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2016年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問1

2019.09.23

方針の立て方 (1) Aの箱に他の箱からのボールの追加をするわけだが,それぞれの箱(AとA以外)で黒ボールと白ボールの割合が違う.これこそがこの問題の難所である.数学においては「難所がある場合にはそれを分割する」ことが基本的な考え方である.そのため,Aにそもそも入っていたボールと,後からAに入ってき

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  • 方針の立て方
    (1)
    Aの箱に他の箱からのボールの追加をするわけだが,それぞれの箱(AとA以外)で黒ボールと白ボールの割合が違う.これこそがこの問題の難所である.数学においては「難所がある場合にはそれを分割する」ことが基本的な考え方である.そのため,Aにそもそも入っていたボールと,後からAに入ってきたボールとて分割して考えるという方針を立てる.

    (2)
    前問と同様それぞれの箱で黒ボールと白ボールの割合が違うことから,これらを分割して考える必要があると判断する.ただし,本問の場合には交換の度に箱E内の割合が変わってしまうことに注意.ここも分割することになる.よって,本解答のような,交換の度に確率を考えるという方針になる.

    解答例
    (1)(2)(3)(4)……\frac{07}{19}
    (5)(6)(7)(8)……\frac{09}{19}
    (9)(10)(11)(12)……2401
    (13)(14)(15)(16)……657

    解説
    (1)
    最終的に計19個のボールがAに入っている.最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率と,後から加えられた黒ボールを取り出す確率を求める.
    ・最初にAに入っていた黒ボールを取り出す確率
    19個のボールの中から最初に入っていた7個の黒ボールのどれかを取り出す確率のため\frac{7}{19}
    ・後から加えられた黒ボールを取り出す確率
    19個あるボールの中から後から加えられたボールを取り出す確率が\frac{9}{19}であり,後から加えられたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\alphaである.これらは独立であるため,後から加えられた黒ボールを取り出す確率は,\frac{9}{19}\alphaとなる.
    よって,求める確率は,
    \frac{7}{19}+\frac{9}{19}\alpha……(答)

    (2)
    EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率は,前問と同様に場合分けして考えると,
    ・最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率
    10個あるボールの中から最初からEに入っていたボールを取り出す確率が\frac{7}{10}であり,最初からEに入っていたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\frac{7}{10}である.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,\frac{7}{10}\cdot\frac{7}{10}=\frac{49}{100}となる.
    ・交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率
    10個あるボールの中から交換によってEに入ってきたボールを取り出す確率が\frac{3}{10}であり,交換によってEに入ってきたボールの中から1個のボールを取り出したときに,それが黒ボールである確率は\alphaである.これらは独立であるため,最初からEに入っていた黒ボールを取り出す確率は,\frac{3}{10}\alphaとなる.
    よって,EとFの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率は\frac{49}{100}+\frac{3}{10}\alphaである.この確率をfとおく.
    次に,EとGの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
    \frac{7}{10}f+\frac{3}{10}\alpha
    となる.この確率をgとおく.
    次に,EとHの箱の交換の後で,Eの箱から1個のボールを無作為に取り出したときにそれが黒ボールである確率を求める.この交換の前にEに入っていた黒ボールを取り出す確率と交換によってEに入ってきた黒ボールを取り出す確率を場合分けして考えて,それらの確率を足し合わせると,
    \frac{7}{10}g+\frac{3}{10}\alpha
    となる.この確率をhとおく.hこそが求める確率である.gfを代入すれば,
    h=\frac{7}{10}\left(\frac{7}{10}f+\frac{3}{10}\alpha\right)+\frac{3}{10}\alpha=\frac{7}{10}\left\{\frac{7}{10}\left(\frac{49}{100}+\frac{3}{10}\alpha\right)+\frac{3}{10}\alpha\right\}+\frac{3}{10}\alpha=\frac{2401}{10000}+\frac{657}{1000}\alpha……(答)

2017年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問6

2019.09.23

方針の立て方 (1) ③~⑤をなるべく簡単な式で表そうと考え,③~⑤をの式に書き換える.後は,答えに当たり()をつけて,それが①~⑤の全ての条件を満たすこと(というより反しないこと)を確認すればよい.入試数学のよくある手法として,直観的に答えを予想して,それが適することを確認するという解法(解けない

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  • 方針の立て方
    (1)
    ③~⑤をなるべく簡単な式で表そうと考え,③~⑤をz,y,xの式に書き換える.後は,答えに当たり(y=40,z=22)をつけて,それが①~⑤の全ての条件を満たすこと(というより反しないこと)を確認すればよい.入試数学のよくある手法として,直観的に答えを予想して,それが適することを確認するという解法(解けない漸化式で一般項を予測して数学的帰納法で示すなどもその一例)がある.
    (2)
    「不満」に関する条件が付加された.これを数式に直すことがまずやるべきことである.すると,前問と同様に②を用いて,式を簡単にすることが思いつく.そこからの解法はパッとは思い浮かびにくい.そこで試しにいくつかMを代入してみよう.例えばM=-100(十分小さい値であれば-1000でも何でも良い)を代入すると,\begin{cases} x\leqq-48 \\ 100\leqq x \end{cases}となってしまい,なぜ不適かが分かり,解法が思いつくだろう.

