運動方程式は、力学において最も重要な関係式の1つです。なんとなく学んでいるとつまずきやすいポイントですので、しっかり理解しておきましょう。
運動方程式とは
例として、平面上で台車(=摩擦力を考えない物体)に力Fが加わって走っている場合を考えます。
この場合、運動方程式は、下のような式で表されます。
F=ma
ここで、mは物体の質量、aは物体の加速度です。力と加速度の向きは一致します。
運動方程式はF=maで表され、質量mの物体に力Fがはたらくとき、その物体は加速度aで運動する、という意味の方程式です。
他の例として、重力を考えてみます。重力加速度をgとしたとき、質量mの物体に働く重力はmgです。力のつり合いを考える上で、平面の上で止まっている物体にはたらく重力と物体に対する抗力を考えたと思いますが、その際物体にはたらく重力はmgとなります。もし物体が何にも接していないと、抗力が働かないため、物体は加速度gで鉛直下方向に落下します。
また、加速度をもたない(a=0)の物体の場合、物体にはたらく力の合力は0となります。加速度をもたない物体は、静止または等速直線運動をしています。よって、力がつり合っている場合は、運動方程式において=0の場合と考えることができます。
注意しておきたいこととして、「物体が動いているときは物体に力がはたらいている」ではありません。上の図では、平面上を等速で台車が走っている状態を表していますが、この台車は等速なので加速度は0であり、力は働いていません(現実には空気抵抗があるので力は働いていますが)。
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