助動詞の種類が多すぎて、それぞれの使い方が分からないという方は多いです。
助動詞と言えばCanが有名ですが、もちろんその他にもたくさんあります。
さらに助動詞のように使用する慣用表現もあるので、覚えることはたくさん・・・。
しかし助動詞はマスターするととても便利なものです。
今回は助動詞の使い方を徹底解説します。
実は助動詞はとても簡単で便利なものであることがきっとわかるでしょう。
助動詞はとても簡単なもの
助動詞は種類こそ多いですが、基本的にはとっても簡単なものです。
助動詞はしっかりとマスターすれば、スピーキングやライティングであなたの大きな助けとなります。
まず助動詞の形をおさらいしておきましょう。
主語+助動詞+動詞の原形
これが助動詞の形です。
簡単ですよね?
極端な話ですが、助動詞の後ろには必ず動詞の原形が来ることを押さえておけば、助動詞の8割はマスターしたものです。
残りの2割は各助動詞の意味を理解するだけ。
助動詞とは、その名の通り、動詞を助ける働きがあります。
例えば
I can fly.
では「~できる」という意味のcanがメインの動詞flyを助けているので「飛ぶことができる」という意味になっています。
助動詞は全然難しくありません。
それぞれの助動詞の意味さえ理解できれば、とても便利なものです。
ここからは各助動詞の意味を見ていきましょう。
助動詞Willの使い方
Willは皆さんおなじみの助動詞ですよね。
助動詞のWillは未来のことについて述べる時に使用されます。
例えば
I will go to the bank. 私は銀行に行く
ここでは未来のことを表現する助動詞Willがメインの動詞であるGoを助けています。
助動詞Willは未来のことを表現しますが、詳しく分けることができます。
主に次の4つの未来について述べる時に使用されます。
1.信じること
何か信じることが未来に起きる時に使用されます。
例えば
I think we will be late. 私たちは遅れると思います。
この例文はI thinkがついているのでわかりやすいですよね。
文の主語である「私」がいつなのかは分かりませんが、未来に起きる何かに対して「遅れる」と思っているのでWillが使用されています。
もう1つ例文を見てみましょう。
You will have to take the bus. 君はバスに乗らなければいけないよ。
この例文では「あなた」が将来バスに乗らなければいけないので、Willが使用されているのですね。
2.オファー・約束
何かをオファーしたり、約束したりするときに、I willやWe willが使用されます。
例文を見てみましょう。
I will take you home after the party. パーティーの後、家まで送ってあげるよ
これは未来に行われるパーティーが終わったら、家まで送ってあげるというオファーをしていますよね。
We will come and see you tomorrow.
僕たちは明日君を見にここにくるから
これは明日来るという約束を行っています。
3.意欲
人々がしたいことや、快くすることを話すときに未来の助動詞Willは使用されます。
例文を見ていきましょう。
I will see you next week. 来週会おうね
これは「来週会いたい」という意欲が見られますね。
だからWillが使用されています。
Maybe dad will let me use the car. もしかしたらお父さんが車を使わせてくれるかもしれない。
これは未来に「お父さんが車を使わせてくれる」という意欲を見ることができる文章です。
4.条件
これまで見てきた1~3のWillの使い方は簡単でしたよね。
詳しく分類分けしてきましたが、結局は未来について表現しています。
しかしこの「条件」を表すWillの使い方は少し難しいかもしれません。
文中でWillとIf、もしくはUnlessが共に使用されていたら条件を表します。
例文を見ながら確認していきましょう。
I’ll call you if you give me your number. 電話番号教えてくれたら、君に電話するよ。
「電話番号教えてくれたら」という条件がありますね。
注目すべきはifの後ろは未来形になっていないところです。
これは「今電話番号教えてくれたら、未来に電話をする」というニュアンスがあるからです。
もう1つ例文を見てみましょう。
You won’t get in unless you have a ticket.チケットがない限り、入ることはできないよ。
これも「~しない限り」という条件を意味するunlessがありますね。
最後にもう1つだけ例文で理解を深めます。
He will give you some advice if you ask him. もし君が頼んだら、彼はいくつかのアドバイスをしてくれるよ。
これもWillとIfがあるので条件を表していますね。
「頼んだらアドバイスをくれる」ということは、「頼まなければ、アドバイスはくれない」ということでもあります。
Willの条件用法は、上級者のような英文を簡単に作ることができるのでとても便利です。
ぜひライティングやスピーキングで使用できるようになってください。
Willの使い方は簡単ですよね。
未来のことを話すときはWillを使用すると覚えていればOKです。
それに加えてIfやUnlessを使用して、条件も表現できるようになると完璧です。