    解答例
    (85)(86)……10
    (87)(88)……40
    (89)(90)……22
    (91)(92)……11
    (93)(94)……32
    (95)(96)……41

    解説
    (1)
    ①~⑤を変形する(②を用いて③~⑤をz,y,xの式に書き換える)と,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq22 \\ y\leqq40 \\ x\leqq52 \end{cases}
    となる.第三式と第四式からB氏とC氏の分配額は最大でもy=40,z=22と分かる.y=40,z=22の場合について考えると,第二式からx=10となる.\left(x,y,z\right)=\left(10,40,22\right)は第一式と第五式を満たすので適当である.また,このときB氏とC氏の分配額が最高値のため,A氏の分配額は最小となる.
    よって求める組み合わせは,\left(x,y,z\right)=\left(10,40,22\right)……(答)

    (2)
    AB両氏の不満,AC両氏の不満,BC両氏の不満,A氏の不満,B氏の不満,C氏の不満がいずれもM以下であるから,満たすべき条件は,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ 50-\left(x+y\right)\leqq M \\ 32-\left(x+z\right)\leqq M \\ 20-\left(y+z\right)\leqq M \\ -x\leqq M \\ -y\leqq M \\ -z\leqq M \end{cases}
    となる.これを変形すると,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq M+22 \\ y\leqq M+40 \\ x\leqq M+52 \\ -M\leqq x \\ -M\leqq y \\ -M\leqq z \end{cases}
    ここで,第五式と第六式,第四式と第七式,第三式と第八式について考える.
    \begin{cases} x\leqq M+52 \\ -M\leqq x \end{cases},\begin{cases} y\leqq M+40 \\ -M\leqq y \end{cases},\begin{cases} z\leqq M+22 \\ -M\leqq z \end{cases}
    これらが全て解を持つには,
    \begin{cases} -M\leqq M+52 \\ -M\leqq M+40 \\ -M\leqq M+22 \end{cases}\Leftrightarrow-11\leqq M
    が満たされれば必要十分である.
    よって,Mの最小値は-11であり,M=-11を代入すれば,
    \begin{cases} x,y,z\geqq0 \\ x+y+z=72 \\ z\leqq11 \\ y\leqq29 \\ x\leqq41 \\ 11\leqqx \\ 11\leqq y \\ 11\leqq z \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y+z=72 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq y\leqq29 \\ 11\leqq z\leqq11\Leftrightarrow z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq y\leqq29 \\ z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 11\leqq x\leqq41 \\ 11\leqq61-x\leqq29\Leftrightarrow32\leqq x\leqq50 \\ z=11 \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} x+y=61 \\ 32\leqq x\leqq41 \\ z=11 \end{cases}
    よって,Mを最小化するzの値はz=11であり,xの範囲は32\leqq x\leqq41である.……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問5

2019.09.23

方針の立て方 (の場合を除けば)三次関数の最大最小問題なので,極値と端点のみを考察すればよいと考える.係数が文字であるため,極値が存在するか否かを考慮しなければならないことに注意. 後は典型的な解法で解ける. 解答例 (65)(66)…… (67)(68)…… (69)(70)…… (71)(72)

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  • 方針の立て方
    (q=0の場合を除けば)三次関数の最大最小問題なので,極値と端点のみを考察すればよいと考える.係数が文字であるため,極値が存在するか否かを考慮しなければならないことに注意.
    後は典型的な解法で解ける.

    解答例
    (65)(66)……03
    (67)(68)……-1
    (69)(70)……03
    (71)(72)……01
    (73)(74)……00
    (75)(76)……01
    (77)(78)(79)(80)……\frac{01}{04}
    (81)(82)(83)(84)……\frac{27}{08}

    解説
    〇存在領域\mathrm{A}((65)~(80)について)
    f^\prime\left(x\right)=p-qx^2
    よって,

    (ⅰ)
    f\left(x\right)の極値が-1\leqq x\leqq1に存在する条件は,「0<\frac{p}{q}かつ-1\leqq\pm\sqrt{\frac{p}{q}}\leqq1\Leftrightarrow0<\frac{p}{q}\leqq1である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,「(極大値)\leqq\frac{1}{3}かつf\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}」が満たされれば必要十分.
    f\left(\sqrt{\frac{p}{q}}\right)=\frac{2p}{3}\sqrt{\frac{p}{q}},f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3},f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,「(極大値)\leqq\frac{1}{3}かつf\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}」という条件は,
    \begin{cases} f\left(\sqrt{\frac{p}{q}}\right)=\frac{2p}{3}\sqrt{\frac{p}{q}}\leqq\frac{1}{3} \\ -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ \frac{p^3}{q}\leqq\frac{1}{4} \end{cases}
    となる.0<\frac{p}{q}\leqq1と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ 0<\frac{p}{q}\leqq1 \\ \frac{p^3}{q}\leqq\frac{1}{4} \end{cases}……(答)
    (ⅱ)
    f\left(x\right)の極値がx<-1または1<xに存在する条件は,「0<\frac{p}{q}かつ-\sqrt{\frac{p}{q}}<-1かつ1<\sqrt{\frac{p}{q}}\Leftrightarrow1<\frac{p}{q}である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}が満たされれば必要十分.
    f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3}f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}という条件は,
    \begin{cases} -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow3p-1\leqq q\leqq3p+1
    となる.1<\frac{p}{q}と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ 1<\frac{p}{q} \end{cases}……(答) ※(ⅰ)が解ければ解答番号から答えは解かずして分かる.
    (ⅲ)
    f\left(x\right)の極値が存在しない条件は,\frac{p}{q}\leqq0またはq=0である.
    このもとで最大値が\frac{1}{3}以下となるのは,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}が満たされれば必要十分.
    f\left(-1\right)=-p+\frac{q}{3}f\left(1\right)=p-\frac{q}{3}より,f\left(\pm1\right)\leqq\frac{1}{3}という条件は,
    \begin{cases} -p+\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \\ p-\frac{q}{3}\leqq\frac{1}{3} \end{cases}\Leftrightarrow3p-1\leqq q\leqq3p+1
    となる.「\frac{p}{q}\leqq0またはq=0」と合わせれば,
    \begin{cases} 3p-1\leqq q\leqq3p+1 \\ \frac{p}{q}\leqq0,q=0 \end{cases}……(答) ※(ⅰ)が解ければ解答番号から答えは解かずして分かる.
    よって,領域\mathrm{A}を図示すると,

