上智大学
入試難易度: 4.0
上智大学の世界史は各学部で問題傾向に特色がないので、上智大学の世界史と言う形で説明します。対策をする場合もどの学部を受験する場合でも過去問は解けるだけ解いていきましょう。
東洋・西洋バランスよく出題されます。西洋では<ヨーロッパ>というようなくくりで出題されることもありますし、国別で出題されることもあります。東洋では中国の割合が高く感じます。ただし、関連するものとして他地域の問題もでてくるので、全地域まんべんなく学習するようにしてください。
全体概観:配点100点 時間60分
近年若干難化しています。
まず、問題数が多い(80問~100問)ので、60分という時間をどう使うのかが問題になります。
選択問題が多いが、非常に難しいものが多いです。。選択肢が紛らわしく作ってあり、用語としてはかなり細かい用語まで問われています。また、正誤判定問題も2つ選ぶ問題など本当に理解していることが求められる問題になっています。
また、年号を直接問う問題が出てくるのも特徴的。したがって、ある程度年号を暗記しておくことが必要になります。
さらに、地図を使った問題も出題されます。さまざまな方面から歴史を理解しているのかを問われる問題構成となっています。
対策
実際に過去問などを見てみると難問・奇問が多いように感じるかもしれません。
しかし、まず受験勉強をするときは明確な目標を持ってください。当然「合格する」ことが目標ですね。合格するには合格点さえとってしまえばいいのです。
合格点を取るために何をするのかをよく考えて勉強をしてください。そうすると、どの問題で得点しなければならないのかが見えてくるはずです。
難問・奇問の類は「絶対に得点しなければならない問題」ではありません。まずは教科書・用語集レベルの問題を確実に得点できるようにしていきましょう。
対策1:空欄補充問題の対策はどうすればよいのか?
空欄補充問題は選択問題です。したがって、用語を「選べる」レベルで覚えているかが勝負になります。それぞれの用語の意味をどこまで正確に覚えているかが問われます。記述問題ではないのでかなり細かいところまで問われますので、教科書、用語集レベルの用語はすべてこたえられるようにしてください。
対策2:正誤問題の対策はどうするればよいのか?
正誤問題については、とても難しいです。非常に判定しづらい問題があるのも事実です。正答でない選択肢についてもよく復習し、「なぜこの解答なのか」「なぜこれは誤答なのか」を言えるようにしていってください。そのなかで知識の確認もできます。
例を一つ見てみましょう。
下線部(オ)東西教会に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。2つ選びなさい。
a 「カトリック」とは「普遍的」を意味するラテン語が起源である。
b ベネディクトゥスはシトー修道会を設立した。
c ビザンツ皇帝レオン3世は726年に聖像禁止令を発布した。
d 聖像崇拝論争と単性論を巡る対立は東西教会の溝を深めた。
e 東西教会は相互に破門して1054年に分裂した。
答えはわかりますか?非常に難しいですね。まず、正答はa,bです。
簡単なものから片づけていきましょう。
まずb。ベネディクトゥスはモンテ=カシノにベネディクト派の修道院を作ります。シトー派はフランスのシトーに1098年に設立された修道院でベネディクト派の戒律の厳格な実行をもとめますが、ベネディクト派とは違います。よって、bは×(答えになります)。cは言うまでもなく○ですね。eも簡単に判定できたと思います。これによって東西教会は分裂し、この分裂は現在まで続いています。
さて、ここまではすらすらと解答できなくてはいけません。
問題はa,dです。どちらかが×で答えになるはずです。
aについてですが、カトリック(=普遍的)はギリシア語が語源ですね。
よって×、答えになります。
ここまでやって「答えはa,bだ。よかった、よかった。」ではなく、きちんとdも確認するようにしてください。ここまでやらなければもったいないですよ!
dについては、単性論はアフリカ方面に広まります。(エジプトのコプト教会などが有名ですね)これに対して、ビザンツ皇帝が調停を試みます。7世紀ビザンツ帝国のヘラクレイオス帝は「イエスは神性と人性を持つがその意志は一つである。」とする単意志説を唱えます。前半部分は両性論、後半部分は単性論で、これによって両論を融合しようとしました。そしてローマ教皇(ホノリウス1世)がこれに賛成しました。なぜ賛成したのかというと、このころ台頭しつつあったイスラーム勢力に対抗するため東西教会が手を組まなければならないと考えたからです。しかし、カトリック信者は納得せず、次のローマ教皇はなんとホノリウスを異端として死後破門します。これに対して当然ビザンツ皇帝(=コンスタンティノープル大司教)は反発するのです。これが東西教会の対立を深める一つの要因になりました。
このことについては参考書などにもなかなか出ていないかもしれません。
さまざまな知識を獲得していくことが、合格につながります。もちろん、このようなことを知らなくては合格できないわけではありません。しかし、勉強するということはこのような問題も解けるようにしていくことでもあります。正誤判定問題は一つずつ確実に復習をしてください。
もちろん、当塾では上記のような上智大学の問題に対応するための指導を行っております。
対策3:地図問題の対策はどうするればよいのか?
地図を使った問題は必須です。とくに重要な地名・都市名については位置をわかるようにしておいてください。
位置を確認するときに緯度・経度を意識しましょう。そうすることで、「Aという都市はBという都市より北だな」等がわかります。
また、有名な都市は大体の緯度・経度がわかるようにしてください。(たとえば本初子午線あたりにロンドン・ベルサイユがありますね?)
過去には海岸線が全く描かれておらず、緯線・経線をヒントに都市名を答えさせる問題も出題されています。そのような問題に対応するためにも、海岸線のみに頼っていると解答することが困難である。また、かなり細かい地名(例:アゾフ … アゾフ海ではない)が問われたこともあるので、世界史の学習をするときは常に資料集を横において、地図を確認しながら学習を進めてください。
一つ、実際に出題された地図の例を挙げます。
2014年の問題ですが、それぞれがどこかわかりますか? 正確にわからなくても、「この辺りだな」というのはわかりますか?
また、「北緯40度」のあたりにある都市というのは社会では必ず覚えておかなければいけませんよ!このような覚え方をしておくと、テストで役に立つ知識が身につきます。やみくもに地図を見ているだけではもったいないです。
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