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【2025年新課程】何が変わるのか詳しく解説

2025年に向けて、大学入試は新しいカリキュラムに即した形で実施されることになります。

これは、2022年に高校に入学した生徒たちが直面する変化です。
新しい試験形式への移行は、多くの生徒にとって不安の種でしょう。

このページでは、皆さんが抱えるであろう疑問や懸念を解消するために、
最新情報を基に、重要な変更点を具体的な例を交えながら、
わかりやすく解説します。

これらの情報を活用して、入試に向けた準備を万全に進めていただければと思います。

新課程・学習指導要領の特徴は?

新課程や学習指導要領は、生徒たちに21世紀の社会で必要とされる能力を身につけさせることを目的としています。

それには以下のような特徴があります。

特徴 説明
主体的で対話的な深い学び(アクティブ・ラーニング) 生徒が主体的に学び、探究学習やプロジェクトベースの学習を通じて、他者との対話を通じて深い理解を目指す。知識の記憶だけでなく、自ら考え問題解決する力を育成。
多様な価値観や情報に対する理解と対応力の育成 多文化共生や異なる価値観への理解、情報リテラシーを重視し、国際理解教育や情報教育が強化される。
総合的な思考力、判断力、表現力の涵養 教科の枠を超えた総合的な学習を重視し、生徒が自らの思考を整理し、適切に判断し、それを表現する力を育てる。
キャリア教育の充実 生徒が自分自身の興味や適性を理解し、キャリアについて考える機会が増える。
情報科技(ICT)の活用 教育の情報化が進み、タブレットやコンピュータの利用が促進され、ICTを活用した学習が一般化する。

なぜ、学習指導要領が新しくなったのか?

日本においては、目まぐるしいスピードで社会の様相が変わりつつあります。例えば、人工知能(AI)は医療から金融まで多岐にわたる分野での意思決定を支援し、私たちの生活を大きく変えています。スマートフォンは進化を遂げ、いつでもどこでも情報アクセスが可能なデバイスへと成長しました。
グローバル化は、異文化交流の増加や、国境を越えたビジネスの拡大を促進しています。
宇宙開発もまた、国際宇宙ステーション(ISS)での研究や、火星探査計画など、私たちの知識の地平を広げる方向で進展しています。

このような変化に対応して、将来を見通す力はますます重要になってきます。
未来を予測することは難しくなっている今、学校教育も進化し続けるべきです。

教育は、生徒たちが将来の変わりゆく社会に適応し、貢献できるように、現代のトレンドを取り入れ、新しい技術や思考法を学ぶ場でなくてはなりません。例えば、プログラミングの授業を取り入れることで、生徒たちはAIの基礎を理解し、
将来的にこの技術を活用する力を育むことができるでしょう。

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新課程による高校での学びの変更点

高等学校の学習内容において、生徒の資質や能力の向上を目的とした変更が加えられています。

英語の変更点

英語の科目は全面的に更新され、「英語コミュニケーションI」という新たな科目が設けられ、必修とされています。
ここでは、聞く・話す・読む・書くの4つの言語技能がバランス良く習得できるようカリキュラムが組まれています。

さらに、新しく追加された「論理・表現」という分野では、特に書く力と話す力の向上に焦点を当てています。

数学の変更点

数学科目における変更点として、「数学活用」が廃止され、新たな科目として「数学C」が導入されました。
「数学C」では、具体的に次のような分野を学びます。

  • ベクトルの概念や演算
  • 平面上の曲線や複素数平面の扱い
  • 数学的な表現に関する工夫、例えば統計グラフや離散グラフ、行列などの活用

数学を他の分野と融合させた問題が増えており、より広い知識が求められる傾向にあります。
例を挙げると、共通テストで「数学II、数学B、数学C」を受験する場合、文系の学部を志望していても「数学C」の範囲であるベクトルに関する二次試験の準備が必要になるかもしれません。これは文系学生にとっての学習負担が大きくなることを意味します。

さらに、ビジネスの世界でビッグデータや機械学習、統計学の活用が不可欠となっていることを反映して、
統計やデータ分析の重要性が高まっています。

そのため、たとえ確率問題を解く際であっても、数学Bで習う統計的な推測の知識が求められる場面が出てくるかもしれません。
これらの変更は、現代社会のニーズに合わせた数学能力の育成を目的としています。