    上図.ただし境界を含む.
    領域\mathrm{A}の面積は,q軸での対称性から,
    2\left[\int_{0}^{\frac{1}{2}}\left\{3p+1-\left(3p-1\right)\right\}dp+\int_{\frac{1}{2}}^{1}\left(3p+1-4p^3\right)dp\right]=2\left\{\left[2p\right]_0^{\frac{1}{2}}+\left[-p^4+\frac{3}{2}p^2+p\right]_{\frac{1}{2}}^1\right\}=\frac{27}{8}……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問4

2019.09.22

方針の立て方 (1) 具体的に題意を満たす場合を考えれば解答が得られる. (2) 前問の解法を応用する.前問では,参加者の賞金額が0円,1円となるときを考え足し合わせたので,本問では,0円,1円,2円,……,円を考え総和を取ればよい.あとは,その確率が0.5以上となるときを解析すれば解答にたどりつく

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  • 方針の立て方
    (1)
    具体的に題意を満たす場合を考えれば解答が得られる.

    (2)
    前問の解法を応用する.前問では,参加者の賞金額が0円,1円となるときを考え足し合わせたので,本問では,0円,1円,2円,……,c円を考え総和を取ればよい.あとは,その確率が0.5以上となるときを解析すれば解答にたどりつく.

    (3)
    期待値の定義に従って期待値を求めていく.4\cdot{0.8}^{100}という具体的に数値を書き下すのは現実的に困難な値があるが,解答で求められているのが小数第1位までのため厳密な数値は必要ないと判断する.本解説ではその件を丁寧に論述したが,本番では途中経過は求められないため,直観的に{0.8}^{100}は殆ど無視できると考え,4.0と即答してもよいだろう.

    解答例
    (57)(58)(59)……0.36
    (60)(61)……03
    (62)(63)(64)……04.0

    解説
    コインで裏が出る確率は1-0.8=0.2
    (1)
    ・参加者の賞金額が0円となる確率
    1回目で裏が出れば必要十分……0.2
    ・参加者の賞金額が1円となる確率
    1回目で表を出し,2回目で裏が出れば必要十分……0.2\times0.8=0.16
    よって,求める確率は,
    0.2+0.16=0.36……(答)

    (2)
    求めるcは100ではない.よって,以下では0\leqq c\leqq99の範囲で考える.
    参加者の賞金額がn円(0\leqq n\leqq99)となる確率は,n回目まで表を出し,n+1回目で裏が出す確率と等しく,0.2\times{0.8}^n
    よって,賞金額がc円(0\leqq c\leqq99)以下となる確率は,
    \sum_{n=0}^{c}\left(0.2\times{0.8}^n\right)=\frac{0.2\left(1-{0.8}^{c+1}\right)}{1-0.8}=1-{0.8}^{c+1}
    これが0.5以上となるのは,1-{0.8}^{c+1}\geqq0.5\Leftrightarrow0.5\geqq{0.8}^{c+1}
    {0.8}^3=0.512,{0.8}^4=0.4096より,上記不等式を満たす最小のcは,c+1=4\Leftrightarrow c=3……(答)

    (3)
    参加者の賞金額が100円となる確率は100回表を出す確率と等しく{0.8}^{100}
    よって,期待値は,
    \sum_{n=0}^{99}{n\cdot\left(0.2\times{0.8}^n\right)}+100\cdot{0.8}^{100}=0.2\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}+100\cdot{0.8}^{100}
    ここで,
    \sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=1\cdot0.8+2\cdot{0.8}^2+3\cdot{0.8}^3+\cdots\cdots+99\cdot{0.8}^{99}
    0.8\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=1\cdot{0.8}^2+2\cdot{0.8}^3+3\cdot{0.8}^4+\cdots\cdots+99\cdot{0.8}^{100}
    より,両辺を引き算すると,
    0.2\times\sum_{n=0}^{99}{n\cdot{0.8}^n}=\left(0.8+{0.8}^2+{0.8}^3+{0.8}^4+\cdots\cdots+{0.8}^{99}\right)-99\cdot{0.8}^{100}=\frac{0.8\left(1-{0.8}^{99}\right)}{1-0.8}-99\cdot{0.8}^{100}=4-104\cdot{0.8}^{100}
    よって,期待値は,
    4-104\cdot{0.8}^{100}+100\cdot{0.8}^{100}=4-4\cdot{0.8}^{100}
    となる.これの小数点第2位以下を四捨五入するために4\cdot{0.8}^{100}の値について考える.
    まず,{0.8}^4=0.4096<\frac{1}{2}より{0.8}^{100}<\left(\frac{1}{2}\right)^{25}
    さらに,\left(\frac{1}{2}\right)^{10}=\frac{1}{1024}<\frac{1}{1000}={10}^{-3}より,{0.8}^{100}<\left(\frac{1}{2}\right)^{25}<\left(\frac{1}{2}\right)^{20}<{10}^{-6}となる.
    \therefore4-4\times{10}^{-6}<4-4\cdot{0.8}^{100}<4
    以上より,期待値の小数点第2位以下を四捨五入すると,4.0……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問3

2019.09.22

方針の立て方 の範囲((31)~(34))については,が図形的にどのような意味を持つのかを考えることで解法を得る.図形と方程式の問題では,数式を図形に,或いは図形を数式に直して考えることが重要である. 長方形の面積とその最大値((35)~(56))については典型的な問題であるため,特筆事項なし. 解

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  • 方針の立て方
    dの範囲((31)~(34))については,dが図形的にどのような意味を持つのかを考えることで解法を得る.図形と方程式の問題では,数式を図形に,或いは図形を数式に直して考えることが重要である.
    長方形\mathrm{ABCD}の面積とその最大値((35)~(56))については典型的な問題であるため,特筆事項なし.

