大事です。ですが、独学で勉強していて、上述のインプット用の参考書は理解していないけど、、すべての問題の答えを覚えてしまったというレベルまで行ってしまったという場合、本人はできているつもりで次の教材に進んでしまいます。ですが、本質的な部分を理解していない!という場合も往々にあります。難しい問題にあたった場合にそういった大事なことが理解できてないということが顕著にわかるでしょう。
    基礎的な参考書と応用の参考書を行ったり来たりすることで、「何だこの問題はこういうことをいいたかったのか!」と理解できるようになってきます。


    もちろん、何が原因でできてないのか?当塾のようなプロの力を借りて高速で勉強するのもありでしょう。カウンセリングはこちらから行っています。

    何をしているのか?を意識する

    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="L1" icon="seitom1.gif" name=""]よくわからないけど適当に公式を入れて、展開したら、答えがいつもでます。[/speech_bubble] [speech_bubble type="ln-flat" subtype="R1" icon="platon1.jpg" name="プラトン先生"]そんな方法で勉強しても一生成績は上がりませんよ![/speech_bubble]

    独学をしている人にありがちですが、よくわからないけど式の展開をした、わからないけど因数分解をしたという無意識で計算をしてしまう人がよくいます。
    こういった生徒に対して、「なぜこの計算をしたのか?」と聞いても、「学校で習ったから〜、」「参考書に書いてあったから〜」と自分ではなぜなぜこの展開をしなければいけないのか理解できていません。
    このような場合では数学はできるようになりません。常に式の最終形がどのような形になるのか?、目標に到達するためには何をしたら良いのか?、目的意識を式の展開をしていってください。
    公式を何でもかんでも使ってみるという思考の人はいつまでたっても数学はできるようになりません。

    センター試験数学

    センター試験数学についてですが、センター試験の受ける目的や2次試験でも数学を使用するかどうかによって重要度が変わってきます。ここでは早慶志望の学生(文系、理系)、医学部再受験生がどのように対処したらよいのかということを確認していきます。

    早慶志望の学生でセンター試験を受ける場合

    早慶志望の学生にも文系と理系と2パターン考えられますが、基本的に戦略は同じです。早慶を受ける学生ならば文理関係なく入試レベルの問題であれば、センター試験レベルの問題であれば問題なく解けるはずです。ただ、センター試験の問題形式、制限時間は特殊なので解いておく必要があるでしょう。理系の場合は過去問だけを行っていると、数学1A2Bだけの問題を解く頻度が減ってくる可能性があります。過去問を何年か分は行って慣れておくと良いでしょう。ただ、早慶志望の場合はセンター試験はそこまで大事ではないので、対策をしている時間がないという生徒は行わなくても問題ありません。

    ■医学部再受験生で9割以上センター試験の点数が欲しい場合

    センター試験問題特有の誘導形式、短い時間内に問題を解いていくことはいくら普段演習している問題よりも簡単だとはいえ、また違った対策をしていく必要があるでしょう。計算が煩雑になるので、数学が得意!という人であっても満点を取るのは、対策をしなければ容易では無いでしょう。当塾ではセンター試験で圧勝する数学対策も行っていますので、ご連絡ください。

    早慶の過去問について

    早慶の過去問についてですが、過去問を行う際には点数に一喜一憂するのではなく、できないことを発見しながら課題意識を持ってっていきましょう。問題ができた際には、何故できたのか?、自身が考えた解法ではどうして問題にたどり着くことができないのか?という点を考えていく必要があります。具体的な早慶の過去問対策は以下から御覧ください。
    また当塾ではどのようにしたら、早慶の過去問を解いたらよいのか?という点も徹底的に指導しています。こちらまでご連絡ください。

    Q&A

    ここでは入試レベルの数学の問題について当塾に寄せられる質問をQ&A形式でお答えします。
    解答はプラトン先生にお答えいただきます。

    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="L1" icon="seitow3.gif" name="質問1"]数学の過去問を見てみた時に全く解くことができませんでした。やはり、問題を解くにはセンスが必要なのでしょうか?[/speech_bubble]
    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="R1" icon="platon1.jpg" name="プラトン先生"]数学の問題を解くのにセンスは必要ありません。問題を解くことができなかったのは何が原因でしょうか?まずはそれを考えてみましょう。問題文を理解することができない場合は、問題を解く上でのそもそもの前提知識が足りてない可能性があります。この場合はまずは、該当分野の概念の定義の確認、公式の証明を行ってみましょう。[/speech_bubble]

    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="L1" icon="seitom2.gif" name="質問2"]高2の段階で過去問を見てみました。正直できるようになる気がしないのですが、、これは1年でなんとかなるものなのでしょうか?[/speech_bubble]
    [speech_bubble type="ln-flat" subtype="R1" icon="platon1.jpg" name="プラトン先生"]なんとかなります。2年生の段階で完璧に理解できていたらその時点で、受験勉強は完了でしょう。心配しなくても大丈夫です。問題演習をしていくうちに自身の何が足りないのか?できるようにしたらよいのか?という点には気づくことができます。頑張っていきましょう。[/speech_bubble]

    合格までのスケジュール例を見てみよう!

