参考書の特色
▶対象者
早慶・難関レベルの長文対策を基礎から始めたい人。偏差値60くらい。
この参考書は実際の大学入試の長文を題材にして、その論理構造を読み解く練習をしていく一冊です。「長文を読んでいる途中で内容を見失ってしまう・・・」・「一文一文は理解できているはずなのに、全体になると内容が入って来ない・・」と悩む声はしばしば耳にしますが、こういう時は長文の論理構造を読み解けていないことがほとんどです。早慶・難関レベルにもなると、長文の分量・難易度を含め、こうした論理的に読む力が欠かせなくなってきます。英語の長文を読む際にこう言った力が不足しているな・・という人におすすめの一冊です。
この参考書の優れている点は、豊富なフルカラー図解で視覚的にも分かりやすい上、解説も丁寧で充実しているところにあります。特に英文の論理構造が1文1文丁寧に解説されている点が他書にはなく素晴らしいです。
『横山ロジカルリーディング』や『論理を読み解くリーディング』を読んでいて難しい!と感じた場合はこの教材から始めると良いでしょう。
英語の長文を苦手とする人は、長文中の各文章の関係性がつかめず、長文がただの文の羅列のように見えてしまいがちですが、論理的に読めるようになると、長文がしっかり構造をもったものとして見えてくるようになります。図解によって、「できる人」の視点で長文を俯瞰できる点が素晴らしいです。
レベルとしては、過去問を題材にしている部分が多いですが、短い文章から徐々に長い文章へとシフトしていく内容になっているので、長文対策をこれから始めていくという人でも安心して学習を始めていけるレベルだと思います。早慶・難関大学入試長文レベルへの橋渡しをしたい人に最適の一冊です。
教材データ
第0章は文章を読む際の基本姿勢の確認。
第1章は比較的短い文章を扱いながら一文一文の関係性をつかむ練習。第2章は長文を扱い、論理構造の把握の基礎を学ぶ内容。第3章はこれまでに学んだことを応用して、難しめの長文で論理構造の把握力を磨く内容になっています。大きく見ると、内容は<一文一文の読解→長文の読解>という流れで構成されています。
参考書の使い方
▶おすすめ使用期間
3ヶ月程度
この参考書の使い方のカギは、扱われている1つ1つの長文について、論理構造を視覚的に理解したうえで、何度も反復することにあります。長文の論理構造を読み解くためには、接続詞や言い換え表現・同格や対比・例示など、英語の長文がどのような構造からなっているかを視覚的に理解する練習が何よりも大切です。
しかし、論理構造の把握力は一回自分で長文を読んで、解説を読んで理解するだけでは身につきません。何度も反復しないと身につかない力です。参考書に載っている文章がそのまま入試に出題されることはあまり考えられないから、繰り返してその長文を覚えこんでも無駄だと思われる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。
全く同じ文章が出ることはなくても、英文を構成する基本構造は共通しています。数学の勉強をする際に類題にたくさん触れるように、長文の論理構造を把握する力を身につけるためには、共通する論理構造を持つ長文の類題の蓄積が必要です。
反復の際には、もちろんもう一度解いてみることもおすすめですが、意味や句・節の区切りを意識しながら音読をすることをお勧めします。この際は、20~30回を目安に音読を行うと良いでしょう。少し多いように感じられるかもしれませんが、慣れれば音読のスピードは上がりますし、ただ読むだけで解く作業はないので、もう1回解きなおすより、効率よく何回も繰り返せます。スポーツの練習と同じように、何度も反復。これが最も大事なことです。
具体的な使い方としては、一度問題を自分で読み解いた後、解説を読み、コピーした長文に実際に意味や句・節の区切りなどを自分で分かりやすくまとめなおしたうえで、それを見ながら音読する方法が良いと思います。
1ランク成績を上げるための使い方
先ほど、音読をしながら復習すると良いと書きましたが、この音読の仕方にもコツがあるので、「1ランク成績を上げるための使い方」として記しておきます。
音読の際に、抑揚をつけずにいわゆる「棒読み」状態で音読をしている人をよく見かけますが、それではほとんど意味がありません。それはなぜかというと、日本語の文章を読む際もそうですが、「棒読み」にすると、文章の強弱がなくなり、意味が入ってきづらくなるからです。意味が入ってきづらい状態で音読を何度繰り返しても、効率の良い復習にならないことはお分かりいただけると思います。
そこで、音読の際には、意味や句・節の区切りを意識しながら、誰かに話しかけるようなイメージで行うことをお勧めします。誰かに何かを話すとき、何かを伝えたいとき、棒読みではなかなか伝わりませんよね。大統領のスピーチなど、ニュースでしばしば目にしますが、それを真似するように読むといいかも知れません。
この参考書によくある質問集
ここではこの参考書によく当塾に寄せられる質問をQ&A形式でお答えします。
解答はプラトン先生にお答えいただきます。
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