    解答例
    (31)(32)(33)(34)……\frac{-1}{08}
    (35)(36)(37)……008
    (38)(39)(40)……-15
    (41)(42)(43)……006
    (44)(45)(46)……001
    (47)(48)(49)(50)……\frac{01}{04}
    (51)(52)……03
    (53)(54)……03
    (55)(56)……04

    解説
    dの範囲((31)~(34)について)
    dは線分\mathrm{BC}の切片に当たる.線分\mathrm{BC}の切片の下限は,直線\mathrm{BC}が放物線y=\frac{1}{2}x^2の接線となるとき.
    y=\frac{1}{2}x^2\Rightarrow y^\prime=xより,直線\mathrm{BC}が放物線y=\frac{1}{2}x^2の接線となるとき,接点は\left(x,y\right)=\left(\frac{1}{2},\frac{1}{8}\right)となる.このとき直線\mathrm{BC}の切片d_{inf}は,
    \frac{1}{8}=\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{2}+d_{inf}\Leftrightarrow d_{inf}=-\frac{1}{8}
    \therefore-\frac{1}{8}<d<1……(答)

    〇長方形\mathrm{ABCD}の面積((35)~(46)について)
    y=\frac{1}{2}x+dy=\frac{1}{2}x^2の交点\mathrm{B}\mathrm{C}の座標は,\mathrm{B}\left(\frac{1-\sqrt{1+8d}}{2},\frac{1+4d-\sqrt{1+8d}}{4}\right)\mathrm{C}\left(\frac{1+\sqrt{1+8d}}{2},\frac{1+4d+\sqrt{1+8d}}{4}\right)
    \therefore\mathrm{BC}=\sqrt{\left(\frac{1+\sqrt{1+8d}}{2}-\frac{1-\sqrt{1+8d}}{2}\right)^2+\left(\frac{1+4d+\sqrt{1+8d}}{4}-\frac{1+4d-\sqrt{1+8d}}{4}\right)^2}=\frac{\sqrt{5\left(1+8d\right)}}{2}
    線分\mathrm{AB}の長さは,線分\mathrm{AB}が直線y=\frac{1}{2}x+1と直交することより,点\mathrm{B}と直線y=\frac{1}{2}x+1との距離に等しい.-\frac{1}{8}<d<1より,0<1-dであることに注意すると,
    \mathrm{AB}=\frac{\left|-\frac{1-\sqrt{1+8d}}{2}+2\cdot\frac{1+4d-\sqrt{1+8d}}{4}-2\right|}{\sqrt{\left(-1\right)^2+2^2}}=\frac{2\left(1-d\right)}{\sqrt5}
    よって,求める面積は,
    \frac{\sqrt{5\left(1+8d\right)}}{2}\cdot\frac{2\left(1-d\right)}{\sqrt5}=\sqrt{8d^3-15d^2+6d+1}……(答)

    〇長方形\mathrm{ABCD}の面積の最大値((47)~(56)について)
    f\left(d\right)=8d^3-15d^2+6d+1とおくと,f^\prime\left(d\right)=24d^2-30d+6=6\left(4d-1\right)\left(d-1\right)となる.
    増減表を描くと,

    d -\frac{1}{8} \cdots \frac{1}{4} \cdots 1
    f^\prime\left(d\right) + + 0 - 0
    f\left(d\right) \nearrow \nearrow \frac{27}{16} \searrow \qquad

    よって,長方形\mathrm{ABCD}の面積はd=\frac{1}{4}のときに,最大値\sqrt{\frac{27}{16}}=\frac{3\sqrt3}{4}となる.……(答)

2017年慶應義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問2

2019.09.22

方針の立て方 (15)~(22)については解説に書いた通り. (23)~(30)については,前問で証明した命題を具体的に適用する問題となっている.一発で思いつくのは現実問題不可能であるため,証明の方法に従ってやっていく.証明では,が偶数のときと奇数のときで場合分けしていて,が偶数のときは2で割った自

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  • 方針の立て方
    (15)~(22)については解説に書いた通り.
    (23)~(30)については,前問で証明した命題を具体的に適用する問題となっている.一発で思いつくのは現実問題不可能であるため,証明の方法に従ってやっていく.証明では,nが偶数のときと奇数のときで場合分けしていて,nが偶数のときは2で割った自然数を,nが奇数のときは3^k\leqq n<3^{k+1}となるkを用いてn-3^kと表される自然数をそれぞれ考察することで,nより小さい自然数に還元していくという方法であった.本問でもこれに倣い2017が奇数であることから3^k\leqq2017<3^{k+1}となるkを求め,その後2017-3^6=1288を考察する.その後1288は偶数だから……といった具合に,どんどん考察する自然数を小さくしていく.

    解答例
    (15)……7
    (16)……2
    (17)……8
    (18)……6
    (19)……7
    (20)……2
    (21)……6
    (22)……5
    (23)……8
    (24)……0
    (25)……7
    (26)……1
    (27)……3
    (28)……4
    (29)……0
    (30)……6

    解説
    ○(16)について
    nが偶数のため,\frac{n}{2}は自然数かつnより小さい.よって,帰納法の仮定が適用できる.

    〇(18)について
    任意のnに対して3^k\leqq n<3^{k+1}となるようなkはただ一つに決まる.

    〇(19)と(20)について
    「前半の議論により」とあるので,偶数のときと同じ議論が適用できると分かる.

