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法学部

2014年度 慶應FIT入試B方式

2014年度慶應義塾法学部 FIT入試B方式

全体概観:二次選考 大問(400〜450字程度が2つ)各45分+面接

 慶應義塾大学法学部のFIT入試は、まず 一次選考において書類の提出が求められ、それに準じて二次選考に残るか否かが決まります。

ちなみに以下が、合格者の人数となっています。

2017(平成29)年度

学 科 募集人員 方 式 出願者数 第一次合格者数 最終合格者数
法律学科 最大80名 A方式 192(118) 63(40) 32(25)
B方式 148(89) 100(65) 67(47)
政治学科 最大80名 A方式 215(137) 69(48) 32(25)
B方式 184(115) 100(65) 68(47)
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。

2016(平成28)年度

学 科 募集人員 方 式 出願者数 第一次合格者数 最終合格者数
法律学科 最大80名 A方式 180(111) 68(55) 30(24)
B方式 162(100) 106(70) 67(43)
政治学科 最大80名 A方式 213(144) 68(60) 30(27)
B方式 145(87) 94(61) 65(45)
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。

2015(平成27)年度

学 科 募集人員 方 式 出願者数 第一次合格者数 最終合格者数
法律学科 最大80名 A方式 144(94) 74(55) 40(31)
B方式 88(60) 86(60) 53(40)
政治学科 最大80名 A方式 213(136) 78(57) 30(23)
B方式 125(89) 100(75) 60(46)
上記の合格者数には、A方式・B方式の両方式に合格したものを含みます。
( ):内数 女子

では、2014年度のB方式の二次選考の回答のやり方について説明していきます。問題はこちらです。⇨http://www.admissions.keio.ac.jp/exam/fit14_b.html

大問1:資料読み取り型小論文

大問1では、与えられた資料(グラフ,表,データ,条文, 判例など)から読み取れることを 400 字程度にまとめます。ここでは、社会科学に必要な論理的 な思考力,考察力や多様なデータに対する知識が求められます。

2014年度では、1965年の国ごとにまとめられた年齢別の労働力率をまとめたグラフAと1985年でまとめたグラフB、そして2005年のグラフCを総合的にまとめる能力が求められました。まずグラフAは、どの国もほぼ同じくらいだと言えます。しかし、グラフB以降スウェーデンが大きく伸びを見せる、その反面日本はあまり変動がみられない。そしてグラフCでは、グラフBではあまり伸びを見せていなかった韓国が日本に迫る勢いであり、日本も上昇はしているものの緩やかであると言える。ここで注意すべき点なのですが、この様なグラフや資料を読み取る型の小論文では、グラフから読み取れること以外を勝手に想像して書くことはやってはいけません。

では、以上図Aと図B、図Cから読み取れる点を複合して問題点を指摘しましょう。つまり、「国毎に見る女性の労働」から見られる問題点です。以下が解答例です。

~解答例~

図A,図B及び図Cは女性の労働率について、年齢で分け国毎に集計したものを図ごとに年度別にまとめたものである。まず、図Aでは韓国が全体的に低いものの各国とも女性の労働率に差はないと言える。しかしながら、図Bでは女性の社会進出に早期に乗り出した北欧のスウェーデンが全体的に大きく伸びを見せている。さらに、フランスも20代〜30代までの女性労働率が大幅に上昇している。その反面で、日本及び韓国は20年前の図Aとそれほど変わらず、腹ばいとなっている。そして、図Cではフランスも定年前までの女性労働率が全体的に上昇し、かつ日本もスウェーデンやフランスほどではないが上昇していることがうかがえる。また、図A及び図Bではそれほど変化の見えなかった韓国も20代の女性労働率が上昇している。この要因としては、女性差別の撤廃や女性の社会進出及び女性の育児休暇などへの関心の高さが、フランス・スウェーデンと日本や韓国を分けていると考えられる。(計410字)

 

※今回は文字数の関係で、図Cにおいてみられるフランス・スウェーデンでは育児休暇期間とみられる時期(20代後半〜30代前半)でも女性の労働率は低下していない反面で、日本や韓国では一時的に低下してしまうことを省きました。ですが、それについてのアプローチも可能です。

大問2:発想力が問われる小論文

大問2は、創造力,独創性,発想力が主に問われる問題で、対策をしていないと面食らうことになります。ですが、毎年割と奇抜な問題が出題されるために、過去の問題を遡っていればある程度身構えることが出来るでしょう。大問2は、大問1と異なり予想することが出来ないので、発想力に加えてそれにしっかりと肉付けできるほどの論理を身につけることが成功の鍵となってきます。では、2014年度の大問2を見ていきましょう。

〜設例〜

『昔、エジプトの発明の神テウトが文字を発明し、神々の王タモスに言った。「文字を学べば、知恵と記憶力が高まります」と。それに対しタモスは次のように答えた。「人々が文字を学ぶと、記憶力の訓練がなおざりにされ、忘れっぽくなる。また、文字が与える知恵とは外面的な知恵であり、人は見かけだけの博識家となり、うぬぼれてしまう。」
テウトになりかわってタモスに反論し、その反論に対しタモスになりかわって再反論しなさい。』

〜説明〜

さて、二柱の神による対話を行う問題です。一見面喰らうかもしれませんが、これはつまり自分の意見を根拠を持って答えられるか、そしてその意見に対して正しく考察でき、批判や反駁を行うことができるかが問題です。このような議論を行う問題はディベートと同じように、双方の意見を正しく理解できるか、そしてその論拠を正しく述べられるか、さらに相手の意見は本当に正しいのか否かをしっかりと判断することが求められます。以下が解答例です。

~解答例~

テウトの立場から反論する。タモスが先に述べた文字によって記憶がなおざりになるといった主張は正しくはない。その理由としては、文字によって記録することで人々は記憶する物事の幅が増え、かつ文字で記録することは自らの記憶の確認や整理も可能になる。さらに、文字が与える知恵が外面的であるという指摘も、人間は記憶だけで考えるのではなく文字を利用することで初めて考えることができる。反対にタモスの立場からこれに反論する。まずもって、文字を使用しなくとも人間には元来記憶力が備わっている。そして、文字を使わないことでその記憶力は増強される上に、思考力も上昇する。また、文字に依存することは記憶力をないがしろにすることにもつながり、文字で書き留めておけば記憶をしなくとも良いというような考えがはびこる蓋然性は高いと言える。故に、文字による記録は自らの記憶力を外面的に増加させ、本来の記憶力それ自体の増強には繋がらないと言える。(404字)

400字程度なので、+-1割(40字)程度に考えておいてください。少なすぎても多すぎても採点者に読む気を与えません。

以上は、FIT入試における小論文の回答の一例ですので、一言一句同じである必要はなく、自分が考える内容で構いません。ですが、回答にたどり着くまでの論理的な道筋は変わらないので是非参考にしてください。

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偏差値30から早稲田慶應に合格するための日本で唯一の予備校です。 ただ覚えるだけの丸暗記では早稲田慶應に合格することはできません。 本ブログでは、当塾のメソッドでいかにして考えて早稲田慶應に合格することができるのかの一部をお伝えします。