国語の変更点

国語の新しい学習要綱では、「現代の国語」と「言語文化」という2つの必修科目が設けられており、
日本の言語文化について深く理解することを目的としています。

必修科目の追加

  • 現代の国語: 実世界での国語力を高めることに注力。
  • 言語文化: 日本独自の言語文化への理解を深める。

実用文である法令文、企画書、報告書、報道記事などから、情報を読み取り、総合的な思考力を養う必要があります。

文芸作品の位置づけ

実用文重視の流れにより授業時間は減少する可能性があるが、受験対策としては変わらず重要。
これらの変更は、実社会で求められる国語力を養うために、より実践的な内容へとシフトしています。

地理歴史の変更点

地理歴史も科目が一新され、新設の「地理総合」「歴史総合」が必履修科目になっています。
そのため、「地理を学ばない」という選択肢がなくなりました。

地理歴史の大学入学共通テスト対策では、「総合」と「探究」を学ぶ主旨を理解しておくことが大切です。
新学習指導要領における「探究」は、必履修科目の「歴史総合」で身に付けた知識・資質・能力を土台とする科目になります。

新学習指導要領の主旨に合った対応をするためには、歴史総合で重要事項を覚えるだけでなく、
アクティブラーニングのような能動的な学習を通して「どうしてそうなるのか?」という探究の姿勢や興味から、理解を深めていくことも大切です。

また、国語の新学習指導要領と同様に、複数の事象への比較・相互関係の着目・関連付けの考察・構想などを通して、「社会的な見方・考え方」を培うことも重要ポイントとなります。

理科の変更点

物理では大きな変更点はないのですが、化学、生物において変更点があります。

化学では、学習内容自体に変化はないのですが、用語が変わっています。
特に大きな変化は,熱化学方程式が廃止された代わりに,エンタルピーとエントロピーという用語が新たに導入されました。

生物については大きなカリキュラム改定が行われていますので要注意してください。

理科の科目の中でも特に生物は、大幅なカリキュラム改定が行われています。ここでは、その具体的な変更点を詳しく見ていきましょう。

生物基礎と生物の両科目に新しい内容が追加され、学習する範囲にも変更があります。

こうした変更は、生物学の最新の進歩を反映し、また生徒が生物学の基本的な概念をより深く理解できるようにするためのものです。

学習をするならば、化学と特に生物については新課程に対応した参考書を使った方が良いです。物理については、同じ参考書を使っても現時点では問題ないでしょう。

情報について

情報科目に関しては、新たな体系に再編されることになり、「情報I」と「情報II」という2つの科目に分けられます。
ここで注目すべきは、「情報I」が全生徒にとっての必修科目となる点です。
「情報I」では、プログラム作成の初歩から情報倫理に至るまでの幅広い知識を習得します。
そして、この変更に伴い、2025年度からは大学入学共通テストに「情報」科目が新設されることが決定しています。

情報科目のカリキュラム変更点

この科目の導入は、テクノロジーが社会に果たす役割が大きくなる中で、生徒たちが情報技術を理解し、適切に活用する能力を身につけるためのものです。
例えば、プログラミングの基礎を学ぶことで、将来的にはソフトウェアの開発やデータ分析など、様々な分野での情報処理技術が要求される職業につくための基盤を築きます。

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共通テストにおける変更点

初めての新課程対応となる2025年度大学入学共通テストについて、
大学入試センターより「出題教科・科目」が正式決定され公表されており、
新教科「情報」が加わり現行の6教科30科目から、7教科21科目へと変更されます。

大学入学共通テスト出題科目一覧

教科 現行課程(~2024年度) 新課程(2025年度~)
国語 国語 国語
地理・歴史 世界史A 地理総合, 地理探究
世界史B 歴史総合, 日本史探究
日本史A 歴史総合, 世界史探究
日本史B
公民 現代社会 公共
倫理 公共, 倫理
政治・経済 公共, 政治・経済
数学 数学Ⅰ 数学Ⅰ
数学Ⅰ・A 数学Ⅰ・A
数学Ⅱ 数学Ⅱ・B・C
理科 物理基礎 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎
物理 物理
化学 化学
生物 生物
地学 地学
外国語 英語 英語
ドイツ語 ドイツ語
フランス語 フランス語
中国語 中国語
韓国語 韓国語
情報 情報Ⅰ