    〇(21)と(22)について
    (18)での解答:3^k\leqq n<3^{k+1}より,n-3^k<3^{k+1}-3^k……(21)
    また,3^{k+1}-3^k=3\cdot3^k-3^k=2\cdot3^kより,
    \frac{3^{k+1}-3^k}{2}=3^k……(22)

    〇(23)~(30)について
    2017は奇数であり,3^k\leqq2017<3^{k+1}となるkk=6である.2017-3^6=1288
    1288は偶数であり,\frac{1288}{2}=644
    644は偶数であり,\frac{644}{2}=322
    322は偶数であり,\frac{322}{2}=161
    161は奇数であり,3^k\leqq161<3^{k+1}となるkk=4である.161-3^4=80
    80は偶数であり,\frac{80}{2}=40
    40は偶数であり,\frac{40}{2}=20
    20は偶数であり,\frac{20}{2}=10
    10は偶数であり,\frac{10}{2}=5
    5は奇数であり,3^k\leqq5<3^{k+1}となるkk=1である.5-3^1=2
    \therefore2017=3^6+1288=3^6+2\cdot644=3^6+2^2\cdot322=3^6+2^3\cdot161=3^6+2^3\cdot\left(80+3^4\right)=3^6+2^3\cdot3^4+2^3\cdot80=3^6+2^3\cdot3^4+2^4\cdot40=3^6+2^3\cdot3^4+2^5\cdot20=3^6+2^3\cdot3^4+2^6\cdot10=3^6+2^3\cdot3^4+2^7\cdot5=3^6+2^3\cdot3^4+2^7\cdot2+3=2^8\cdot3^0+2^7\cdot3^1+2^3\cdot3^4+2^0\cdot3^6……(答)

2017年慶応義塾大学環境情報|過去問徹底研究 大問1

2019.09.22

方針の立て方 円が他の図形と接する場合には,中心と接点を結ぶと上手くいくことが多い.これは,中心と接点を結んだ線は接線と直交することによる. 甲円の直径は上記の方針で解ける. 上甲円の中心と直線との距離,および,丙円の直径については,長さ求める線分を実際に引いてみると題意をつかみやすい.線分を引くと

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  • 方針の立て方
    円が他の図形と接する場合には,中心と接点を結ぶと上手くいくことが多い.これは,中心と接点を結んだ線は接線と直交することによる.
    甲円の直径は上記の方針で解ける.
    上甲円の中心と直線との距離,および,丙円の直径については,長さ求める線分を実際に引いてみると題意をつかみやすい.線分を引くと下甲円の接線となるので,下甲円の中心とその接点を結んでみると解法を得られるだろう.
    また,図形の問題に限らず数学の問題では,同じものを2通りの形に表してそれらをイコールするという解法が多い(丙円の直径はまさしくこの解法)ので押さえておこう.

    解答例
    (1)(2)……04
    (3)(4)……02
    (5)(6)……05
    (7)(8)……16
    (9)(10)……07
    (11)(12)……05
    (13)(14)……11
    ※(3)~(14)の解答は,上下の甲円の中心を結んだ線分が,それらの甲円に内接している乙円の中心を通ると仮定した際の解答

    解説
    〇甲円の直径((1)と(2)について)

    求める甲円の直径をx寸とおく.
    上図で中心間距離(図中の破線)について,三平方の定理より,
    \frac{x}{2}+\frac{1}{2} = \sqrt{\left(\frac{x}{2}\right)^2+\left(\frac{x}{2}-\frac{1}{2}\right)^2}
    が成り立ち,x>0のもとで,これを解くと,x=4
    \therefore4寸……(答)

    〇上甲円の中心と直線との距離((3)~(6)について)

    上図より,2+\sqrt5寸離れている……(答)

    〇丙円の直径
    上甲円の最上部と直線との距離は,前問の結果を用いれば,\left(2+\sqrt5\right)+\frac{4}{2}=4+\sqrt5寸と分かる.
    求める丙円の直径をy寸とする.

    すると,左図より,上甲円の最上部と直線との距離は,
    \frac{y}{2}+\sqrt{\frac{1}{4}y^2+2y}+2
    とも表せる.
    \therefore4+\sqrt5=\frac{y}{2}+\sqrt{\frac{1}{4}y^2+2y}+2
    これを解くと,
    y=\frac{16+7\sqrt5}{11}寸……(答)

偏差値30から慶應義塾大学法学部に合格するための参考書

2019.09.22

慶應義塾大学法学部に合格するための参考書 当塾で使用している慶應義塾大学法学部に合格へ必要な参考書を紹介します。もちろん、当塾の場合は一人一人個別にカリキュラムを作成するため下記のようなカリキュラムは一例となります。参考書は何をやるかよりも、どのような目的で使用するかというが大事です。闇雲に行って情

2018年慶應大学理工数学|過去問徹底研究 大問3

2019.09.20

方針の立て方 (1) (サ)については特筆事項なし. (シ)との関係を問われているため,の形を具体的に書き下してみると方針を得やすい.すると,が必要だと分かるため,部分積分の際にの項を微分すればよいと分かる. (2)前問で漸化式を求めたので,漸化式を利用することを考える.本解答のような漸化式を用いて

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  • 方針の立て方

    (1)
    (サ)については特筆事項なし.
    (シ)a_na_{n-2}の関係を問われているため,a_{n-2}の形を具体的に書き下してみると方針を得やすい.すると,\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}dxが必要だと分かるため,部分積分の際に\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}の項を微分すればよいと分かる.

    (2)前問で漸化式を求めたので,漸化式を利用することを考える.本解答のような漸化式を用いてa_0a_1まで下げる解法は頻出のためおさえておこう.

    (3)極限値が1と与えられているため,\lim_{n\rightarrow\infty}{\left|\frac{a_n}{a_{n-1}}-1\right|}で考える.(※\lim_{n\rightarrow\infty}{\frac{a_n}{a_{n-1}}}=1を直接示す方針でも間違いではないが,はさみうちの原理が使いにくくなる.)変形をしていくと\frac{a_n}{a_{n-1}}の評価が必要になる.一項差のため,まずは前問(2)の結果を使おうと試みるが,前問は積(二項の掛け算)の形であるため使えない.そこで,(1)の(シ)の結果なら,分数の形を作り出せると考え,\frac{a_n}{a_{n-1}}\frac{a_{n+1}}{a_{n-1}}\frac{a_n}{a_{n-2}}に変形することを考える.