助動詞Wouldの使い方
助動詞WouldはWillの過去形だと言われていますが、現在形でも使用される少しややこしいものです。
したがって一概に「WouldはWillの過去形」と決めつけてはいけません。
Wouldの基本の使い方はWillのパートで見た4つと同じです。
例文で確認していきましょう。
I thought we would be late. 私たちは遅れると思った。
これはWillの過去形としての使用ですね。
Dad said he would let me use the car. お父さんは僕に車を使わせてくれるって言った。
このように誰かが言った未来のことを伝える時にWouldが使用されます。
ここまでは比較的簡単ですよね。
ここからは少し難しいWouldの使い方を紹介します。
それは仮定・条件です。
基本的にはWillのところで見た条件とほぼ同じ使い方です。
違うのは現実に起こり得る可能性はあるけど、実際には起きていない仮定の意味があるということです。
例えば
It would be very expensive to stay in the hotel. そのホテルに宿泊するのはとても高いだろう。
実際に宿泊したわけではありませんが、宿泊するとお金をたくさん払わないといけないだろうという仮定のニュアンスがあります。
またIfとWhat ifを使用して現在・未来の仮定を表現します。
I would call you if you gave me your number. 君が電話番号を教えてくれていたら、僕は君に電話していただろう。
仮定の用法では主にメインの動詞は過去形になります。
If I had a lot of money, I would buy a car. もしたくさんお金を持っていたら、車を買っていたよ。
これも仮定法ですね。
現実には車を買っていないことに注意。
Wouldにはまだまだ様々な使い方があります。
他の使い方は「助動詞のように使う慣用表現」で紹介するので、そこをチェックしてください。
助動詞CanとCouldの使い方
CanとCouldも中学校で習うお馴染みの助動詞ですよね。
しかし、単純に「~できる」という意味だけだと思ってはいけません。
あなたが知っている以上に深いのがCanとCouldなのです。
早速使い方を見ていきましょう。
1.可能性
皆さんはCanとCouldが可能性を表すことを知っていましたか?
意外と知らない人が多いのが「可能性」の用法であり、これはよく使われます。
例文を見て理解を深めていきましょう。
It can be very hot in summer. 夏はとても暑くなるかもしれない。
毎日ではないけど、夏にはとても暑くなる日があるかもしれないという可能性を意味するCanです。
「~できる」と訳しては不自然になるので注意しましょう。
It could be very hot in summer. とても暑くなった時があった夏だった。
これは過去形の文章ですね。
訳し方に迷ったら「時々、時には」などを入れてあげると自然になります。
つまり2つの例文は次のように書き換えることも可能なのです。
It is sometimes very hot in summer.
Sometimes it was very hot in summer.
もう1つ例文を見てみましょう。
Your phone can easily get broken. 君の携帯は簡単に壊れるかもよ。
壊れるかもしれないという可能性を表しています。
過去形にしたいときにはCanをCouldに変えるだけです。
この可能性の用法で注意したいのはCouldです。
過去形として知られるCouldですが、現在の時制で使用されると、未来についての不確かな可能性を表現します。
例えば、
If you don’t hurry, you could be late. もし急がなかったら、遅れるかもしれないよ。
これは過去について話されていないですよね
現在時制でCouldが使用されると、例文のように可能性を表します。
2.不可能
これもあまり馴染みがない用法だと思います。
can not、could notと否定形で「~できない」という意味の他に、不可能を表現します。
It can’t be true. 本当なわけがない。
例文を見てみると分かりやすいですが、実際に使用するとなると少し難しいと思います。
訳すときは「~は不可能だ」というよりも「~なわけがない」とした方が自然です。
You can’t be serious. 本気じゃないだろ。
これも「~なわけがない」という訳し方ですね。
「本気なわけがない」を言い換えて、「冗談だろう」と訳してもOKです。
過去について話したいときは、CanをCouldに変更するだけ。
3.能力
これは皆さんおなじみの用法「~できる」ですね。
特に問題はないと思うので、簡単に例文を見るだけにしたいと思います。
I can speak several languages. 僕は何か国語も話すことができます。
She couldn’t dance well. 彼女は上手にダンスをできなかった。
4.許可
CanとCouldには許可を表す用法もあります。
Can I go home? 家に帰ってもいい?
許可を求めていますよね?
Couldを使用するともっと丁寧な表現になります?
Could I go home? 家に帰ってもいいですか?