英語の変更点

共通テストでは、これまでと変わらずリーディングとリスニングの技能が評価されますが、出題される素材の種類がより多様化しています。

これらの素材を用いて、情報の読み取りや要点の把握、図表と組み合わせた解釈などのスキルが試されます。

語彙の増加

高校生が学ぶべき英単語数は大幅に増え、最大で700語の増加が見込まれています。
また、大学入学共通テストでは英文の量が増えている傾向にあります。

これに対応するため、単語の暗記だけでなく、様々な練習問題や模擬試験を通じて、実践的な英語の総合力や応用力を養うことが一層求められます。

国語の変更点

まず配点の構成に変更があります。全体の配点は以前と同じ200点満点ですが、配点の内訳が変わります。

近現代の文章に関する問題が3題で
合計110点、古典部分が2題で90点となり、古典はさらに古文と漢文に分けてそれぞれ45点が割り当てられます。

つまり、現代文と古文、漢文のバランスが以前よりも変わることになります。

さらに新しいタイプの問題として、実用的な文章を読み解く問題が追加されます。
これには、例えば新聞の社説やビジネス文書、公共の通知文などが含まれることになりそうです。
これらのテキストは日常生活で直面する可能性が高く、表やグラフを含むレポート形式で出題されることもあります。

この実用文の読解力は、慣れが必要ですが、高校生が社会人としての責任を担う一環として選挙権も有していることを考慮すると、公的な資料や地方自治体の条例などを理解できることが求められています。
これは、将来的に重要な決定をする際に、情報を正しく読み解き、適切な判断を下せるようにするための準備とも言えるでしょう。

社会の変更点

新しい学習指導要領により、高校の地理歴史と公民の科目構成が一新されます。詳細に説明していきましょう。

地理歴史の分野

従来の「日本史」「世界史」「地理」というカテゴリが、より包括的で研究指向の「地理総合」「歴史総合」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」という5つの科目に分けられます。たとえば「地理総合」では、従来の地理の内容に加えて、現代社会における地理的な課題についても学びます。また、「歴史探究」では、歴史に関する特定のテーマや時期を深く探求することになります。

公民の分野

従来の「現代社会」「倫理」「政治・経済」が「公共」「倫理」「政治・経済」へと変更されます。例えば「公共」という新科目は、以前の「現代社会」と似ていますが、公共の福祉や市民としての役割など、より社会全体に目を向けた内容が含まれるようになります。

共通テストでは、これらの新しい科目から最大2科目を選択できます。
例えば、「地理総合」と「歴史総合」を組み合わせることも、「歴史総合」と「世界史探究」を組み合わせることも可能です。そして、公民関連の科目を選択する場合、「公共」は必須科目となります。

歴史総合

従来の日本史や世界史の枠を超え、特に近現代史にフォーカスを当てた学習が求められます。これは、例えば明治維新から現代までの日本の歩みや、第一次世界大戦から現代の国際関係までの世界史を、より深く理解することを意味します。

新しいカリキュラムは、生徒が各分野についてより広範な知識と深い理解を持つことを目指しています。
これにより、生徒は単に歴史的事実を学ぶだけでなく、それらが現代社会にどのように関連しているかを考え、社会での自分の役割を見出す力を養うことができるようになるでしょう。

数学の変更点

まず、数学①の試験において、受験生は2つの選択肢から一つを選ぶ必要があります。一つ目の選択肢は「数学Ⅰ」と「数学A」の組み合わせです。ここで「数学Ⅰ」は、方程式や不等式といった基礎的な代数学、そして三角関数などの初歩的な解析学を扱います。「数学A」は、集合や命題などの論理的な思考力を要する数理を含んでいます。二つ目の選択肢は「数学Ⅰ」のみを対象とするコースで、上記の代数学や解析学の基礎知識に特化しています。

次に数学②ですが、ここではより高度な数学科目「数学Ⅱ」に加え、「数学B」と「数学C」の範囲から選ぶことになります。具体的には、「数学B」からは「数列」や「統計的な推測」に関する問題を選びます。例えば「数列」では、算数から一歩進んだ数のパターンを見つける問題や、一定の規則で変化する数の並びを解析する問題が出題されます。「統計的な推測」では、データを分析し、その背後にある傾向を見つけ出す問題に挑戦します。「数学C」では、空間を扱う「ベクトル」と、幾何学的な図形を代数的に解析する「平面上の曲線」、虚数を取り入れた「複素数平面」が出題されます。