    (4)\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt n}a_nのままでは解法が思い浮かばないため,一先ず変形して\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt{n\left(a_n\right)^2}}とする.二項の掛け算の形が出てきているため,(2)の結果を使うという方針が立つ.(※(2)の結果をここまで使っていないので,(2)の結果を使うのではと疑うことでも方針が立つ.)

    解答例

    (1)
    サ:\frac{\pi}{4}
    シ:\frac{n}{n+1}
    (2)
    ス:\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}
    (3)
    \left|\frac{a_n}{a_{n-1}}-1\right|=\left|\frac{a_{n}-a_{n-1}}{a_{n-1}}\right|=\left|\frac{a_{n}-a_{n-1}}{a_{n-1}}\right|
    ここで,0\leqq x\leqq1の範囲で,0\leqq1-x^2\leqq1であるから,0\leqq\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}\leqq\left(1-x^2\right)^\frac{n-1}{2}\leqq1であり,積分区間0\leqq x\leqq1で,等号は常に成立しないことから,
    \int_{0}^{1}0dx<\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}dx<\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n-1}{2}dx<\int_{0}^{1}1dx\Leftrightarrow0<a_n<a_{n-1}<1
    が成立する.(1)の(シ)の結果と合わせると,
    \frac{\left|a_n-a_{n-1}\right|}{\left|a_{n-1}\right|}=\frac{a_{n-1}-a_n}{a_{n-1}}<\frac{a_{n-1}-a_{n+1}}{a_{n-1}}=1-\frac{a_{n+1}}{a_{n-1}}=1-\frac{n+1}{n+2}=\frac{1}{n+2}
    よって,
    \lim_{n\rightarrow\infty}{\left|\frac{a_n}{a_{n-1}}-1\right|}<\lim_{n\rightarrow\infty}{\frac{1}{n+2}}=0
    であり,はさみうちの原理より,
    \lim_{n\rightarrow\infty}{\left|\frac{a_n}{a_{n-1}}-1\right|}=0
    これは,数列\left\{\frac{a_n}{a_{n-1}}\right\}が1に収束することに他ならない.
    証明終了.
    (4)
    セ:\sqrt{\frac{\pi}{2}}

    解説

    (1)
    a_1(サについて)
    a_1=\int_{0}^{1}\sqrt{1-x^2}dx
    これは,下図斜線部に示した四分円の面積を表す.

    a_1=\int_{0}^{1}\sqrt{1-x^2}dx=\frac{\pi}{4}……(答)
    a_n(シについて)
    a_n=\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}dx=\int_{0}^{1}{\left(x\right)^\prime\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}}dx=\left[x\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}\right]_0^1-\int_{0}^{1}{x\cdot\frac{n}{2}\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}\cdot\left(-2x\right)}dx=n\int_{0}^{1}{x^2\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}}dx
    \therefore\int_{0}^{1}{x^2\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}}dx=\frac{a_n}{n}
    一方で,
    a_n=\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n}{2}dx=\int_{0}^{1}{\left(1-x^2\right)\cdot\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}}dx=\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}dx-\int_{0}^{1}{x^2\left(1-x^2\right)^\frac{n-2}{2}}dx=a_{n-2}-\frac{a_n}{n}
    \therefore a_n=\frac{n}{n+1}a_{n-2}……(答)

    (2)
    前問の結果より,
    a_na_{n-1}=\frac{n}{n+1}a_{n-2}\cdot\frac{n-1}{n}a_{n-3}=\frac{n-1}{n+1}a_{n-2}a_{n-3}
    (ⅰ)nが偶数のとき,
    a_na_{n-1}=\frac{n-1}{n+1}\cdot\frac{n-3}{n-1}\cdot\frac{n-5}{n-3}\cdot\cdots\cdots\cdot\frac{3}{5}a_2a_1=\frac{3}{n+1}a_2a_1
    ここで,
    a_2=\int_{0}^{1}\left(1-x^2\right)dx=\left[x-\frac{1}{3}x^3\right]_0^1=\frac{2}{3}
    a_1=\frac{\pi}{4}
    より,
    a_na_{n-1}=\frac{3}{n+1}\cdot\frac{2}{3}\cdot\frac{\pi}{4}=\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}
    (ⅱ)nが奇数のとき,
    a_na_{n-1}=\frac{n-1}{n+1}\cdot\frac{n-3}{n-1}\cdot\frac{n-5}{n-3}\cdot\cdots\cdots\cdot\frac{2}{4}a_1a_0=\frac{2}{n+1}a_1a_0
    ここで,
    a_1=\frac{\pi}{4}
    a_0=\int_{0}^{1}1dx=\left[x\right]_0^1=1
    より,
    a_na_{n-1}=\frac{2}{n+1}\cdot\frac{\pi}{4}\cdot1=\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}
    以上,(ⅰ)と(ⅱ)より,
    a_na_{n-1}=\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}……(答)

    (4)
    前問の結果より,
    a_n=\frac{\pi}{a_{n-1}\cdot2\left(n+1\right)}\Leftrightarrow\left(a_n\right)^2=\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}\cdot\frac{a_n}{a_{n-1}}
    である.これより,
    \lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt n}a_n=\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt{n\left(a_n\right)^2}}=\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt{n\cdot\frac{\pi}{2\left(n+1\right)}\cdot\frac{a_n}{a_{n-1}}}}=\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt{\frac{\pi}{2}\cdot\frac{n}{n+1}\cdot\frac{a_n}{a_{n-1}}}}=\sqrt{\frac{\pi}{2}}……(答)

2018年慶應大学理工数学|過去問徹底研究 大問5

2019.09.20

方針の立て方 (1) どれも典型問題であるため特筆事項なし. (2) (マ)については,曲線の長さを公式を使って表した後に,極座標に置換すればよい. (ミ)についても,素直に計算をし,素直に等式を立てれば解答が得られる. (ム)について.対称性があるため,上半分だけを求めればよいことに気付くと計算が

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  • 方針の立て方

    (1)
    どれも典型問題であるため特筆事項なし.