さらにCanには許可を与えるという用法もあります。
You can go home. あなたは家に帰ってもいいですよ。
この用法ではCouldは使用できません。
助動詞MayとMightの使い方
MayとMightの用法を見ていきましょう。
MightもまたMayの過去形とみなされていますが、現在形でも使用されるので「Might=Mayの過去形」とだけ思ってはいけません。
早速使い方を見ていきましょう。
1.可能性
MayとMightには、これから起こりそうなことの可能性を表現することができます。
例文で理解を深めていきましょう。
He may be angry. 彼は怒っているかもしれない。
可能性を表現していますね。
実際に怒っているかどうかは分かりません。
It might rain today, 今日は雨が降るかもしれない。
Mightが使用されていますが、訳は過去形ではありません。
Mightは現在時制でも使用できるのです。
そしてスピーキングではMightの方がよく使用されます。
2.許可
Mayには許可を与える用法があります。
You may leave the table once you have finished the meal. 食事を終えたら、テーブルから離れてもいいよ。
これはCanとCouldのところで見た用法と同じですね。
またmay notには禁止を与えることもできます。
You may not park your car here. 車をここに止めてはいけません。
許可を求める時は疑問形です。
これは最も典型的なMayの使用法ですね。
May I sit next to you? 隣に座ってもいいですか?
許可を求める際にMightを使用することも可能です。
しかしこれはかなり古い使われ方なので、Mayを使用した方が無難と言えます。
3.推測
May+have+過去分詞の形だと、推測を意味します。
She is late. She may have missed the plane. 彼女は遅れているよ。飛行機に乗れなかったのかもしれない。
「~かもしれない」が推測を表現していますよね。
4.願望
Mayには願望を表現する用法があります。
May all your wishes come true. あなたの全ての願いが叶いますように。
この用法ではMayを先頭に持ってくるという決まりがあります。
つまりMay+主語+動詞~となるのです。
May the Force be with you. フォースと共にあらんことを
映画『スターウォーズ』シリーズの名言もこの用法が使用されています。
助動詞Shouldの使い方
おそらくよく使用する方が多いShould。
Shouldには一体どのような用法があるのでしょうか?
早速見ていきましょう。
1.意見やアドバイスを与える
Shouldは意見やアドバイスを与える時に使用されます。
You should go home now. 君は家に帰るべきだよ。
You should watch that movie. It is great! その映画は素晴らしいから見るべきだよ。
What should I do? 何をするべきですか?
ご覧の通り、意味は「~するべき」です。
2.可能性・期待
実はShouldにも可能性や期待を表現する用法があるのです。
You should be ready now. The train should be here soon. 準備しなくちゃいけないよ。電車はすぐに来るからね。
最初のShouldはアドバイス、そして2つ目のShouldは可能性を表しています。
3.批判
should +have +過去分詞で「~するべきだった」という意味になります。
否定形では「~するべきではなかった」。
これは誰かを責める時によく使用されます。
I should not have done that. それをするべきではなかった(でもしてしまった)。
He should have said that to her. 彼は彼女にそれを言うべきだった(でも言わなかった)。
この用法は超頻出なので絶対にマスターしましょう。
助動詞Mustの使い方
Mustの主な用法は2つです。
1つは皆さんご存じだと思いますが、もう1つはきっと知らない方が多いはずです。
早速見ていきましょう。
1.義務
これは皆さんご存知の用法ですね。
意味は「~しなければいけない」です。
You must do your homework. 君は宿題をしなければいけないよ。
She must get up early tomorrow. 彼女は明日早起きしなければいけない。
2.当然
この用法は知らない方が多いはずです。
しかしネイティブはよく使うのでマスターしましょう。
当然を表現するMustの意味は「~に違いない」。
例文を見て確認しましょう。
He must be tired. 彼は疲れているに違いない。
It must be hard. それは困難に違いない。
よくmust + be +形容詞の形で使用されます。
助動詞のように使う慣用表現
ここからは助動詞のように使う慣用表現を紹介します。
助動詞のように使うということは、メインの動詞が原型になるということです。
それでは早速見ていきましょう。
丁寧なWould
WouldはWillの過去形や仮定を表すと紹介しました。
丁寧な文章を作る時に使用されることもあるのです。
例文を見ていきましょう。
I would like to have some cookies. クッキーをいくつか頂きたいです。
would like toをつけると丁寧な表現になります。
toの後ろには動詞の原形が来ます。
Would rather
Would ratherは「~の方がいい、むしろ~したい」という意味です。
Preferと同じ意味ですが、Preferの後には名詞か動名詞が続きます。
一方、助動詞のWould ratherの後ろに来るのは動詞の原形ですよね。
I would rather have that one. 私はむしろそれを頂きたいです。
I would rather go to home now. 今からはどちらかというと家に帰りたいです。
May as well / Might as well
意味は「~した方がよい」です。
頻出表現なので覚えておきましょう。
There’s nothing interesting on TV. I might as well go to bed. 面白そうな番組はないね。寝た方がよさそう。
cannot but 動詞の原形
意味は「~せざるを得ない」です。
I cannot but eat. 待たざるを得ない。
これはI cannot help eating.と同じ意味です。
書き換え問題で頻出なので、絶対に覚えておきましょう。
今回は中学や高校であまり詳しく習わない助動詞の意味までも見てきました。
日常会話ではもちろん、入試や英検、そしてTOEICなどのテストでも頻出なので必ず使えるようになってください。
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