    現状と入試までの期間を踏まえてスケジュールを立ててみましょう。当塾のこれまでの相談を元に2パターンのスケジュール例をご紹介いたします。
    *あくまで一例です。

    【超理想的!】高2春から始めるパターン

    ■<高2>4月上旬 〜 7月上旬(夏休み) 
    中学数学の復習
    <高2>8月上旬 〜 8月下旬
    坂田アキラの看護医療数学1Aが面白いほどわかる本
    合格る計算1A2B
    数学1Aの概念を徹底的に学び直して高速化を行う。
    <高2>9月上旬 〜 10月下旬
    坂田アキラの看護医療数学1Aが面白いほどわかる本の復習
    『数学2Bが面白いほどわかる本』を始める
    合格る計算
    <高2>11月上旬 〜 12月下旬 
    坂田アキラの看護医療数学1Aが面白いほどわかる本の復習
    『数学2Bが面白いほどわかる本』を始める
    合格る計算
    ■<高2>1月上旬 〜 3月下旬
    数学1A標準問題精講を行う
    マセマ合格2Bを行う
    <高3>4月上旬〜5月下旬
    数学1A標準問題精講復習
    マセマ合格2Bの復習
    坂田アキラの数学3の微分積分が面白いほどわかる本
    合格る計算Ⅲを行う
    <高3>6月上旬〜7月下旬
    1対1対応の数学を始める
    合格る計算Ⅲ復習
    <高3>夏休み中
    過去問を開始する
    1対1対応の数学を復習
    <高3>8月後半以降
    過去問を解きながら、それぞれの学部の対策を行っていく

    【理想的!】高2夏から始めるパターン

    ■<高2>7月後半 〜 8月上旬
    元気が出る数学を始める
    合格る計算を始める
    <高2>8月上旬 〜 8月下旬
    元気が出る数学の復習
    合格る計算の復習
    <高2>9月上旬 〜 10月下旬
    『坂田アキラの数学3の微分積分が面白いほどわかる本』を読み始める
    合格る計算Ⅲを始める
    <高2>11月上旬 〜 12月下旬
    『文系の数学を』始める
    『坂田アキラの数学3の微分積分が面白いほどわかる本』を復習
    合格る計算Ⅲ
    ■<高2>1月上旬 〜 3月下旬
    『数学1A 標準問題精講』を始める
    『マセマ合格シリーズ』を始める
    合格る計算1A2BⅢ
    センター試験を解いてみる 目標 140~160点
    <高3>4月上旬〜5月下旬
    『数学1A 標準問題精講』を復習
    『マセマ合格シリーズ』を復習
    合格る計算1A2BⅢ
    <高3>6月上旬〜7月下旬
    『1対1対応の数学』を始める
    <高3>夏休み中
    『1対1対応の数学』の復習
    早稲田、慶應大学の過去問を解いてみる この段階で5,6割が目安
    <高3>8月半以降
    『1対1対応の数学』の復習
    過去問を解きながら、それぞれの学部の対策を行っていく

    高3から始めたい

    受験期間までに1年もない場合は個別にカリキュラムを作成して対応いたします。
    カウンセリングはこちらから行っております。

    大雑把にスケジュールをあげてみました。特に高2からはじめるスケジュールは簡単そうに見えて実はとても大変です。それまで持っている力によっても違いますし、他の科目とのバランスも考えながら進めなければなりません。
    当塾では、それぞれの生徒さんの実情に合わせてスケジュールを組んでまいります。ぜひ、ご利用ください。

    必要参考書一覧

    当塾で使用する参考書の一覧です。生徒の学力に応じてピックアップしていきます。
    もちろん、すべての参考書を使用するわけではありません。
    クリックすると参考書の詳細ページに飛ぶことができます。

    ■中学数学レベル (偏差値 測定不能) 

    0からやりなおす中学数学の計算問題

    中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく

    ■高校数学初級レベル (偏差値 30~40レベル)

    合格る計算1A/2B 合格る計算3』

    坂田アキラの 医療看護系入試数学I・Aが面白いほどわかる本

    数学II・Bの点数が面白いほどとれる本

    坂田アキラの数Ⅲの微分積分が面白いほど分かる本

    スバラシク強くなると評判の元気が出る数学1A2B

    ■MARCHレベル (偏差値 50~60レベル)

    『文系の数学 重要事項完全習得編』

    数学I・A 標準問題精講

    スバラシクよくわかると評判の合格!数学2・B

    ■早慶レベル (偏差値 60~65レベル)

    1対1対応の演習1』『1対1対応の演習A』『1対1対応の演習2』『1対1対応の演習B

    ■早慶合格レベル (偏差値 65〜レベル)

    『文系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B』

    ■分野別参考書

    合格る確率

    『整数問題が面白いほどとける本』

    『解法の探求・確率』


  • 偏差値30からの早慶圧勝の個別指導塾 HIRO ACADEMIA

  • 早稲田校舎 : 〒162-0045
    東京都新宿区馬場下町9-7 ハイライフホーム早稲田駅前ビル4階
    TEL: 03-6884-7991
    営業時間: 月〜土 9:00-21:30 
  • Facebook Twitter
    Page Top

Copyright © BETELGEUSE corporation All Rights Reserved.