最後に、共通テストでは数学の問題数が増加することに伴い、解答時間も60分から70分へと延長されます。この時間の延長は、数学Bと数学Cの範囲からそれぞれ2項目が出題され、受験生はその中から3項目を選んで解答する必要があるためです。
これにより、受験生はより柔軟に問題を選び、深い理解と解答技術を持って臨むことができるようになります。

理科の変更点

現行では理科①と理科②が別の時間帯で実施されていますが、一つの時間帯で最大2科目受験することになります。
さらに4科目に分かれていた理科基礎科目で、「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」として1科目に集約され、このうち2つの分野を選択し解答しますが、現行とほぼ同様の実施方法となります。

国立大は6教科8科目が原則

国公立大学の入学試験制度においては、まず大学入学共通テストを第一次試験として受け、それに続いて各大学固有の個別試験、すなわち第二次試験が行われます。これまで述べてきたように、共通テストの出題範囲は著しく変化する予定ですが、特に注目すべきは、国立大学が従来の5教科7科目の入試から、新たに「情報」という教科を加えて6教科8科目での入試を行うという方針を打ち出している点です。
例えば、これまでの国立大学入試で問われていた科目に加えて、コンピュータの利用やプログラミング、情報倫理などを扱う「情報」が新たな科目として組み込まれます。

一方、公立大学では、この「情報」を選択科目とするか、あるいは入試科目に含めない選択をしている大学が多いです。
さらに、それぞれの大学が第二次試験の具体的な詳細についてはあまり公表しておらず、どの科目が必要になるのか、配点の変更はあるのかなどを見極めるためには、各大学からの公式な発表を待つ必要があります。現時点では、「情報」を個別試験で新たに問う大学はほんの一握りに限られています。

大学ごとに対応が異なるので特に初年度は要注意してくださいね。

私立大学入試はどう変わるのか?

一方私立大学においては、2025年度入試を迎える新課程に対応した入試の詳細を発表している大学はまだ少ない状態です。
私立大学では現在でも多くの大学が大学入学共通テストを利用した入試を実施しており、新しい教科や科目がどのように入試に組み込まれるかについては、今後の各大学からの具体的な情報公開を待つことになります。

たとえば、新しい教育課程における「情報」や「地理歴史」、「公民」のような科目が、どのように私立大学の入試科目に反映されるかは、今後の大学側のアナウンスに注目が集まっています。

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早稲田、慶應についてどのように変わるのかについてはこちらの記事でまとめていますので、確認してみてください。

新しい入試への挑戦を恐れずに

今までの情報をもとに、新しい入試制度について詳しく見てきましたが、心配な気持ちは少し和らいだでしょうか?
試験本番まで2年を切っているとはいえ、まだはっきりしない部分も残っています。
これからの準備にあたって重要なことをいくつか挙げてみましょう。

入試制度が変わるとどうなる?

当塾で受験生を支援してきた経験から言えば、
今回の新課程の導入は過去の大きな変更と比較してそれほど大きなものではありません。

2015年度の教育改革や大学入試センター試験から大学入学共通テストへの切り替え際の方が、より大きな影響がありました。

変更の大きさに関わらず、不安から受験戦略を誤ってしまうことがありました。

情報不足から志望校を下げたり、第一志望諦めたりするのは、後で後悔することにもつながりかねません。

正確な情報を元にした対策の重要性

これからの対では、志望大学がどのように変わるのかを正確に把握するこが大切です。
大学ごとの具体的な変更点は順次公開されていますので、その情報を基に準備を進めましょう。

受験生の皆さんは、変化する入試に対して無闇に怖れることなく、冷静に計画を立て、前向きに取り組んでほしいと思います。

私たちヒロアカでは、引き続き新しい大学入試関する最新情報や対策について情報を提供していきます。

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Published by

小野 和久

高校時代の成績は、偏差値30いかない程度。その状態から、皆に合わせて予備校に行くもうまくいかず、浪人。浪人生活の中で独学で勉強法を編み出して早慶ダブル合格を果たし、慶應義塾大学経済学部に進学。その後、留学せずに英検1級、TOEIC990点、国連英検特A級を習得。 また、在学中に慶應早稲田専門の本塾を起業し、数々の偏差値30からの生徒を合格に導きました。当塾での合格の秘訣は、「考えて勉強をすること」です。 このような自身の経験から考えて勉強することの重要性を認識し、考えて勉強することで勉強を効率化してどんな学力の受験生に対しても独自カリキュラムを提供しています。早慶専門個別指導塾HIRO ACADEMIA塾長。