    (2)
    (マ)については,曲線の長さを公式\int\sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2}dxを使って表した後に,極座標に置換すればよい.
    (ミ)についても,素直に計算をし,素直に等式を立てれば解答が得られる.
    (ム)について.対称性があるため,上半分だけを求めればよいことに気付くと計算が楽になる.この問題に限らず,対称性に気付くことは重要である.そして,曲線の分かれ目となる点\mathrm{B}の左側と右側で分けて面積を求めると考える.第1象限側は円弧であるため,面積の導出については特筆事項なし.左側については,最初は素直にxy座標で面積を定積分で表し,それを極座標変換する.極座標の問題で分からないときには一先ずxy座標で表し,それを極座標変換するという順序で解くと,何をやっているのかが分かりやすい.

    解答例

    (1)
    フ:\frac{v}{v^2-1}
    ヘ:0
    ホ:\frac{1}{\sqrt{v^2-1}}
    (2)
    マ:\sqrt{\left\{f^\prime\left(\theta\right)\right\}^2+\left\{f\left(\theta\right)\right\}^2}
    ミ:\frac{1}{\sqrt{v^2-1}}
    ム:\frac{1}{2}\left(\pi+e^\pi-3\right)

    解説

    (1)
    〇半径(フについて)
    \mathrm{Q} \left(X,Y\right)とおくと,\mathrm{OQ}=\sqrt{X^2+Y^2},\mathrm{AQ}=\sqrt{\left(X-1\right)^2+Y^2}と書ける.
    \therefore\mathrm{OQ}\colon\mathrm{AQ}=\sqrt{X^2+Y^2}\colon\sqrt{\left(X-1\right)^2+Y^2}=1\colon v
    \therefore\sqrt{\left(X-1\right)^2+Y^2}=v\sqrt{X^2+Y^2}
    両辺正のため,2乗しても同値性は崩れず,
    \left(X-1\right)^2+Y^2=v^2\left(X^2+Y^2\right)\Longleftrightarrow\left(X+\frac{1}{v^2-1}\right)^2+Y^2=\left(\frac{v}{v^2-1}\right)^2
    よって,求める半径は\frac{v}{v^2-1}……(答)

    〇点\mathrm{B}の座標(ヘとホについて)
    \mathrm{B}x座標をx=tと置くと,接点の座標は\left(t,\sqrt{-t^2-\frac{2}{v^2-1}t+\frac{1}{v^2-1}}\right)となる.
    よって,接線は,
    \left(t+\frac{1}{v^2-1}\right)\left(X+\frac{1}{v^2-1}\right)+Y\sqrt{-t^2-\frac{2}{v^2-1}t+\frac{1}{v^2-1}}=\left(\frac{v}{v^2-1}\right)^2
    これが点\left(1,0\right)を通るので,
    \left(t+\frac{1}{v^2-1}\right)\left(1+\frac{1}{v^2-1}\right)=\left(\frac{v}{v^2-1}\right)^2\Leftrightarrow t=0
    よって,点\mathrm{B}の座標は,
    \left(0,\frac{1}{\sqrt{v^2-1}}\right)……(答)

    (2)
    〇最短経路の長さ(マについて)
    曲線C_1の方程式をy=g\left(x\right)とすると,最短経路の長さは,
    \mathrm{AB}+\int_{x_{\theta_1}}^{x_{\theta_0}}\sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2}dx
    となる.ただし,x_{\theta_1}は点\mathrm{R}x座標であり,x_{\theta_0}は点\mathrm{B}x座標である.
    ここで,直角座標から極座標へ変換すると,
    \begin{cases} x=r\cos{\theta}=f\left(\theta\right)\cos{\theta} \\ y=r\sin{\theta}=f\left(\theta\right)\sin{\theta} \end{cases}
    となり,
    \begin{cases} \frac{dx}{d\theta}=f^\prime\left(\theta\right)\cos{\theta}-f\left(\theta\right)\sin{\theta} \\ \frac{dy}{d\theta}=f^\prime\left(\theta\right)\sin{\theta}+f\left(\theta\right)\cos{\theta} \end{cases}
    \therefore\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{d\theta}\cdot\frac{d\theta}{dx}=\frac{f^\prime\left(\theta\right)\sin{\theta}+f\left(\theta\right)\cos{\theta}}{f^\prime\left(\theta\right)\cos{\theta}-f\left(\theta\right)\sin{\theta}}
    よって,最短経路の長さは,\frac{dx}{d\theta}<0より,積分区間が入れ替わることに注意すれば,
    \mathrm{AB}+\int_{x_{\theta_1}}^{x_{\theta_0}}\sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2}dx=\mathrm{AB}+\int_{\theta_1}^{\theta_0}\sqrt{1+\left(\frac{f^\prime\left(\theta\right)\sin{\theta}+f\left(\theta\right)\cos{\theta}}{f^\prime\left(\theta\right)\cos{\theta}-f\left(\theta\right)\sin{\theta}}\right)^2}\left\{f^\prime\left(\theta\right)\cos{\theta}-f\left(\theta\right)\sin{\theta}\right\}d\theta=\mathrm{AB}+\int_{\theta_0}^{\theta_1}\sqrt{\left(f\left(\theta\right)\sin{\theta}-f^\prime\left(\theta\right)\cos{\theta}\right)^2+\left(f^\prime\left(\theta\right)\sin{\theta}+f\left(\theta\right)\cos{\theta}\right)^2}d\theta=\mathrm{AB}+\int_{\theta_0}^{\theta_1}\sqrt{\left\{f^\prime\left(\theta\right)\right\}^2+\left\{f\left(\theta\right)\right\}^2}d\theta
    \alpha(ミについて)
    (1)の結果を考えれば,\theta_0=\frac{\pi}{2}であり,\mathrm{AB}=\sqrt{1^2+\left(\frac{1}{\sqrt{v^2-1}}\right)^2}=\frac{v}{\sqrt{v^2-1}}である.
    f\left(\theta\right)=\beta e^{\alpha\left(\theta-\theta_0\right)}=\beta e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}より,vf\left(\theta_1\right)=v\beta e^{\alpha\left(\theta_1-\frac{\pi}{2}\right)}である.
    更にf^\prime\left(\theta\right)=\alpha\beta e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}
    \mathrm{AB}+\int_{\theta_0}^{\theta_1}\sqrt{\left\{f^\prime\left(\theta\right)\right\}^2+\left\{f\left(\theta\right)\right\}^2}d\theta=\frac{v}{\sqrt{v^2-1}}+\int_{\frac{\pi}{2}}^{\theta_1}\sqrt{\left\{\alpha\beta e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}\right\}^2+\left\{\beta e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}\right\}^2}d\theta\bigm=\frac{v}{\sqrt{v^2-1}}+\int_{\frac{\pi}{2}}^{\theta_1}{\sqrt{1+\alpha^2}\beta e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}}d\theta=\frac{v}{\sqrt{v^2-1}}+\sqrt{1+\alpha^2}\beta\left[\frac{1}{\alpha}e^{\alpha\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)}\right]_{\frac{\pi}{2}}^{\theta_1}\bigm=\frac{v}{\sqrt{v^2-1}}-\frac{\beta}{\alpha}\sqrt{1+\alpha^2}+\frac{\beta}{\alpha}\sqrt{1+\alpha^2}e^{\alpha\left(\theta_1-\frac{\pi}{2}\right)}
    これとvf\left(\theta_1\right)=v\beta e^{\alpha\left(\theta_1-\frac{\pi}{2}\right)}が等しくなるので,
    \begin{cases} \frac{v}{\sqrt{v^2-1}}-\frac{\beta}{\alpha}\sqrt{1+\alpha^2}=0 \\ \frac{\beta}{\alpha}\sqrt{1+\alpha^2}=v\beta \end{cases}\Leftrightarrow\begin{cases} \alpha=\frac{1}{\sqrt{v^2-1}} \\ \beta=\frac{1}{\sqrt{v^2-1}} \end{cases}……(答)
    〇領域の面積(ムについて)
    v=\sqrt2のとき,\alpha=\beta=1となる.
    以下では,領域の上半分の面積を考える.最終的な答えはその2倍となる.
    まず第1象限の図形について.これは(1)の議論から\left(X+\frac{1}{v^2-1}\right)^2+Y^2=\left(\frac{v}{v^2-1}\right)^2\Leftrightarrow\left(X+1\right)^2+Y^2=2を満たす図形,つまり,中心\left(-1,0\right),半径\sqrt2の円の内部.中心を点\mathrm{D}とすると,\angle\mathrm{ADB}=\frac{\pi}{4}となる.よって,第1象限の図形の面積は,
    \frac{1}{2}\cdot\left(\sqrt2\right)^2\cdot\frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}\cdot\sqrt2\cos{\frac{\pi}{4}}\cdot\sqrt2\sin{\frac{\pi}{4}}=\frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}
    次に第2象限の図形について.
    x=f\left(\theta\right)\cos{\theta}=e^{\theta-\frac{\pi}{2}}\cos{\theta}であるから,\theta=\piのとき,x=-e^\frac{\pi}{2}
    よって,第2象限の図形の面積は,
    \int_{-e^\frac{\pi}{2}}^{0}ydx=\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}{f\left(\theta\right)\sin{\theta}}\frac{dx}{d\theta}d\theta=\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}{e^{\theta-\frac{\pi}{2}}\sin{\theta}}\cdot e^{\theta-\frac{\pi}{2}}\left(\cos{\theta}-\sin{\theta}\right)d\theta=\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}e^{2\theta-\pi}\left(\sin{\theta}\cos{\theta}-{\mathrm{sin}}^2\theta\right)d\theta\bigm=\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}e^{2\theta-\pi}\left(\frac{\sin{2\theta}}{2}-\frac{1-\cos{2\theta}}{2}\right)d\theta=-\frac{1}{2}\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}e^{2\theta-\pi}d\theta+\frac{1}{2}\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}{e^{2\theta-\pi}\left(\sin{2\theta}+\cos{2\theta}\right)}d\theta
    ここで,\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}e^{2\theta-\pi}d\theta=\left[\frac{1}{2}e^{2\theta-\pi}\right]_\pi^{\frac{\pi}{2}}=\frac{1}{2}\left(1-e^\pi\right)であり,
    \left(e^{2\theta-\pi}\sin{2\theta}\right)^\prime=2e^{2\theta-\pi}\sin{2\theta}+2e^{2\theta-\pi}\cos{2\theta}\Leftrightarrow e^{2\theta-\pi}\left(\sin{2\theta}+\cos{2\theta}\right)=\frac{1}{2}\left(e^{2\theta-\pi}\sin{2\theta}\right)^\prime
    であるから,
    \int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}{e^{2\theta-\pi}\left(\sin{2\theta}+\cos{2\theta}\right)}d\theta=\int_{\pi}^{\frac{\pi}{2}}{\frac{1}{2}\left(e^{2\theta-\pi}\sin{2\theta}\right)^\prime}d\theta=\left[\frac{1}{2}e^{2\theta-\pi}\sin{2\theta}\right]_\pi^{\frac{\pi}{2}}=0
    \therefore\int_{-e^\frac{\pi}{2}}^{0}ydx=-\frac{1}{4}\left(1-e^\pi\right)
    よって,上半分の面積は,
    \frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}-\frac{1}{4}\left(1-e^\pi\right)=\frac{1}{4}\left(\pi+e^\pi-3\right)
    よって,求める面積は,
    2\cdot\frac{1}{4}\left(\pi+e^\pi-3\right)=\frac{1}{2}\left(\pi+e^\pi-3\right)……(答)


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